新株予約権について
ストックオプションの機能
スタートアップは資金不足の場合が多いので、優秀な人材の取り合い合戦をしたら大手企業に往々にして負けます。
ただし、スタートアップにとっては、大手企業にはない武器があり、それがストックオプション(SO)です。
そもそもSOとは何か?ということですが、将来、行使価格を支払えば株式を付与される権利を指しており、通常、低い行使価格が設定されています。例えば、行使価格10,000円のSOを1個(将来1株に転換される権利がある)もらった従業員がいたとして、上場時の1株の価値が100万円になっていたとすると、10,000円を支払うことで1株をもらって、市場でその株式を100万円で売ることで99万円の利益を得ることができます。
このように、SOは、スタートアップの株式が将来的に株式公開する可能性を利用した夢の権利なのです。
(たまに、SOは要らないので安定した給与が欲しいというスタートアップの社員がいますが、そういう方は職種にもよりますが、あまりスタートアップでの勤務に向いていないかもしれません)
税制適格ストックオプションの課題
従業員によく発行されるSOは、税制適格の無償SOの形式です。
要は色々な要件を満たせば従業員に税務上有利な形でお金が得られるSOとなります(詳しい税制適格要件は税理士にお問い合わせください)。
ただし、上記SOにはいくつか留意点があり、その1つが、税制適格要件を満たすには行使価格が付与時の時価以上である必要があるため、入社タイミングで行使価格が異なっていた点です。
つまり、順調なスタートアップであれば、企業価値が成長するため、設立1年後に入社した人の行使価格は10,000円だが、設立3年後に入社した人の行使価格は1,000,000円であったりします。早いうちからリスクを取って参画した人に報いているという見方もできますが、必ずしも貢献度とは比例せず、ある意味では不公平につながっていました。
今般国税庁は5月30日の『「租税特別措置法に係る所得税の取扱いについて」(法令解釈通達)等の一部改正(案)に対する意見公募手続の実施について』において、純資産価額方式で行使価格を設定することを可能とする方針を示しており、上記の問題に対する解決策となり得るものになっています。
最後に
Axelage株式会社は、世の中の多種多様な領域で興る新規事業を支援することによって、時代を加速させるようなイノベーションを促進します。上記も含めお気軽にご相談ください。
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