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私が『はだしのゲン』を図書館に置いておいてほしい理由

私も子どもの時に読んで恐ろしくて眠れなくなった記憶があります。

確かに絵はグロテスクというか、少女漫画を読んでいた自分にも受けれ難いものだったけれど、

自分から手に取ったのです。

そして原爆や戦争がどんなものかを、その絵から「感じ」させてくれました。

そしてその描写の悲惨さに加え、ゲンとその家族の物語を自分を置き換えて「感じ」ました。

辛い状況から立ち上がっていく美しい物語としてではなく、

こんなことになっては大変なんだと子供に伝える、素晴らしい作品だと思います。

少しあいまいな記憶ですが、

「戦時中、空襲などで、動物園の動物が逃げては危ないと、殺してしまった話」

はかわいそうすぎるから

「戦時中、いろんな圧力にもまけず、動物を守り抜いた話」

をした方が子供には良い、というような議論があったことがありました。

戦争と、それを行う人間の愚かさを伝えるのは、どっちなんだ?と思った記憶があります。

戦争はいつだって、理屈で正当化されてきました。

はだしのゲンだけが方法ではないと思いますが、

どんな理由があってもダメなんだと感じる心を育まなければ、

いつだって屁理屈をこねる人が現れて、うまいプロパガンダに巻き込まれて、

私だって流されてしまうでしょう。

全然、自信ありません。だから、はだしのゲンは、図書館に置いておいてほしいです。

「名作が古典になっていく、過渡期にある」 あの戦争が遠くなるなかで、『はだしのゲン』を読む#戦争の記憶 を読んで。

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