見出し画像

鳥取県立博物館「生誕200年 根本幽峨」展(-2024.3.20)

閲覧ありがとうございます。日本絵画一愛好家です。

さて、2024年の早春の過日、鳥取県鳥取市の鳥取県立美術館で開催されている企画展「生誕200年 根本幽峨-近世鳥取画壇「黄金時代」最後の華-」展(2024年2月10日~3月20日)を拝覧して参りました。

本展、本投稿の時点で残り1週間を切ってしまいましたが絶賛開催中の展覧会です。鳥取県立美術館のウェブサイトに僭越ながらリンクを張らせて頂きます。

弊方、根本幽峨先生の作品を拝見するのは初めて(のはず)だと思います。しかしながら、そのご尊名は存じ上げておりました。なぜなら、弊方、「鳥取画壇」に興味を持っていろいろと調べておりましたためです。

きっかけは、岡山県立美術館にて2019年3月15日から4月21日にかけて開催されておりました特別展「江戸の奇跡 明治の輝き」展で、「鳥取画壇」の巨匠、黒田稲皐先生の「群鯉図額」を拝見して感銘を受けたというか、激萌えしたためです。

ちなみに、この「群鯉図額」は、本展「生誕200年 根本幽峨」展でも展示されておりました。

その後、鳥取県立博物館に、2022年2月11日から3月21日まで開催されていた「小早川秋聲-旅する画家の鎮魂歌」展を拝覧するためにお伺いし、このときに「鳥取画壇」関係の過去展の図録や書籍などを購入させて頂いた次第です。ちなみに「小早川秋聲-旅する画家の鎮魂歌」展は、京都文化博物館でも2021年8月7日から9月26日にかけて開催されており、こちらでも拝覧したのですが、鳥取県立博物館の巡回でしか拝見できない作品があったので、敢えてお伺いした次第です。

それはさておき、鳥取県立博物館では、図録ではなく展示解説書として「鳥取県の自然と歴史」というシリーズがあり、その第5弾が『藩政時代の絵師たち』でした。ここでいう「藩政時代」とはもちろん江戸時代の鳥取藩の時代、ということですので、『藩政時代の絵師たち』という展示解説書は、いわば「鳥取画壇」のコンパクトにして充実した解説書であるということができるかと思います。

弊方が鳥取県立博物館で購入した『藩政時代の絵師たち』は、平成25年すなわち2013年に発行された改訂版で、初版は昭和58年すなわち1983年の発行ということでした。僭越ながら弊方の微妙なガラケー的なガラホで撮影させて頂いた写真を掲載させて頂きます。

鳥取県立博物館では、近世江戸時代の鳥取藩時代の「画壇」すなわち「鳥取画壇」を主題に、過去に何度も展覧会を開催されていた模様です。弊方が確認できた範囲内ですが次の通りでした。

「紫石・応挙と土方稲嶺展」 1997年開催
「沖一峨-鳥取藩御用絵師-」展 2006年開催
「因幡画壇の奇才 楊谷と元旦」展 2010年開催
「鳥取画壇の祖 土方稲嶺」展 2018年開催

これら展覧会のうち、「沖一峨」展以外は図録を入手することができました。「紫石・応挙と土方稲嶺展」については古書で入手し、「楊谷と元旦」展および「土方稲嶺」展については、鳥取県立博物館に図録の在庫が残っておりましたので、「小早川秋聲」展にお伺いしたときに購入させて頂きました。

本展「生誕200年 根本幽峨」展は、これらの展覧会に引き続く展覧会に位置付けられる模様です。

鳥取県立博物館は鳥取市の鳥取城跡に隣接して(城跡内?)所在しております。弊方、関西からスーパーはくとに乗車で鳥取駅で降車し、いつものごとく徒歩で、だいたい25分くらいだったでしょうか。弊方が訪問したときには、あいにくの雨でした。

鳥取県立博物館に至る道のすぐ手前、鳥取城跡のお堀の外側に「鳥取城跡 久松公園」という石碑の横に本展の看板が設置されておりましたので、弊方の微妙なガラケー的なガラホで撮影させて頂いた写真を、僭越ながら掲載させて頂きます。

この石碑および看板の横の道を歩いていくと、左手に荘厳なる鳥取県立博物館が鎮座ましましております。こちらは見出し画像をご覧頂ければと思います。

本展「生誕200年 根本幽峨」展は、こういった近世・近代期の画人の大規模な個展/回顧展でよくあるように、前期後期に分けて展示替えがあり(前期展:2月10日~3月3日、後期展:3月5日~3月20日)、弊方がお伺いしたのは前期展だったのですが、受付で入館券を購入して明らかになったのが、本展のチラシ(フライヤー)が「品切れ」になっていたことでした。

鳥取駅や道すがらの本通り沿いの情報コーナーなどにたくさんのチラシ(フライヤー)があったものの、本展のチラシ(フライヤー)がなかったので、おかしいな、と思っていたのですが、前期展の時点でチラシ(フライヤー)が「品切れ」になることは、弊方の経験ではほとんど無いような気がします。

鳥取県立博物館は、1階で常設展が開催され、2階で展覧会が開催されるようになっている模様で、2階の第1特別展示室入口にはチラシ(フライヤー)が残っているかと思いましたが、残念ながらやはりありませんでした。同館のスタッフの方に念のため確認させて頂きましたが、やはりチラシ(フライヤー)は無くなっているとのことでした。

とはいうものの、弊方、本展のチラシ(フライヤー)を入手済でした。それではどこで入手したのかというと、なんと和歌山県田辺市の田辺市立美術館でした。

田辺市立美術館で開催されておりました「木村蒹葭堂と紀州の文人たち」展にお伺いしたときに、本展のチラシ(フライヤー)が配布されておりましたので、ゲットさせて頂きました。

なお、田辺市立美術館の「木村蒹葭堂と紀州の文人たち」展については、本 note で投稿済ですので、僭越ながらリンクを張らせて頂きます。「木村蒹葭堂と紀州の文人たち」展も2024年3月24日まで絶賛開催中です。

ここで、本展「生誕200年 根本幽峨」展の入口には、チラシ(フライヤー)は残っていなかったものの、四つ折りのリーフレット「特集 生誕200年 根本幽峨 鑑賞ガイド」が配布されておりましたので、ありがたく頂戴いたしました。僭越ながら、弊方の微妙なガラケー的なガラホで撮影させて頂いた写真を掲載させて頂きます。

さらに本展入口で驚いたのは、こういった近世・近代期の画人の大規模な個展/回顧展では滅多にない「一部を除き写真撮影OK」というご対応でした。

ただし、撮影した写真はSNSなどに掲載しない、等々の条件が設定されておりました。このような条件が設定されているとしても、このような大規模な展覧会での写真撮影可は非常に珍しいように弊方思いました。

弊方は、写真撮影可であるとしても展示作品を写真撮影することがあまり好みではありません。そもそも、弊方スマートフォン略するとなぜかスマホは所有しておりますが、ほとんど使っておらず、微妙なガラケー的ガラホを愛用しており、作品を撮影したところでその画質は微妙なので、図録が作製されないなら別ですが、それでも通常なら展示作品を撮影することはほとんど致しません。

しかしながら、今回に関してはめずらしく結構な数の写真を撮影させて頂きました。有給休暇の消化も兼ねて平日にお伺いしただけでなく、当日が雨天だったこともあり、オーディエンスは比較的少なかったので、飽くまで個人的な「メモランダム」という感じで、展示作品を撮影させて頂きました。

ということで、本展「生誕200年 根本幽峨」展の展示作品の写真は掲載することはできませんし、掲載可であるとしても個別の作品ではなく展示状況を俯瞰できるような写真を掲載すると思うのですが、代わりに展示作品についてヲタトークをさせて頂くと長くなってしまうので、非常に興味深いと思った点について簡単に萌えトークくらいさせて頂きたいと思います。

屏風作品の展示が多かったのですが、非常に以外だったのが、四曲屏風が多かったことです。

屏風は、縦長のパネルが横に何枚かつながった構造ですが、このパネルのことを専門的に「扇(せん)」というそうなのですが、この「扇」の数が「曲」になるそうです。

この辺りは、弊方のようなシロウトのおっさんが解説するよりも、専門家の方の解説を拝見して頂ければよいと思われますので、僭越ながら「足立区文化遺産調査マンガ ビビビ美アダチ」でお馴染みの、かとうゆずか先生のマンガblogの下記の記事を紹介させて頂きたいと思います。僭越ながらリンクを張らせて頂きます。

ちなみに、かとうゆずか先生は note も開設されているのですが、ここ1年くらい更新がない模様ですので、マンガblogのトップページに僭越ながらリンクを張らせて頂きます。

かとうゆずか先生、だいぶお忙しそうですね。

せっかくなので、何がせっかくか知りませんが、足立区立郷土博物館ウェブサイト(厳密には東京都足立区ウェブサイト)内の「ビビビ美アダチ」にも僭越ながらリンクを張らせて頂きます。

それはさておき、一般的な屏風といえば、シロウトのおっさんヲタク的には、六曲か二曲、すなわち「扇」が6個つながっているか、2つつながっているタイプが多いという印象を持っております。ごくまれに八曲の屏風作品を拝見することがあるくらいです。

ところが、本展(前期展)では、四曲一雙の屏風が3点も展示されておりました。作品No. 28「玄宗楊貴妃・帝鑑図」、作品No. 48「二十四考貼交屏風」、作品No.78「野路玉川・井出玉川図屏風」の3作品で、いずれも根本幽峨先生の作品です。特に、「二十四考貼交屏風」に至っては、六曲一雙にできると思われるのにそうなっておらず、というか、元々は六曲一雙だったと推定されるらしいのですが、四曲と二曲とがそれぞれ一雙ずつになっているという、わけのわからん状況(弊方私見)でした。

ちなみに「二十四考貼交屏風」は、本展「生誕200年 根本幽峨」展の図録を拝見しても、二十四考のそれぞれの写真が掲載されているだけで、屏風であるとはわからないかと思います。弊方としては珍しく写真を撮影させて頂いてよかったと思いました。

もっとわけわからんかったのが、序章で展示されておりました、作品No. 1「猿の図屏風」、土方稲嶺先生の作品です。この作品、三曲一雙でした。この形態は初めて拝見しました。

一つのパネル(扇)が横長なので2つに分けたいというのはわからんではありませんが、六曲一隻にできるやん!!! と思ってしまいました。

「鳥取画壇」では、というか、鳥取藩主は、六曲の屏風がお嫌いだったのでしょうか?!

もうこの時点で本記事がかなり長くなってきましたので、締めに入らせて頂きたいと思います。

作品No. 74「武者絵大幟(村上義光錦旗奪還図)」という作品が第2特別展示室に展示されていたのですが、もちろん根本幽峨先生の作品ですが、縦約7m×横約4mという巨大な作品で、作品全体を展示することが困難だった模様で、上半分くらいが吊り下げられ。下半分くらいが床面に広げられて、さらに下の方の一部が巻き取られた状態で展示されておりました。

これほどの巨大な作品は、近世期の画人の作品としては拝見したことがないように思います。ぎりぎり曾我蕭白師匠の雲龍図くらいでしょうか。近世末期から近代初期にかけては、かの偉大なる河鍋暁斎師匠の「新富座妖怪引幕」という、京都国立博物館で2008年4月8日から5月11日まで開催されていた特別展覧会「没後120年記念 絵画の冒険者 暁斎 近代に架ける橋」展において、当時の「特別展示館(本館)」、現在は免振改修中の「明治古都館」の中央ホールで展示しきれなかった巨大作品が印象に残るくらいでしょうか。

この「武者絵大幟」についても弊方、写真に収めせて頂きましたが、もちろん掲載できませんので、代わりに、鳥取県立博物館の入口の吹き抜けホールに、おそらく同サイズの複製となる垂れ幕が展示されておりましたので、そちらを弊方の微妙なガラケー的ガラホで撮影させて頂きました。僭越ながら下記に掲載させて頂きます。なお、たまたま後側の階段にオーディエンスのお一人が座っていらっしゃるのが写り込んでおりますが、プライバシーに配慮してモザイク処理をかけております。

このようにして本展をガッツリ拝覧させて頂き、雨の中、鳥取県立博物館を後にしたのですが、若干気になったのが、本展の副題「近世鳥取画壇の「黄金時代」最後の華」の中にある「最後の華」でした。

この「最後の華」に関して、僭越ながら、本展のもうひとつの立て看板の写真を掲載させて頂きたいと思います。もちろん弊方の微妙なガラケー的なガラホで撮影したものです。

「自然、歴史・民族、美術の総合博物館」というキャッチコピーがステキですが、2025年に倉吉市に「鳥取県立美術館」が開館するそうで、鳥取県立博物館の美術部門は鳥取県立美術館に移籍されるようです。そうすると、鳥取県立博物館での「鳥取画壇」の展覧会はまさしく最後になるように思われます。この総合博物館のキャッチコピーも見納めになるかもしれません。

これで終わりにするつもりだったのですが、本展にお伺いして予想外の展覧会/企画展に遭遇することができました。

鳥取駅前から一直線に伸びる本通りは「商店街」になっているのですが、この本通りの本町1丁目交差点付近に「鳥たちのいえ」というギャラリーがあり、谷口ジロー先生の原画展が開催されておりました。

谷口ジロー先生は鳥取県ご出身とのことだそうで、これまで何度か原画展が開催されていた模様です。今回は「谷口ジローの世界5」と銘打たれて『冬の動物園』という自伝的な要素を含む作品の原画が展示されておりました。

幸いスーパーはくとの発車時刻までかなりありましたので、谷口ジロー先生の原画も弊方ガッツリ拝覧させて頂きました。無料でした。ギャラリー「鳥たちのいえ」の入口写真を弊方の微妙なガラケー的なガラホで撮影したものを僭越ながら掲載させて頂きます。

その後、そのまま鳥取駅に向かったのですが、その途中、やはり本通りの鳥取駅近くの若桜街道交差点の一角の駐車場っぽいところの柵に、ナゾの萌えキャラがいらっしゃったので、弊方の微妙なガラケー的なガラホで撮影させて頂きました。僭越ながら写真を掲載させて頂きます。

これら萌えキャラのみなさま方については、鳥取県立博物館を目指した往路で気付いていたのですが、往路では撮影せず、復路で撮影させて頂きました。

復路では、ちょうど近隣の高等学校の生徒さんたちの帰宅時間だった模様ですが、ええ歳こいたおっさんが萌えキャラを嬉しそうにスマホでないナゾの古びたデバイスで撮影しているありさまに、通りすがりの清楚で爽やかな鳥取の女子高生のみなさま方は、弊方のことを確実にキモいおっさんとお感じになったかと思います。ウフフ♡ キモいはヲタクの誉めコトバ♡

当該柵にも掲示があったのですが、インターネットの安直な検索で調べてみると、鳥取商工会議所が企画されていると思しき『八上比売アニメーション』という作品がYouTubeで配信されているのですね。

僭越ながら『八上比売アニメーション』の公式ウェブサイトのリンクを張らせて頂きます。

ということで、やはり長くなってしまいました。まことに申し訳ございません。1粒で2度おいしい(byアーモンドグリコ)どころか3度おいしい鳥取市への訪問でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?