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駆け出し日中ビジネス奮闘日記①


中国語を勉強し始めた頃から私の夢は中国と関わる仕事をすることだった。

とはいえ、コロナのせいもあって私の夢はなんとなく宙ぶらりんに。
日中の往来は止まり、中国に行くには隔離50日!
なんてこともあって。

インバウンドなんて夢のまた夢。

中国のことを忘れてがむしゃらに目の前のことに向き合う3年間だった。

大阪の生活はコロナの制約もありつつ楽しくて、
大阪のど真ん中に居を構え、
好きな映画を浴びるように見て、
単行本を躊躇いもなく何冊も買えるような日々はインドア派な私には楽しくてたまらなかった。

そして、迎えた4年目の今年の4月である。

3年間余裕をぶっこいて中国語はそこそこにして遊び呆けていた私に突如やってきたのは国際事業部へのアシスタント配属だった。

つまり、今やってる国内事業部の仕事は続けつつも、国際事業部の仕事にまずはアシスタントとして入っていいわよ、という会社からの提案だった。

生意気にも国内事業部の仕事に慣れてきていた私は、喜び勇んでこの仕事を受けた。

実のところ私は、入社したばかりの頃私の会社の中国部門はネイティブの人しか採用しないという話をあちこちから聞いていて、この会社で日中ビジネスをすることは諦めていたのである。

すでに1年後には会社を辞めて香港に移住することまで考えていた。

しかし、なんの因果かそこにアシスタントとして配属されることになった私は文字通り天にも昇る心地だった。

香港の現地採用で駐在員の奴隷として始まるはずだった海外キャリアが、
今いる大手企業の国際部門から始められるなんて夢みたいだと思った。

そして、迎えた初出勤の日から今に至るまで私は話がそんなに簡単なことではなかったことを痛感して打ちひしがれている。

いつもnoteやTwitterで海外で働いている人の記事や投稿を読んで、頑張れば私だってできるようになるって信じていたが、、
誤解を恐れずにいうとこれは「英語」で働くことに限った話であったと思う。

確かに世の中にはアメリカやイギリス、オーストラリアやカナダなどなど英語を母国語とする国で働いている人やそことビジネスをしている人がいるということは分かった上で、
大半の人は英語を使ってやり取りする相手は相手も英語がネイティブではないというパターンが非常に多いのである。

ミャンマーやベトナムやタイや韓国やインドの人と英語でやり取りするのと、
アメリカやイギリスなどの国の人と英語でやり取りをすることには全く違う難易度になるのではないかと思う。

先述した通り、私が所属することになった部署は私以外は全員中国人であり、母語として中国語を操ってきた人たちの集団である。

さらに困ったことに、
世界に英語学習者は多いが、中国語学習者の数はまだまだ少ない。

世界一の話者数を誇る中国語はそのほとんどを14億人の人口を有する中華人民共和国に支えられているのである。

アメリカ人やイギリス人は自分の国の言葉を学んでる人々の存在に慣れているし、
不完全な英語を話す人の存在も認識してはいるだろう。

しかし、中国人は中国語を学ぶ外国人に圧倒的に慣れていない。
故に、不完全な中国語にたいする受容力が圧倒的に低いのである。

彼らが私に対して話す中国語は理解できるのだが、
彼ら同士が喋る中国語を私は理解できない。

容赦ないスラングやチャイナギャグについての語彙や文化背景を私は持ち合わせていなかった。

そして何より私が頭を痛めるのは、
私の同僚たちが日本語が非常に堪能であるということである。

彼らは日本という異国で日本語を身につけてこの大企業にたどり着いたのである。

つまり、今私が直面してる問題をもっと人生の早い段階で乗り越えてきたのである。

故に私が今ここでぐだぐだ書いてるのは本当にただの愚痴に過ぎないし、弱音で戯言。

中国語で言うなら废话。

取るに足らない発言なのである。


降ってくる仕事に呆然として、
夜遅くまでかかって家でゴソゴソ辞書と睨めっこして何食わぬ顔をして会社に向かいフラフラになる日々が続いている。

日中ビジネス一ヶ月。

早くも私は死にかけていて何もかも追いつけていない。

そして明日までにやらないといけないことも終わっていない。

そんな、ままならない日々を送っている今日この頃なのである。

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