短歌:何卒幾久しく
愛なんて知ってたまるかと泣くのならぼくのところへおよめにおいで
永遠を飼い慣らすんだ きみが愛を知ろうが知るまいが知ったことかよ
嗚呼 きみの寝顔を見てると泣きそうになるこの心は何を知ったか
愛なんて知らなくていい ぼくだって知ってたまるか これ以上など
夜毎に密かこの愛で染め織った千紫万紅をきみに着せてる
ぼくたちは救われやしない 愛なんて所詮博物館の王冠
やるせなくとめどなくしとど泣くきみと抱き締め合った 静謐だった
たえきれずこころにつけた名前が愛なんてかなしい なんてかなしい
愛なんて知ってしまってぼくたちはあれやこれやをその名で呼べる
きみいわくふたりの隙間に愛を棲みつかせたぼくらは上出来らしい