自分用ビートルーパーメモ カード考察編(マスターデュエル)
ビートルーパーカード
カードの種類は計14種
融合モンスター2種
Lモンスター2種
最上級モンスター2種
上級モンスター1種
下級モンスター3種
通常魔法2種
フィールド魔法1種
通常罠1種
カウンター罠1種
レアリティの内訳は
UR3種
SR5種
R6種
N1種
※以下文中では「騎甲虫」に該当する部分を省略して呼称。
超騎甲虫アブソリュート・ヘラクレス(UR)
融合召喚に成功すると次の自ターン終了時まで他のカードの効果を受けなくなる分類されない効果、お互いのBP終了時に自分の墓地の攻撃力3000以下の昆虫族モンスターをssできる誘発効果を持つ、素材に4体の昆虫族モンスターを要求する昆虫族融合モンスター。
あえて「アブソリュート・ヘラクレス」を使うためのデッキ構築をしなければ採用されないカード。
正規融合で場に出せれば条件付きの完全耐性と高いステータスで突破力があり、蘇生効果で戦線を整えることができるが、とにかく素材が重いのに現行のカードプールでは上手に消費を軽減できる動きが難しいため、実戦で使うには消費とリターンが見合っていない。
どうしても使いたい場合は「転臨の守護竜」「死魂融合」などでディスアドバンテージを抑えて融合召喚できるカードを採用すると良いか。
「アブソリュート・ヘラクレス」は素材の指定が種族のみなので種族変更が可能なカードと「超融合」のような派手なコンボもあるが、浪漫溢れる方法なので実用性は低い。
実はssの条件を限定されてないのでEXデッキから直接場に出すカードで呼び出すこともできるが、現在では「デビル・フランケン」が禁止カードに戻ってしまっているので「幻想召喚師」や「やぶ蛇」など使いにくいものしかないため、戦術の一つとして頼るには心許ない。
また、正規融合をしないと耐性を得る効果は適用されなくなるので、EXデッキから直接呼び出す方法は「アブソリュート・ヘラクレス」の強みを削って出しやすさを優先する一長一短な方法でもある。
騎甲虫クルーエル・サターン(SR)
ss時にビートルーパーカードをサーチできる誘発効果、自身が場に存在していると自分は昆虫族モンスターしかssできなくなる制約を課す永続効果、昆虫族モンスターが表側表示で除外された際に除外状態のビートルーパーモンスターをssできる誘発効果を持つ、素材にビートルーパーモンスターと昆虫族モンスターを要求する昆虫族融合モンスター。
融合素材はビートルーパーデッキでは揃えやすいもので賄えるため比較的実用性のある融合モンスター。
マスターデュエルでは「簡易融合」が禁止なので基本的に正規融合する必要があり、その場合はディスアドバンテージが発生するが、(1)と(3)の効果がアドバンテージを稼ぐ効果なので自力でカバーできる。
「クルーエル・サターン」の召喚が通れば、召喚権が残っていれば「スカウト・バギー」、残ってなければ「アサルト・ローラー」をサーチすることで場に昆虫族モンスターが3体展開できるため、ビートルーパーデッキの基本展開である「甲虫装機ピコファレーナ」へのアクセスが成立する。
初動に3枚のカードを要するが、選択肢としては貴重な1枚。
融合召喚する場合は基本的にテーマカードである「上陸態勢」を利用することになると思うが、場にモンスターを大量展開できれば「プロキシー・F・マジシャン」を用いる方法もビートルーパーでは実用範囲内。
(1)は単純なテーマカードのサーチ効果。
「スティンギー・ランス」と違ってカードの種類を指定していないので、ビートルーパーネームであればなんでもサーチが可能。
基本的には展開に繋がる「スカウト・バギー」か「アサルト・ローラー」を持ってくることになる。
細かい部分だが、実は効果が発動できるのは融合召喚時ではなくss時なので、正規融合した後で他のカードで蘇生などすると再びサーチ効果を利用できる。
(2)の制約は展開の妨げになるが、「クルーエル・サターン」の召喚が通っているなら(1)でサーチしたカードと合わせて更なる展開に繋げられるはずなので、早々に素材にしてしまえば影響を最小限に抑えられる。
(3)は昆虫族モンスターが表側表示で除外されると除外状態のビートルーパーモンスターをssできる効果。
特に「アームド・ホーン」「アサルト・ローラー」と相性が良い。
「アームド・ホーン」は自己蘇生した後に素材にすれば即座に帰還させることで展開を伸ばせるだけでなく、「アームド・ホーン」を再び墓地に用意できるので次のターンの展開の足がかりを準備することができる。
「アサルト・ローラー」は(1)でサーチできる上に墓地の昆虫族モンスターを除外しながらssできるため、場に素材を供給しつつ墓地の任意のビートルーパーモンスターを除外経由でssできる。
その他にビートルーパーデッキでは昆虫族モンスターを除外する手段は複数あるため、効果を発動する機会には困らない。
ただし、構築によってはビートルーパーモンスターを少なめにしていると対象が不在になる場合もあるため、(3)の効果を狙う場合は墓地や除外ゾーンの状況をしっかり把握してから展開を始めると良い。
大騎甲虫インヴィンシブル・アトラス(UR)
L召喚された状態で攻撃力が3000以下なら対象・破壊耐性を獲得する永続効果、自身が場に存在していると自分は昆虫族モンスターしかssできなくなる制約を課す永続効果、自分の場の昆虫族モンスター1体をリリースしてビートルーパーモンスターをリクルートするか、自身の攻撃力を大幅に上げることができる起動効果を持つ、素材に昆虫族モンスターを要求する昆虫族Lモンスター。
ビートルーパーの基本展開をしていると必然的に「アームド・ホーン」や「甲虫装機ピコファレーナ」のようなLモンスターが並びやすいので自然と出す機会が多いカード。
高めの攻撃力と耐性を持っているので場持ちが良く、コストを要するがビートルーパーモンスターのリクルートが可能な効果も持っていて、戦闘力だけでなく展開にも寄与する機能性が扱いやすいエースモンスター。
自身が場にいる限り昆虫族モンスターしかssできなくなる(2)のデメリットがあり、「インヴィンシブル・アトラス」の場保ちが良いこともあって一度場に出すと縛りが長期化しがち。
幸い昆虫族を中心にビートルーパーデッキを組むことは十分可能なので展開力が大きく損なわれるようなことは無いが、EXデッキには昆虫族以外のモンスターを採用することがあるため、必要な場面で必要なカードが出せなくなる可能性がある。
この点は構築の段階で予防することが可能だが、実戦では制圧盤面を組む場合に「フルール・ド・バロネス」、突破の際に「アクセスコード・トーカー」などのカードに頼りたいことがあるため、(2)の制約は軽視できない。
対応としては「インヴィンシブル・アトラス」のL召喚を展開の最後の方に持って来れるよう工夫したり、思い切って「インヴィンシブル・アトラス」自体を(3)の効果でリリースしてしまうなどがある。
(1)の永続効果で対象耐性と破壊耐性を持っているが、自身の元々のステータスである3000の攻撃力を上回ると耐性が剥がれてしまう。
自身の(3)のパンプ効果を使うと一時的に解除されてしまう他、別のカードで攻撃力を上昇させても失われてしまうので要注意。
テーマ内のカードであれば「マイティ・ネプチューン」と並べた時にうっかり「インヴィンシブル・アトラス」を強化してしまわないように。
(3)は昆虫族モンスターをリリースして自身のパンプかビートルーパーモンスターのリクルートのどちらかを選択する効果だが、自身のパンプは使用すると(1)の耐性とトレードオフになり、5,000の攻撃力が必要な場面はそう多くないことから実戦で使うことは稀。
基本的にはビートルーパーモンスターをリクルートする方の効果が用いられ、「スティンギー・ランス」や「スカウト・バギー」を展開することになる。
攻撃力が3000ある昆虫族モンスターなので「降下作戦」の追加効果を発動するための条件を満たすことができる。
(3)の効果で「スティンギー・ランス」をリクルートすることで「降下作戦」をサーチしつつその条件を満たせるので噛み合いが良い。
騎甲虫アームド・ホーン(SR)
自身が場に存在していると自分は昆虫族モンスターしかssできなくなる制約を課す永続効果、自分MPに昆虫族モンスターを追加でnsできる起動効果、自身が墓地にある場合に墓地から自身以外の昆虫族モンスター3体を除外してssできる起動効果を持つ、素材に昆虫族モンスターを要求する昆虫族Lモンスター。
L2モンスターで出しやすく、昆虫族モンスターの追加召喚ができ、素材にした後で自己蘇生が可能なので、様々な展開に関わってくるカード。
EXデッキに入るカードの中では「甲虫装機ピコファレーナ」と並んでビートルーパーデッキの中核を担う。
(1)の永続効果で昆虫族モンスターしかssできなくなる重い制約が課されるので、EXデッキに昆虫族以外のモンスターを採用している場合はL召喚するタイミング、素材にするタイミング、自己蘇生させるタイミングをよく考える必要がある。
EXデッキに入る昆虫族モンスターの中には「熾天蝶」や「アティプスの蠱惑魔」などのL3モンスターが存在するので、「アームド・ホーン」を素材にL召喚することで昆虫族縛りを解除するプレイングはよく用いられる。
場合によってはL2モンスターの「甲虫装機ピコファレーナ」で同様の対処を行うこともある。
(2)の追加召喚は単純だが便利な効果で、nsなのでssには対応してない効果を持つカードも不発にならない点が地味にありがたい。
召喚を行う効果なのでアドバンス召喚にも対応しており、特に「クイーン・バタフライ ダナウス」を利用する際には「アームド・ホーン」を経由することが多い。
基本的にはL召喚してすぐに(2)の効果を使用するので効果は使い切りになるが、ターンを跨いで再展開する場合は(3)の効果で自己蘇生してから再び(2)を利用する機会もある。
序盤に展開をして以降に(3)の効果で自己蘇生をした際に(2)の追加召喚効果を失念しやすいので要注意。
(3)による自己蘇生には昆虫族モンスター3体の除外と決して軽くないコストが要求されるが、しっかり展開できているとそれくらいの数は自然と墓地に溜まる。
ただし、ビートルーパーデッキでは「アームド・ホーン」の他にも墓地の昆虫族モンスターの数を変動させるカードを複数採用するため、無計画に墓地リソースを削っていると肝心な場面で不都合が出る可能性もある。
昆虫族モンスターを除外できるので「共振虫」のトリガーに使ったり、「マイティ・ネプチューン」のコストを用意するために自己蘇生を利用することもできる。
重騎甲虫マイティ・ネプチューン(SR)
除外状態の昆虫族モンスター3体をデッキに戻してssできる召喚条件、EPに自身以外の自分の場の昆虫族モンスター1体の攻撃力を永続的に1000上昇できる誘発効果、お互いのMPに相手の効果で破壊or除外されると即座にssできる誘発効果を持つ昆虫族の最上級特殊召喚モンスター。
除外状態の昆虫族モンスターが溜まりやすいビートルーパーデッキにおいて、それらをデッキに戻せる貴重なリソース回復要員。
「共振虫」でサーチができるので素材としても扱いやすく、大型の特殊召喚モンスターでありながら縁の下の力持ち的なカード。
勿論高いステータスで戦闘要員としても使うことができ、特定のタイミングで除去されると即座に復活できる効果を持っているため場持ちも良い。
他にもEPとタイミングは遅いが往復で毎ターン味方を強化することも可能と非常に多機能。
召喚条件の除外状態の昆虫族モンスター3体をデッキに戻す部分は一見すると重そうな印象を受けるが、展開の起点になる「アームド・ホーン」を利用すれば即座に準備が整う。
他にも「デビル・ドーザー」や「樹冠の甲帝ベアグラム」など除外状態の昆虫族モンスターを増やすカードは複数あるため、実戦では初手の手札事故以外では場に出すことに苦慮することは殆どないだろう。
注意点としてEXデッキに入るカードはデッキに戻す対象にできない。
このため自己蘇生の後で場を離れた「アームド・ホーン」自体は勘定に入れられないので、きちんとメインデッキに投入される昆虫族モンスターが3体除外されている状況を用意する必要がある。
(1)の味方をパンプする効果の発動のタイミングはEPなので即効性は無く、効果の性質としては相手を迎え撃つ、次の自分のターンへの準備をするもの。
攻撃力をアップさせる対象に「インヴィンシブル・アトラス」を選んでしまうと耐性が剥がれる裏目があるので、他に対象にできるモンスターがいなければ発動しないことを選ぶ場面もある。
あえて狙うほどではないが、一応効果を使った後の「クイーン・バタフライ ダナウス」の攻撃力を再び上昇させることで、次の自分のターンまで生き延びれば効果の再使用を狙うこともできる。
「No.3 地獄蝉王ローカスト・キング」を採用している場合は、能動的に蘇生効果を使うために無効にする効果の選択肢として「マイティ・ネプチューン」の(1)を利用することがままある。
割と便利なカードだが、複数枚詰むと事故要因になるので、サーチが効くことからも基本的に投入枚数は1枚程度が無難。
騎甲虫スティンギー・ランス(UR)
お互いのMPに自分の墓地の昆虫族モンスターと相手の墓地のモンスターをそれぞれデッキの一番下に戻してssできる誘発即時効果、ns・ss時にビートルーパー魔法・罠をサーチできる誘発効果を持つ昆虫族の半上級モンスター。
自己ssできる半上級モンスターであり、俗に言う手札誘発カードとしての側面も持つカードで、その上テーマ魔法・罠カードのサーチもできる多機能なモンスター。
(1)はお互いの墓地から自分の昆虫族モンスター1体と相手のモンスター1体をデッキに戻しつつ自身を手札からssする展開と妨害を一度にこなす優秀な効果。
しかし2種類の効果がセットになっている弊害もあり、墓地のモンスターをデッキに戻せないと展開要員として使えない側面がある。
手札で持て余してしまうケースは特に先攻1ターン目に起きやすい。
相手が「灰流うらら」や「増殖するG」などの手札誘発モンスターを使っていれば先攻1ターン目でもssできる可能性があるが、その場合は相手から妨害を受けていることになるのでスムーズな展開ができていない状況が多い。
(1)の効果の墓地のモンスターをデッキに戻す部分は基本的に相手の墓地のカードを利用できなくする目的で使用するが、場合によっては相手の「墓穴の指名者」などのこちらの墓地を除外してくるカードに対してその対象を逃す使い方もできる。
(2)の効果でサーチするカードは、先攻で妨害を構えるのであれば「空殺部隊」、展開力が足りてない場合は「戦術機動」、展開した上で魔法・罠を破壊したい場合は「降下作戦」を選ぶことが多い。
便利なカードなのだが意外と取り回しが悪いので3積みされることは少なく、デッキ構築の際は1〜2枚程度の採用に抑えられることが多いカード。
騎甲虫ライト・フラッパー(R)
ns・ss時に自分の墓地・除外状態の中からカード名が異なるビートルーパーモンスター2体を手札に加え、そのターン中は手札に加えたものと同名のカードの効果が発動できなくなる制約を課す誘発効果、相手モンスターの攻撃宣言時に自身を手札に戻して攻撃を無効にできる誘発効果を持つ昆虫族の上級モンスター。
ビートルーパーにおいてはリソース回復要員としてデザインされたであろうカードだが、非常に扱いにくい性能なので、実戦では基本的に採用されることは無いカード。
(1)(2)両方の効果が「ライト・フラッパー」が場に出る前提でデザインされていながら、肝心の「ライト・フラッパー」自身は上級モンスターなのに場に出しやすくなる効果を持たず、現行の昆虫族やビートルーパーのカードプールではスムーズに展開する手段に乏しいと、そもそも活用することが難しい。
(1)は墓地のみならず除外状態のビートルーパーモンスターを2枚まで回収が可能だが、必ず2体選ばないといけない上に同名カードはNGなので条件が満たせないことも多い。
また、回収が成立してもそのターン中に加えたカードの効果が発動できなくなる制約で即効性も無い。
一応「インヴィンシブル・アトラス」からリクルートして「スティンギー・ランス」を相手ターンに使う、という動きはできなくもないが、そもそも「インヴィンシブル・アトラス」でリクルートするなら「スティンギー・ランス」か「スカウト・バギー」が優先される。
(2)は相手の攻撃を封じつつ自身を回収して(1)の効果を再び使う準備をできる……のだが、手札に戻した後に再展開するにはアドバンス召喚をすることになるので取り回しが悪く、(1)の効果を通してもそのターン中は加えたカードを活かせないので反撃の糸口にはならないし、トリガーに相手の攻撃が必要なのも除去が容易になった現代遊戯王では正直微妙なところ。
騎甲虫アサルト・ローラー(R)
墓地の昆虫族モンスター1体を除外して手札からssできる起動効果、自分の場の他の昆虫族の数に応じて自身の攻撃を上昇させる永続効果、戦闘で破壊された際に同名以外のビートルーパーモンスターをサーチできる誘発効果を持つ昆虫族の下級モンスター。
攻撃力のあるリクルーターというのは性能としてはかなり古い部類で、役に立たないわけではないが現代遊戯王では物足りなさを感じてしまうカード。
一応「ゴキポール」でサーチが可能なssできる昆虫族モンスターという特徴から採用の余地が全く無いわけではない。
「クルーエル・サターン」を出せるような構築にしているならそのサーチ先として有用なので、その場合は1枚ではあるが積極的に採用できる。
(1)の効果で墓地の昆虫族モンスターをコストに手札からssできるので展開要員として使える。
だが場に昆虫族モンスターをssするのであればテーマ外にノーコストで出しやすいモンスターが複数いるため、ビートルーパーネーム持ちであること、一部のカードのサーチ条件に該当するステータスであること、「クルーエル・サターン」や「共振中」のトリガーに使える点などを活かす必要が間接的に内在している。
(3)は被戦闘破壊時に発動するため性質的にはリクルーターだが、効果の内容は特殊召喚ではなくサーチとやや珍しい取り合わせ。
手札に加えることから「マイティ・ネプチューン」や「スティンギー・ランス」を準備しておくことができるが、場に直接出せないため相手ターンにモンスターを続けて出して壁にするリクルーターのお家芸はできない。
また、同名カードは対象外なので「アサルト・ローラー」を途切れずに出し続けるということも不可能。
使えないわけではないがあえて積極的に使うほどのカードでもないため、ビートルーパーデッキでは採用されないことも多く、投入されても1枚程度に留まることが多い。
騎甲虫スカウト・バギー(R)
ns・ss時に同名カードを手札・デッキ・墓地からssできる誘発効果、自身が場に存在していると自分は昆虫族モンスターしかssできなくなる制約を課す永続効果を持つ昆虫族の下級モンスター。
場に出すことでレベル3モンスターが2体並ぶので、そこからL2・3Xモンスターに繋げられるカード。
nsだけでなくss時にも効果が発動でき、呼び出す領域が除外状態以外であればどこからでも構わない点が良い。
しかし(2)の永続効果によって場に存在している限り昆虫族モンスターしかssできなくなる重い制約が課されてしまうのが問題で、「スカウト・バギー」を2体展開してもそこからアクセスできる有用なモンスターというのはかなり限られてしまう。
L2モンスターであれば「アームド・ホーン」や「甲虫装機ピコファレーナ」、3Xモンスターであれば「No.3 地獄蝉王ローカスト・キング」が主な候補になる。
(2)の制約は基本的に自分側にマイナスに作用する効果だが、相手に送り付けると展開を大きく拘束できる効果でもある。
ただ、下級モンスターとはいえ相手の場に能動的に送り付けるのは容易ではなく、先攻1ターン目にロックを成立させるのは専用デッキを組んだとしても難しい。
後攻1ターン目以降であれば、既に場にいる相手モンスターを狙って昆虫族デッキに無理なく投入しやすい「G・ボール・シュート」でコントロールを入れ替えることが可能。
もしロックをかけることを狙う場合は、自分のモンスターに攻撃表示のものがいると自爆特攻で打開されてしまうので全て守備表示にしておくこと。
騎甲虫スケイル・ボム(R)
自分の場に昆虫族モンスターがns・ssされると手札からssできる誘発効果、相手の場のモンスターの効果が発動した際に自分の場の昆虫族モンスターをリリースするとその相手モンスターを破壊できる誘発効果を持つ昆虫族の下級モンスター。
昆虫族の中でもssしやすい部類で、限定的ながら妨害も可能なカード。
下級モンスター程度であれば攻撃されても倒されない高い守備力を持っている点も優秀。
(2)は条件を満たすと相手モンスターを破壊できる効果。
下級モンスターが持っている効果としては現実的に機能する内容で比較的優秀。
しかしあくまでも下級モンスターが持っているものでは優秀という程度で、効果の発動には相手が動く必要があるので受動的にならざるを得ず、加えて自分の昆虫族モンスターをリリースしないといけないので成功しても1:1交換でカードアドバンテージにはならない上に、効果を無効にするわけではないので相手が発動した効果はそのまま許してしまう。
また、「スケイル・ボム」がいれば相手はそれを踏まえた上で展開してくるので、実際には最も有効なタイミングで使えることは稀なので過信は禁物。
コストにするモンスターは自身かそれ以外かを区別せず自由に選べるタイプ。
展開効果は比較的扱いやすいものだが、ターン1の制約があるため複数枚手札に引いてもそのうちの1枚しか活用できない。
そのため、優秀なカードだが、投入枚数は多くても2枚程度が無難。
騎甲虫隊降下作戦(SR)
自分の場にトークンをssし、その際に自分の場に攻撃力3000以上の昆虫族モンスターがいれば追加で場の魔法・罠1枚を破壊できる効果を持つ通常魔法。
昆虫族のトークンを生み出せるので展開の補助ができるカード。
ただし、トークンは墓地には行かず場を離れると消滅してしまうので、「降下作戦」を用いて展開すると「アームド・ホーン」などに必要なコストに難儀する場合がある。
魔法・罠カードを破壊できる効果もあるが、こちらは基本的にオマケ。
というのも、「降下作戦」は基本的に展開補助に使うことが多いので、その場合発動するタイミングで高ステータスの昆虫族モンスターは場にいないことが殆ど。
逆に魔法・罠カードを破壊する効果を使うために手札に温存しておくと今度は展開が滞るため大型の昆虫族モンスターを出せない、という状況に陥りやすいジレンマを抱えている。
ビートルーパーデッキにおいて貴重な魔法・罠カードを破壊できるカードだが、展開した後でないとその効果を利用することができないので、相手のロック系のカードや妨害カードを先に除去してから安全に展開するという本来伏せ除去カードに求められる役割をこなすことが難しい。
「スティンギー・ランス」でサーチできることからもデッキに1枚あれば十分。
騎甲虫隊上陸態勢(N)
自分の手札・場のモンスターを素材に昆虫族融合モンスターを融合召喚する効果、墓地から昆虫族モンスター2体を除外すると自身を墓地からサルベージできる効果を持つ通常魔法。
テーマ内のカードで唯一融合召喚が行えるカードだが、お世辞にも性能が良いとは言えない。
融合素材に使用できるカードの領域は手札と場からなので特筆すべき点が無く、融合先に昆虫族縛りが付いているので、融合効果に関しては「融合」の下位互換になってしまっている。
昆虫族融合モンスターは「アブソリュート・ヘラクレス」「クルーエル・サターン」「完全態・グレート・インセクト」「クワガー・ヘラクレス」の4体のみで、この内「アブソリュート・ヘラクレス」は素材が重すぎるため正規融合を狙うのは現実的ではなく、「完全態・グレート・インセクト」は自身の持つ特殊な方法でssすることが殆どなので正規融合の必要性が薄く、「クワガー・ヘラクレス」はかなり昔のカードで性能が低すぎることからネタデッキでもなければ扱わないと、「上陸態勢」は実質的に「クルーエル・サターン」専用カードになっている。
「クルーエル・サターン」は正規融合の際に発生してしまうディスアドバンテージを軽減できるカードデザインなので「上陸態勢」から出すモンスターとしては噛み合わせは悪くない。
「上陸態勢」+ビートルーパー+昆虫族が必要になるが初動になるので、「クルーエル・サターン」を採用してビートルーパーモンスターを多めの構築にするのであれば採用の芽が出てくる。
(2)の効果で墓地から回収することで繰り返し使い回せるが、その効果は墓地に送られたターンには使用できない。
ビートルーパーデッキであればコストで墓地の昆虫族モンスターを除外する部分を利用できなくはないが、即効性が無いので上手く使えればラッキーという程度。
騎甲虫隊戦術機動(R)
自分の墓地のビートルーパーモンスターをssしてその攻撃力分のライフを失い、ssしたモンスターに攻撃できない制約を課す効果、自分の場の表側表示の昆虫族モンスターが破壊されるとトークンをssできる効果を持つフィールド魔法。
自分の墓地のビートルーパーモンスターを蘇生することで展開の手数を水増しできる。
ただ蘇生したモンスターの攻撃力分のライフを失うデメリットがあり、攻撃力の最低値は「スカウト・バギー」の1000だが、最高値は「アブソリュート・ヘラクレス」の4000なので、蘇生先によってはコストは決して軽くはない。
ビートルーパーモンスターの中では「戦術機動」の蘇生の候補の中では有力な「スティンギー・ランス」があるが、蘇生すると2400もライフを失うことになり、蘇生先の吟味とそのリスクリターンの管理が難しい。
蘇生したモンスターは攻撃はできないが効果は使用できる。
しかし初ターンの展開だと一度場に出したモンスターを蘇生することになるので、蘇生するモンスターの効果の使用回数にターン1縛りが付いていることから再度場に出しても効果の再利用に繋がらないことが多い。
効果の再利用は先攻/後攻1ターン目で展開したその後になるが、現代遊戯王ではその時点で勝負が決着していることも少なくないため、「戦術機動」によるビートルーパーモンスターの効果の再利用はできればラッキーくらいに思っておくのが吉。
(2)の効果は自分の場の昆虫族モンスターが破壊されるとトークンを生み出すもので、内容は単純だが場を保たせることに貢献する。
しかしこの効果を使用している状況は相手に攻め込まれて劣勢に陥っていることが多いので、そこからのリカバリーは困難なことが多い。
効果は飛び抜けて優秀というほどではないが、「スティンギー・ランス」でサーチできるという点で1枚程度採用する分には悪くない活躍が見込めるカード。
騎甲虫歩兵分隊(R)
自分の場のトークン以外の昆虫族モンスターをリリースして、そのモンスターの元々の攻撃力1000につき1体のトークンをssする効果を持つ通常罠。
昆虫族のトークンを1〜4体展開できるカードなのだが、トークンのssの数はディスアドバンテージが発生しない2体でも元々の攻撃力2000が要求され、アドバンテージを取ろうと3体以上を狙うと攻撃力3000以上が要求されて割に合わなくなってくる。
現実的なラインの2体の展開を狙うにしても、昆虫族モンスターで出しやすい攻撃力2000以上のモンスターは意外と少ない。
罠カードなので一度伏せてから使わないといけない都合上即効性の無く、展開カードに求められる性能と逆行しており非常に使いづらい。
デッキ構築の際は基本的に採用しなくて問題無いカード。
騎甲虫空殺部隊(SR)
自分の場にビートルーパーモンスターがいれば発動でき、相手モンスターの効果の発動を無効にして破壊する効果、自分の場に攻撃力3000以上の昆虫記モンスターが存在する状態であれば自分EPに墓地の昆虫族モンスターを除外して自身を場に再びセットできる効果を持つカウンター罠。
条件を満たすことで繰り返し使うことができるビートルーパーデッキにおける妨害の要。
「スティンギー・ランス」でサーチするカード筆頭で、しっかり展開できていれば「インヴィンシブル・アトラス」が場にいるはずなので(2)の条件も自然と満たしやすい点も高評価。
優秀なカウンター罠で特別欠点は無いが、運用する上で留意しておく点が3つほどある。
一つは発動を無効にできるのはモンスター効果のみという点。
魔法・罠カードは無効にできないので相手の展開用のカードや妨害カードは抑え込めず、また魔法カードに種類の多い魔法・罠カードを破壊できるものに対して無力。
もう一つは再利用できるタイミング。
自分のEPに1度再びセットできるため、自分と相手のターンの往復で基本的に1回しか使用できない。
再利用が可能なカードだが手数を出されると対応できないので、モンスター効果に傾倒したデッキとの対戦であっても過信は禁物。
最後は再利用するにはコストが必要なこと。
ビートルーパーデッキでは墓地の昆虫族モンスターの数が頻繁に変動するので、展開を優先しすぎて「空殺部隊」に必要なコストまで使ってしまわないようにしたい。
上述の通り「スティンギー・ランス」でサーチが可能、また同名のカードによる無効効果は1ターンに1度の制約があるため、ビートルーパーデッキでは頼れるカウンター罠だが採用する場合は基本的に1枚で十分なカード。
ビートルーパー以外の昆虫族モンスター、または昆虫族に関係するカード
共振虫(N)
場から墓地に送られるとレベル5以上の昆虫族モンスターをサーチできる誘発効果、除外された際にデッキから昆虫族モンスターを墓地に送れる誘発効果を持つ昆虫族の下級モンスター。
比較的古いカードなので最近のカードでは当たり前になった名称ターン1縛りが無いため、効果を利用できる機会を作れば作るほどアドバンテージ獲得に繋がる。
(1)の効果は場から墓地に送られた際に発動するサーチ効果で、レベル5以上の条件があるが様々な選択肢にアクセスできる。
展開用の「クローラー・ソゥマ」「デビル・ドーザー」、展開兼妨害要員の「スティンギー・ランス」、除去用の「怪粉壊獣ガダーラ」「粘糸壊獣クモグス」、除外回収兼打点要員の「マイティ・ネプチューン」など多岐に渡る。
特に展開要員に繋げる使い方はビートルーパーデッキでは基本の動きで、非常に利用頻度が高い。
条件は場から墓地に送られることなのでモンスター以外の扱いの状態でもよく、その点を利用して「甲虫装機ピコファレーナ」の効果で装備カード状態にしてから装備モンスターを素材にすることで一緒に墓地に送る、という方法がよく用いられる。
(2)の効果は自身が除外されると発動する昆虫族専用の「おろかな埋葬」のような効果で、「アームド・ホーン」「デビル・ドーザー」「樹冠の甲帝ベアグラム」などのコストにした際に利用しやすい。
墓地に送るモンスターによって様々な利用方法があり、「スケイル・モース」「樹冠の甲帝ベアグラム」「B・Fー毒針のニードル」の墓地からのssの下準備、「ゴキポール」によるサーチや破壊効果の利用、「プレイング・マンティス」によるトークンの生成など。
特に「ゴキポール」でレベル4の昆虫族モンスターをサーチすることが展開補助に有用なので利用頻度が高い。
ビートルーパーデッキでは墓地の昆虫族モンスターをコストに除外することが多いため、数が足りない場合は「共振虫」で「共振虫」を墓地に落とすことでコスト分を賄う方法もある。
基本的には他のモンスターと一緒にEXデッキのモンスターの素材にしたりすることが多いが、単独でも通常召喚から「転生炎獣アルミラージ」で即座に墓地に送ってサーチ効果を使ったり、「封印の黄金櫃」を擬似的な昆虫族専用の「おろかな埋葬」として使う利用方法もある。
ビートルーパーデッキではビートルーパーカードを差し置いて最も重要と言っても過言ではない核となるカード。
展開の初動において「共振虫」が絡んでくるかどうかでその後の展開の強さが変わってくる。
基本的にはフル投入が望ましい。
枠の都合で減らす場合でも少なくとも2枚は採用しておきたいカード。
応戦するG(N)
モンスターをssする効果を含む魔法カードを相手が発動した際に手札からssできる誘発即時効果、(1)の効果でssされていると墓地に行くカードが除外される状態になる永続効果、場から墓地に送られると同名以外の攻撃力1500以下の昆虫族モンスターをサーチできる誘発効果を持つ昆虫族の下級モンスター。
相手の特定の魔法カードに反応して手札からssして擬似的な「マクロ・コスモス」のような効力を発揮する俗に言う手札誘発のような効果と、場から墓地に送られることで発動するサーチ効果によって各種モンスターの素材として便利な2種類の側面を持ったカード。
基本的にはL召喚の素材に巻き込んで(3)の効果で後続をサーチする使い方が主になる。
その場合サーチしてくるモンスターの筆頭は「共振虫」。
「アームド・ホーン」の効果でそのまま場に出して更なるL召喚とサーチに繋げて展開を伸ばしていく。
展開が十分にできている場合は「増殖するG」をサーチして次の相手のターンに備える使い方も強力。
連動している(1)と(2)の効果は相手依存なので発動する機会はまちまち。
決まると拘束力はそれなりにある上に、相手が嫌がって積極的に除去してくればサーチ効果に繋がるので、維持・除去されるどちらの場合でも美味しい。
もし除去されずにターンが渡ってきた場合は自分のカードが墓地に行かず除外されてしまうのはデメリットになるので、まずは「応戦するG」を素材にして展開することから始めると良い。
優秀なカードなのだが、最近のビートルーパーデッキではメインデッキに投入したい候補が増えてきている関係でデッキの枠が厳しい。
また、ビートルーパーデッキではいくら「アームド・ホーン」で追加召喚ができるとはいえ限度はあり、展開においてnsする必要があるカードがデッキの中に多すぎると事故の確率が増す。
同じく場から墓地に行くと昆虫族モンスターをサーチできる「共振虫」はフル投入されることが多いが、こちらは1〜2枚、最悪採用しないケースも増えている。
環境によっては(1)の効果でssしやすい時期もあるので、投入枚数はその時々の時勢を見極める必要があるカード。
竜咬蟲(R)
ns時に手札からレベル4以下の昆虫族モンスターをssできる誘発効果、自分の手札か場の表側表示モンスターの中からレベル4以下の昆虫族モンスター1体を除外して、そのレベル分だけ自分の場の昆虫族モンスターのレベルを上げられる起動効果を持つ昆虫族の下級モンスター。
基本的には単純な展開要員で、他の昆虫族モンスターと合わせてL召喚の布石になるのが主な役割。
昆虫族モンスターは手札からssできるものに種類があるが、「竜咬蟲」のような他の昆虫族モンスターを展開できるカードは実は珍しい。
そのため展開用のカードではあるが、メジャーな他の展開用の昆虫族モンスターとは使い心地が異なる。
具体的には場に出てから効果を使う関係でそこに妨害を当てられる可能性がある。
基本的にはデメリットになる特徴だが、相手が妨害を当ててくる可能性を見越してプレイすることで、その後に展開したモンスターに妨害が当てられないように立ち回ることもできる。
「共振虫」や「応戦するG」を利用したい場合は「竜咬蟲」を妨害されると裏目に出ることもあるが、「竜咬蟲」と自力でssできる昆虫族モンスターという組み合わせだと妨害が「竜咬蟲」に来ることは後の状況が良くなりやすい。
結局は手札次第ではあるが、そういったポイントを踏まえた上で運用すると相手との駆け引きで得をできる機会を引き寄せられるかもしれない。
(2)の効果で昆虫族モンスターのレベルを上昇させることができるので高レベルのSモンスターへのアクセスがしやすい。
また、コストで手札か墓地の昆虫族モンスターを除外するので「共振虫」のトリガーになることも可能。
毎回行うようなメジャーな行動パターンではないものの、覚えておくと展開の幅が広がる。
ビートルーパーデッキの展開に使えるカードは「竜咬蟲」の他に様々なものがあるが、実は展開することはできるがそれ以外の効果を持たない、または別の効果を持っていてもささやかなものが多く、「竜咬蟲」のような展開用の効果以外に明確にメリットになる効果を持ったモンスターというのは現状では貴重。
そういったポイントが採用する上で一つ他のカードとの差別点になっている。
プレイング・マンティス(R)
自分SPにトークンをssできる誘発効果、自分の魔法&罠ゾーンのカードをコストに攻撃してきた相手モンスターをバウンスできる誘発効果、墓地から自身を除外してトークンをssできる起動効果を持つ昆虫族の下級モンスター。
基本的には場に出すのではなく「共振虫」や「おろかな埋葬」でデッキから墓地に送って(3)の効果で展開を更に伸ばすために用いられるカード。
もし手札に引いた場合は他のssできる昆虫族モンスターと合わせてさっさとL召喚の素材にしたり、「甲虫装機ピコファレーナ」のコストにしてしまおう。
B・Fー毒針のニードル(R)
ns・ss時に同名以外のB・Fモンスターをサーチできる誘発効果、自身以外の場の昆虫族モンスター1体をリリースして相手モンスター1体の効果をターン終了時まで無効にできる誘発即時効果を持つ昆虫族の下級モンスター。
基本的には(1)の効果で「B・F必中のピン」か「B・F連撃のツインボウ」をサーチしてL召喚に繋げるために用いる。
他にss可能な昆虫族モンスターがいる場合は「B・F早撃ちのアルバレスト」をサーチして「アームド・ホーン」のL召喚から更に展開を伸ばすこともできる。
展開に融通が利かせやすいので初動になるモンスターとしてはかなり扱いやすいカード。
チューナーモンスターでレベルが2なので「デビル・ドーザー」などと合わせて「フルール・ド・バロネス」にアクセスしやすく、「スプライト・エルフ」の素材になったり、その効果でssする対象になったりと、効果だけでなくステータスも優秀。
他の昆虫族モンスターをリリースする必要があるが、相手の場のモンスターをフリーチェーンで無効にできる(2)の効果も持っていて、展開要員としてでなく妨害要員としても機能する。
上記で触れているように「スプライト・エルフ」を使ったり、他にも「熾天蝶」や「No.3 地獄蝉王ローカスト・キング」などで蘇生することでサーチ効果でアドバンテージを稼ぎつつ妨害要員を水増しすることができるため、墓地にいることも何かと都合の良いカード。
非常に優秀なカードだが、構築の方針によって採用枚数にかなりバラ付きが出てくる変わったカード。
展開力を重視するのであればフル投入されるが、nsが必要な点や手札で被った場合の不都合を鑑みて2枚に抑えられることもあり、展開要員のカードが増えた今ではコンボパーツとして1枚しか採用しないケースもある。
自分のデッキの方針に合った最適な枚数を見極めたいカード。
B・Fー早撃ちのアルバレスト(R)
ns時に自分の墓地のレベル3以下の昆虫族モンスターを守備表示でssできる誘発効果、相手に破壊されると手札かデッキからB・Fモンスターをssできる誘発効果を持つ昆虫族の下級モンスター。
「B・F毒針のニードル」からサーチしてくるカードなので採用枚数は1枚になることが多い。
素引きした場合でも使い方は「B・F毒針のニードル」からサーチしてきた時と同じで、「アームド・ホーン」の効果でnsするのが基本になる。
先攻/後攻2ターン目以降のみ初動として真っ先に召喚するケースが出てくる。
普段は(1)の効果を目当てに運用してすぐ素材にしてしまうのが殆どなので忘れやすいが、(2)の効果で相手によって破壊されると手札・デッキからB・Fモンスターをssできるので、妨害を受けて破壊されたとしてもそこからリカバリーが即座にできることは覚えておくと戦術の幅が広がる。
地味に高めの攻撃力を持っているので、場合によっては戦闘要員として利用できる機会がある。
樹冠の甲帝ベアグラム(UR)
nsできず手札・墓地から昆虫・植物族モンスター3体を除外すると1ターンに1度だけ手札・墓地からssできる召喚条件、自身が場にある限り自分の魔法・罠カードの発動に相手はモンスター効果をチェーンして発動できなくなる永続効果、自分MPに場の昆虫・植物族以外の表側表示モンスター全てを破壊して自身にそのターン直接攻撃ができなくなる制約を課す起動効果を持つ昆虫族の最上級特殊召喚モンスター。
召喚条件に手札・墓地の昆虫・植物族モンスター3体の除外と決して軽くないコストが要求されるが、ビートルーパーデッキであればしっかり展開できているとそれくらいの数は自然と墓地に溜まるため、実際にデッキを動かしてみるとテキストからイメージするような重さを感じることはない特殊召喚モンスター。
条件をクリアすれば手札からだけでなく墓地からも呼び出せるので、「共振虫」や「おろかな埋葬」などで墓地に送ると実質的にサーチと同義になり、意識してプレイしていると非常に呼び出しやすい特性を持っているカード。
自分の魔法・罠カードの発動に対して相手はモンスター効果をチェーンして発動できなくなる(1)の効果を持っており、「樹冠の甲帝ベアグラム」が場にいるとこちらの動きを妨害されにくくなる。
ただ、ビートルーパーデッキの構築はモンスター偏重になりやすいので恩恵はいささか限定的。
自身のテキストにある方法によるssはチェーンに乗らないので、「樹冠の甲帝ベアグラム」を出してから除去効果を持つ魔法・罠カードを安全に通すプレイングは確かにあるが、ビートルーパーデッキに投入できるものの中でサーチが効く効果的な除去が行える魔法・罠カードは少ないので、このプレイングが成立する状況もまた少ない。
一応ビートルーパーデッキに入るカードの中には噛み合わせの良い「降下作戦」がある。
貴重なサーチの効く除去効果を持つ通常魔法で、なおかつ「降下作戦」の除去効果を利用するためには攻撃力3000以上の昆虫族モンスターが場に必要で、「樹冠の甲帝ベアグラム」がモンスターを除去するのに対して「降下作戦」は魔法・罠カードを除去するため相互補完のような関係にある。
(2)の全体除去は昆虫・植物族モンスターには通用しないが、幸いそれらのモンスターはEXデッキに汎用的に採用されているカードは少なく、その時の環境にもよるが、メインデッキに軸として採用しているデッキとは基本的に遭遇率が低いので効果の通り比較的は良い。
全体除去が決まれば大抵は相手の場がガラ空きになる。
そのため直接攻撃できない制約によってそのターンの「樹冠の甲帝ベアグラム」の役割はそこで終えるケースが多い。
相手の場に裏側表示のモンスターや耐性を持ったモンスターがいれば「樹冠の甲帝ベアグラム」の(2)の効果を使った上で攻撃できる機会が発生するので、その場合は「樹冠の甲帝ベアグラム」から攻撃することを失念しないよう要注意。
デビル・ドーザー(SR)
nsできず自分の墓地の昆虫族モンスター2体を除外して手札からssできる召喚条件、自身が戦闘ダメージを与えると相手のデッキの上のカード1枚を墓地に送れる誘発効果を持つ昆虫族の最上級特殊召喚モンスター。
条件付きで相手のデッキを削れるがその効果はオマケで、「共振虫」からサーチできるssしやすい昆虫族モンスターという点が重宝されるカード。
召喚条件で墓地の昆虫族モンスター2体を除外する必要があるので、「共振虫」の効果でサーチしてそのまま「デビル・ドーザー」をssする際に墓地の「共振虫」を除外するとデッキの昆虫族モンスターを墓地に送る効果をすぐに利用できるため噛み合わせが良い。
基本的には展開要員として重宝されるモンスターだが、最上級モンスターでステータスがあるため戦闘要員としても勿論活用できる。
レベルも高いのでEXデッキの大型モンスターにアクセスする際の素材に用いることができる点も優秀。
クイーン・バタフライ ダナウス(UR)
nsされてる場合に自身の攻撃力を0にして自分の墓地のレベル4以下の昆虫族モンスターを3体までssできる誘発即時効果を持つ昆虫族の最上級モンスター。
効果を使うためには自身のアドバンス召喚が必須な上に、最大限活用するためには墓地に昆虫族の下級モンスターが複数存在していることが要求されるため、重いカードだが効果が上手く通りさえすればかなりのリターンを得られるピーキーなモンスター。
特に耐性を持ってたりはしないので、効果に妨害を当てられてしまうと大損害を被る羽目になる。
そのため「クイーン・バタフライ ダナウス」を扱う際は相手の妨害に最大限警戒する必要がある。
対象にするモンスターは「共振虫」や「応戦するG」などの墓地に送られた場合に発動する効果を持ったカードを蘇生できると美味しい。
墓地にレベル4以下の昆虫族モンスターを可能であれば3体用意するという条件は一見すると難しそうに思えるが、nsの必要があるのでアドバンス召喚が成立すればその時点で2体は墓地に確保できている状況にしやすい。
あとはその前に展開していたり「おろかな埋葬」などで墓地に昆虫族モンスターを増やせばお膳立ては整うため、テキストからイメージするよりは実戦で活用する機会を作ることが可能。
そのターンにすでにnsしてしまっている場合は「アームド・ホーン」の効果で場に出すことが基本になる。
その場合であれば「アームド・ホーン」のL召喚に2体、「アームド・ホーン」の他にリリースするためのモンスター1体で流れで自然と墓地に昆虫族モンスター3体を用意できる。
「クローラー・ソゥマ」を用いて展開していくことで「クイーン・バタフライ ダナウス」のサーチから墓地のモンスターの準備、更にはアドバンス召喚までの一連の流れを成立させることも可能。
効果は起動効果や誘発効果ではなく地味に誘発即時効果になっていて、相手ターンにも発動できる他、自分のターンではある程度発動タイミングを選べる特徴を持つ。
実は攻撃力を他のカードで上げることで再び効果を使用することができる。
(1)の効果は誘発即時効果で相手ターンにも使用可能なので、「クイーン・バタフライ ダナウス」を場に残した上で「マイティ・ネプチューン」を出しておくと往復で効果を使用できる。
ただ、蘇生したモンスターの効果は無効化されてしまうため、相手ターンに下級昆虫族モンスターを蘇生しても上手に活用することは難しい。
一応「B・Fー毒針のニードル」と「ゴキポール」を蘇生すれば、相手ターン中でも「ゴキポール」をリリースして通常モンスターをssすることで破壊効果を使うようなことはできるか。
クローラー・ソゥマ(UR)
自分の場のモンスター1体を裏側守備表示にして自身を手札からssできる起動効果、自分MPに自身のレベルを特定の数だけ下げてその条件に合うように手札・デッキ・墓地から同名カードは1枚までクローラーモンスターをssできる起動効果を持つ昆虫族の半上級モンスター。
採用する際は「クローラー・ソゥマ」の他にもレベル2のクローラーモンスターを2種類1枚ずつは採用する必要があるのでその分デッキの枠を使い、自身を場にssするためには他の自分のモンスターを裏側守備表示にする必要があると、十全に活用するためにはいくつかの条件をクリアしないといけないモンスター。
だがその分リターンも大きく、「クローラー・ソゥマ」のssから効果が通るだけで場に昆虫族モンスターが3体(と裏側守備表示の1体)が並ぶので、そこから一気に展開に繋げられる強力なカード。
(2)の効果による展開は自身のレベルを下げる必要があり、効果の使用後はクローラーモンスターを1体展開するならレベル4、2体展開するならレベル2になる。
基本的には最大数になる2体の展開を行うので、効果を使うとレベル2のモンスターが3体並ぶことになる。
昆虫族Lモンスターの展開に使える他、「スプライト・エルフ」の素材に利用したり2Xモンスターを展開することも可能。
実はssする際に裏側守備表示にするモンスターは特に指定はされてない。
そのため「灰流うらら」のような昆虫族ではない汎用カードも対象に利用できる。
初動用の展開カードとしては他に場に出せるモンスターが必要になるので2枚初動になるが、高性能なカードなので基本的にはフル投入した方がデッキパワーを高めやすい。
スケイル・モース(R)
自身が場にある限りお互い1ターンに1度しかssできなくなる制約を課す永続効果を持つ昆虫族の上級モンスター。
お互いにssできる回数に制約を課すカードで、相手を妨害することができる反面自分の首も絞めることになりかねないリスクを孕んでいる制圧用のモンスター。
また、自力でssする効果を持たないため、実際に運用するとなるとスムーズに展開するためには工夫が必要になる。
使いこなせれば強力だが、それ以上に色々手間のかかるカード。
ビートルーパーデッキで場に出すには一度墓地に送ってから「No.3 地獄蝉王ローカスト・キング」で蘇生する方法がメジャー。
墓地に送る手段は「共振虫」を利用するのが基本。
蘇生の手段は素引きが必要になるが「G・ボール・シュート」でも可能。
実際に場に出すことに成功した場合は、相手ターンは普通に維持し、自分のターンでは「スケイル・モース」をまず素材にして何かしらのモンスターを展開、その後で再び蘇生することで制圧効果のON/OFFを切り替えることができる。
再び蘇生する場合は「No.3 地獄蝉王ローカスト・キング」が残っていればその効果が繰り返し使い回せるのでそちらを利用すると良い。
非常に癖の強いカードだが、ビートルーパーデッキに不足しがちな強力な拘束力を発揮できる貴重なカードなので、可能であれば是非有効に活用したい。
その際の投入枚数は1枚で問題ない。
ゴキポール(R)
墓地に送られるとレベル4の昆虫族モンスターをサーチできて、それが通常モンスターだった場合はssしてその攻撃力以上の攻撃力を持つ相手モンスターを破壊することもできる誘発効果を持つ昆虫族の下級モンスター。
「共振虫」や「応戦するG」などとは違ってどこから墓地に送られても効果が発動する点が優秀で、モンスターを展開する際の素材にするだけでなく、他のカードでデッキから墓地に送って能動的に効果を活用することも多い。
サーチ効果は少々特殊で、レベル4の昆虫族モンスターをサーチすることができ、サーチしたのが効果モンスターであればそこで効果は終了し、通常モンスターであれば追加効果を利用するかどうかを選べる。
追加効果はサーチした通常モンスターをssした上で、更にその攻撃力以上の攻撃力を持つ場のモンスターを破壊できるというもので、モンスターの展開と除去という質の高いものになっている。
破壊効果は使うかどうかは強制ではないのでモンスターをssするだけということも可能。
逆に破壊はするがssはしないということは不可能。
そしてこの追加効果のssと破壊にはちょっとしたメリットになる特徴がある。
それはssする効果と破壊効果はセットということ。
このため、ssする効果が通った時点で破壊効果が他のカードをチェーンすることで妨害されることが基本的に無くなるので、特に昆虫族に造形の深くない相手が「モンスターをサーチしてssするだけ」または「ssした後に破壊する効果を妨害すればいい」と侮っていれば意表を突くことができる。
サーチする昆虫族モンスターは、「アームド・ホーン」の追加召喚効果をそのターンまだ使っていなければ更に展開を伸ばす余地の生まれる「共振虫」「応戦するG」「B・Fー早撃ちのアルバレスト」、「アームド・ホーン」の追加召喚効果を既に使ってしまっていたら「ガード・マンティス」を選ぶことが多い。
「ゴキポール」の効果を100%活用するために昆虫族のレベル4通常モンスターを採用する場合は、基本的に破壊対象が広くなるよう攻撃力の低いものを選ぶのがベター。
優秀なカードゆえに複数枚デッキに採用したくなると思うが、効果にはターン1制限があるので考え無しにフル投入するとデッキパワーの低下を招く。
基本的には1〜2枚の採用で十分だろう。
特殊召喚しやすい昆虫族モンスター
種類があるが、基本的に特定の何かを重点的に採用するのではなく、複数の種類を満遍なくそれぞれ少数採用するのが基本。
そうする理由は展開効果にターン1縛りが付くため。
同じカードが複数枚が手札でダブると展開力が低下するため、そういった事態を避けた方がデッキパワーを高めやすくなる。
プリミティブ・バタフライ(SR)
分裂するマザー・スパイダー(R)
自分の場にモンスターが存在しないと手札からssできるモンスター。
初手で展開する時以外は後から引き込むと手札で持て余しやすいため、場にモンスターがいても展開しやすい昆虫族モンスターより採用する優先順位は低い。
2種類とも上級モンスターなのでnsしにくいのもややマイナスポイント。
もし採用する場合は「プリミティブ・バタフライ」の方がビートルーパーデッキの基本的な構築で活用できる余地があるが、それも一応余地がある程度のことなので「分裂するマザー・スパイダー」を採用しても不都合が出ることは少ない。
ただし、属性の関係でビーステッドモンスターに利用される可能性も考えられるため、基本的にどちらか1枚を採用するなら「プリミティブ・バタフライ」を選択すれば良いと思われる。
ガード・マンティス(R)
夢蝉スイミンミン(SR)
円環師フェアリ(SR)
B・Fー必中のピン(N)
B・Fー連撃のツインボウ(N)
場にモンスターがいても条件によって手札からssできる昆虫族モンスターたち。
これらのモンスターと別項で触れている「スケイル・ボム」「降下作戦」「竜咬蟲」「簡素融合」らが、ビートルーパーデッキに採用できる昆虫族モンスターを展開しやすいカードになる。
デッキの構築次第だが、テーマカードの「スケイル・ボム」「降下作戦」、「B・Fー毒針のニードル」でサーチできる「B・Fー必中のピン」、ライフコストが必要になるが「ゴキポール」でサーチしてそのまますぐにssもできる「ガード・マンティス」は優先順位が高め。
「竜咬蟲」も「ゴキポール」でサーチできるが、自身をssするのではなく他の手札の下級昆虫族モンスターを展開する効果なので使い勝手が他のカードとは異なる。
ns時に展開効果を発動するので他のカードよりも妨害効果を当てられやすいリスクがあるが、展開効果以外に持っているもう一つの効果が割と有用なので、自身がチューナーということもあって他の展開用のカードには無い独特な活躍ができる。
「夢蝉スイミンミン」はサーチはできないものの召喚条件が緩めで、表示形式を変更する効果がコンボや相手のモンスターの突破に役立つことがあるため、枠があれば採用しておくと便利。
「B・Fー連撃のツインボウ」は「B・Fー毒針のニードル」でサーチできる上に召喚条件が緩めで2回攻撃というメリット効果を持っているが、展開効果を使うと場にいるかどうかではなくターン自体に昆虫族縛りを課すため、「フルール・ド・バロネス」など昆虫族モンスター以外のカードを採用している場合には優先順位が低くなる。
「円環師フェアリ」はチューナーだが、レベルの関係もあってその特性にあまり強みは無いと言える。
初動に絡める際は他のカードより少々使いにくいため、他のカードを採用した上で更に展開要員が欲しい場合に候補になる。
「簡素融合」はライフコストが必要なものの場の状態に関わらず使用できるため便利だが、EXデッキの枠を余計に使ってしまうため、枠に余裕がある場合にのみ採用候補になる。
壊獣モンスター
怪粉壊獣ガダーラ(R)
粘糸壊獣クモグス(SR)
2種類の壊獣モンスターで、それぞれ壊獣モンスター共通の相手モンスターをリリースして相手の場にss、相手の場に壊獣モンスターがいれば手札からss可能、壊獣モンスターは自分の場に1体しか存在できない3つの分類されない効果を持ち、固有効果に「怪粉壊獣ガダーラ」はカウンターを3つ使って自身以外の場の全てのモンスターの攻守を半減できる誘発即時効果、「粘糸壊獣クモグス」は相手モンスターのns・ss時にカウンターを2つ使って次のターン終了時までそのモンスターの攻撃と効果を封じることができる誘発効果を持つ、昆虫族の半上級モンスターたち。
相手の場のモンスターをリリースすることで実質的な除去を行うことができるカードで、力押しがメインの戦術になりやすいビートルーパーにおいて貴重な相手の妨害を踏み抜く手段。
両方ともレベル5以上なので「共振虫」でサーチすることができ、ある程度必要な場面に応じて用意することが可能な点もありがたい。
手札でダブついても相手の場にモンスターがいれば除去を行った後に展開にも繋げられるためある程度融通が効く。
ただしあくまでも後攻の時に輝くカードなので、先攻で展開することに軸を置くことになるビートルーパーデッキでは投入枚数を考えないと手札事故の元になってしまう。
採用枚数は最低限に抑えるならステータスが低く相手の場に出しても処理しやすい「粘糸壊獣クモグス」を1枚、後攻の時や相手の厄介なモンスターの処理に重きを置く場合でも多くて合計2〜3枚程度の採用が無難だと思われる。
増殖するG(UR)
手札から墓地に送ってそのターン中相手がモンスターをssするたびに1ドローする状態にできる誘発即時効果を持つ昆虫族の下級モンスター。
俗に言う手札誘発の代表的なカードの1枚。
使い方はオーソドックスな手札誘発として効果を利用することだが、ビートルーパーデッキではいくつか活用の仕方や小技がある。
「増殖するG」は昆虫族モンスターなので、ビートルーパーデッキでは手札誘発としてだけでなく最悪EXデッキのモンスターの素材にできる。
率先して行う選択肢ではないが、他のデッキでは手札事故になるような手札でも、ビートルーパーデッキの場合は展開に繋げられるケースが存在する。
そのため、ビートルーパーデッキでは若干ではあるが「増殖するG」を活用する幅が広めで他のデッキで採用していた時よりも無駄になりにくい。
昆虫族モンスターかつ地属性かつステータスが低いので「応戦するG」のサーチ効果の対象になる。
そのため、ビートルーパーデッキでは妨害として利用できる頻度が他のデッキよりも多いのも特徴の一つ。
デッキの構築の仕方や展開のルート次第では、初手から盤面を形成しつつ「増殖するG」を手札に加えた状態で相手ターンを迎えることも可能。
「増殖するG」などの手札から墓地に送って利用する手札誘発は「墓穴の道連れ」によって妨害されるケースが現代遊戯王では珍しくないが、「スティンギー・ランス」の存在から「墓穴の道連れ」の対象になった「増殖するG」をデッキに戻してしまうことで相手の妨害を躱すことが可能。
「スティンギー・ランス」は「インヴィンシブル・アトラス」で場に出すことはあっても手札に積極的に加えることは無いのでそういった状況が頻発するわけではないが、「増殖するG」と「スティンギー・ランス」が手札にある状態であれば「墓穴の道連れ」を躱せることは覚えておくと役に立つ。
完全態・グレート・インセクト(UR)
「完全態・グレート・インセクト」は1ターンに1度しかssできない効果外テキスト、融合召喚か自身の効果外テキストの召喚方法でのみEXデッキからss可能な効果外テキスト、装備カードを装備した守備力2000以上の昆虫族モンスター1体をリリースしてEXデッキからssできる効果外テキスト、戦闘破壊されない永続効果、フィールド魔法が表側表示である際にお互いのBPに1度相手の場のモンスター全てを破壊できる誘発即時効果を持つ、素材にレベル7と8の昆虫族モンスターを要求する昆虫族融合モンスター。
正規の融合召喚の他に、条件を満たした自分の場の昆虫族モンスターをリリースすると融合カードを用いなくてもEXデッキからssできる大型モンスター。
正規融合はビートルーパーデッキでは素材の条件に該当する高レベルモンスターの割合を多くしにくく、テーマ融合カードの「上陸態勢」の性能がイマイチなことから狙いにくい。
1ターンに1度しかssできない制約も持っているため、例えば正規融合をした後で2枚目を融合カードを用いない召喚方法出せなかったり、素材にした後即座に蘇生させたりもできない。
1体出すと状況に関係無くそのターン中は以後どんな方法を用いても「完全態・グレート・インセクト」を出せなくなってしまう。
ちなみに融合カードを用いない召喚方法は融合召喚扱いではないので、その方法でssしていると蘇生制限は満たしてない状態になる点には要注意。
その場合は再利用するなら他のカードで一度EXデッキに戻す必要がある。
融合カードを用いずにEXデッキからssする召喚方法には装備カードを装備した守備力2000以上の昆虫族モンスターが必要になる。
ビートルーパーデッキでは守備力1500以上の昆虫族モンスターに「甲虫装機ピコファレーナ」の効果で昆虫族モンスターを装備することで条件をクリアするのがメジャーな方法。
他にも「ジャイアント・メサイア」「昆虫機甲鎧」や甲虫装機モンスターなどでも条件を満たせるが、ビートルーパーデッキに採用する場合はカードパワーや噛み合わせの問題があるため、「完全態・グレート・インセクト」に比重を置くのでなければ無理に採用する必要性は薄い。
比較的高めのステータスを持った上で(1)に戦闘耐性を持っている。
(2)の効果の存在もあってお世話になる機会は少なめで基本的にはオマケの効果。
(2)の効果はお互いのBPに相手の場のモンスターを全壊させる除去効果。
自分のターンだけでなく相手ターンでも発動できる機会がある他、地味に誘発即時効果なのでBPという制限があるものの発動タイミングには多少融通が効くものになっている。
ただし、(2)の発動にはフィールドゾーンにカードが表側表示で存在してないといけない。
ビートルーパーデッキでは「戦術機動」が「スティンギー・ランス」でサーチできるため条件をクリアすることは難しくないが、必要な展開をした上で(2)の条件を満たすとなると少々ハードルが高くなる。
現在のビートルーパーデッキは採用したいカードが豊富にあるため、40枚に近い枚数に収めようとすると取捨選択が必要になる。
そうなると「スティンギー・ランス」の枚数を少なめにするケースも出てくるので、例えば先攻1ターン目で展開を行い「スティンギー・ランス」で「空殺部隊」をサーチしていると、次の返しのターンで「完全態・グレート・インセクト」は出せたが「戦術機動」が用意できなかったということも起き得る。
これはデッキ構築の段階で「スティンギー・ランス」の枚数を多めにしたり、フィールド魔法の枚数を増やすなどすることで対応が可能だが、そうなると必然的に「完全態・グレート・インセクト」の運用に寄った構築になるため、デッキの構築の仕方や使用感は変わってくる。
そもそもの話になるが、(2)の効果は使用タイミングがBPに限定されているため使い勝手はそこまで良いとは言えない。
相手の場のモンスターを破壊するのであれば、メインデッキに入り召喚条件も異なるが「樹冠の甲帝ベアグラム」がおり、こちらはフィールド魔法を必要とせずに全体破壊が可能な上に使用タイミングは自分MPになっている(破壊対象や範囲が違ったり他のデメリットがあるが)。
そういった「完全態・グレート・インセクト」自体の使い勝手や他のモンスターの存在もあるため、(2)の効果を積極的に利用するためにフィールド魔法を用意できるような構築にすることが正解かどうかというのは疑問が残る。
No.3 地獄蝉王ローカスト・キング(UR)
自身の表示形式が変更された際に自分の手札・墓地の昆虫族モンスター1体を守備表示でssできる誘発効果、X素材を取り除いて場で効果を発動したモンスターの効果を永続的に無効にできて、その後昆虫族モンスター1体の守備力を上昇させるか表示形式を変更するかを選択する誘発即時効果を持つ昆虫族Xモンスター。
制圧用兼墓地の昆虫族モンスターを蘇生するためのXモンスターで、主に「インヴィンシブル・アトラス」で「スカウト・バギー」をリクルートしてX召喚することが多い。
特に自力でssできないが強力な拘束効果を持つ「スケイル・モース」を制圧盤面に加える用途で重宝されてる。
勿論「スケイル・モース」を絡めない場合でも、相手の場のモンスターの効果を無効にしつつ昆虫族モンスターを蘇生してアドを取れる効果は決まると強力。
中でも「B・Fー毒針のニードル」は蘇生するとサーチ効果を使える上に妨害効果を備えているため、「スケイル・モース」以外のモンスターの中では蘇生先の有力候補。
効果自体は(1)と(2)が連動しており、(2)の効果でモンスター効果を無効にしてから自身を対象に表示形式を変更することで(1)の効果が発動するデザイン。
昆虫族モンスターを手札・墓地からssできる(1)は独立しているので、ルール上の1ターンに1度可能なモンスターの表示形式の変更や、他のカードの効果で表示形式を変更しても発動する。
(2)のモンスター効果を無効化する効果は場のモンスターにしか作用しない。
手札や墓地で発動した効果に対しては何もできないので、モンスター効果を多様するデッキ相手でも思ったように妨害できないことがある可能性には留意しておく必要がある。
場のモンスターにしか干渉できない代わりに発動した効果を無効にするタイプではなく効果を発動したモンスターの効果を永続的に無効化するタイプになっていて、一度無効にしたそのモンスターは裏側守備表示や場以外のゾーンを一度経由しない限りは効果を使えない状態にできる。
複数の効果を持っていたり、1つの効果を複数回利用できる可能性のあるモンスターを狙えると美味しい。
実は(2)は無効化するモンスターは自分・相手のモンスターを区別しないため、(1)の効果を自分のターンに発動させるためにあえて自分のモンスターの効果を無効にする使い方がある。
効果の無効化は永続的なものなので自分のモンスターを対象にするのはデメリットが大きいが、ssするモンスターが強力であれば釣り合いは取れる。
「B・F必中のピン」のような、任意で発動できる効果でなおかつ無効化しても不都合が出にくいモンスターを犠牲にすると負担を軽減できる。
「No.3 地獄蝉王ローカスト・キング」を運用する上で気になるポイントが一つある。
それはどの表示形式で自分のターンを終えるのか、ということ。
攻撃表示であれば、相手ターンでモンスター効果を無効化した上で守備表示にして蘇生効果を使いつつ自身の高い守備力で迎え撃つことができる。
反面、相手がモンスター効果を使わずに攻撃してきた場合は攻撃力が1200しかないので戦闘破壊されやすい。
守備表示にしておくと攻撃表示にした時のように戦闘破壊されるリスクは減らせるが、今度はモンスター効果を無効化すると攻撃表示にして蘇生効果を使うか、守備表示のまま守備力を上げて蘇生効果は使わないかを選択する必要がある。
守備表示のままであれば戦闘破壊のリスクは低いが、蘇生効果が使えないと勿体ない。
このようにどちらの場合でも裏目があるため、「No.3 地獄蝉王ローカスト・キング」を運用する際は相手の予想される行動を考えた上で表示形式を決定する必要がある。
熾天蝶(SR)
L召喚時に素材にした昆虫族モンスターの数だけ自身にカウンターを置く誘発効果、カウンターの数だけ自身の攻撃力を上昇させる永続効果、カウンターを1つ使って自分の墓地のレベル4以下の昆虫族モンスターを守備表示でssできる誘発即時効果を持つ、素材にカード名の異なるモンスターを要求する昆虫族Lモンスター。
ビートルーパーデッキ運用する場合は実質的に2300〜2700の攻撃力を持っており、下級モンスターを蘇生する効果を持ち、召喚条件も緩めで使いやすいモンスター。
……と思いきや、蘇生効果はカウンターを消費する必要があるのだが、肝心のカウンターを自身に乗せる(1)と蘇生効果の(3)は同じターンには使用できない制約が課されている。
そのため、(3)の蘇生効果は最短でもL召喚した次の相手ターンからしか使えないので、自ターンに「熾天蝶」をL召喚して更に墓地の昆虫族の下級モンスターを蘇生して展開を伸ばす、という使い方は不可能。
痒いところに手が届かない性能になっている。
ただし、そういった不便な部分があってもなおビートルーパーデッキでは貴重な存在なので、基本的に1枚はEXデッキに採用されることが多い。
L召喚時に(1)の効果で素材に使った昆虫族モンスターの数だけ自身にカウンターを乗せ、(2)の永続効果で自身の攻撃力が上がる。
乗せられるカウンターの数は素材にした昆虫族モンスターの数とイコールなので最大で3つ。
ただビートルーパーデッキでは「アームド・ホーン」や「甲虫装機ピコファレーナ」を素材にしてL召喚することが多く、素材の有効活用の観点から3体を素材に出すことは非常に稀。
なのでカウンターの数は基本的に2つに留まり攻撃力は2500になることが多い。
(3)の蘇生効果はレベル4以下の昆虫族モンスターなら何でもいいので、上述の通りL召喚したターンには使えないものの、誘発即時効果なので相手ターンにも使えることからある程度応用が利く。
具体的には相手ターンに「スケイル・ボム」や「B・Fー毒針のニードル」を蘇生することで妨害要員を増やす利用方法が有用。
他にも「パラサイト・フュージョナー」を採用していると蘇生することで「氷剣竜ミラジェイド」といった意外なモンスターを呼び出すこともできる。
自分のターンになったら「共振虫」などアドバンテージに繋がるモンスターを蘇生して展開を伸ばして一気に畳みかける、といった一連の流れが理想的。
上述しているようにビートルーパーデッキで実際に運用するとカウンターの数は2つに留まることが多いので、(3)の効果は相手と自分のターンで往復で使うと基本的に「熾天蝶」はバニラ化してしまう。
そのまま放置してても上級モンスター程度の攻撃力を持っているだけのL3モンスターなので、さっさと「インヴィンシブル・アトラス」の素材にするなどして有効活用してしまうと良い。
中継地点としてL召喚後すぐに素材になることも少なくないモンスターだが、墓地から蘇生してもカウンターを置く効果は発動しないため、何らかの方法で墓地から蘇生して繰り返し使う用途には向いてない。
そのため、「熾天蝶」が墓地にあるなら他のカードのコストで除外してしまっても不都合は起きにくい(他に再利用することのないモンスターがあるならそちらを優先した方が良いが)。
アティプスの蠱惑魔(UR)
L召喚されていると罠カードの効果を受けなくなる永続効果、自分の墓地に罠カードがあると場の蟲惑魔モンスターの攻撃力を上昇させる永続効果、1ターンに1度自分の場の昆虫・植物族モンスターの数まで相手の場の表側表示のカードの効果をターン終了時まで無効にでき、その後通常罠カードを除外すると無効にしたカードのうちの1枚を破壊することもできる起動効果を持つ、素材に昆虫・植物族モンスターを含めることを要求する昆虫族Lモンスター。
罠カードが関係する効果を複数所持しているが、蟲惑魔モンスターを軸にデッキを組んでない場合はビートルーパーデッキでその部分を活用する機会はかなり稀。
基本的には「アームド・ホーン」や「甲虫装機ピコファレーナ」などのL2モンスターから繋げられるL3モンスターで、(3)の起動効果で場の表側表示のカードの効果を何枚かターン終了時まで無効にすることで相手の盤面の突破に貢献しつつ、その後「インヴィンシブル・アトラス」などの踏み台になる繋ぎのカード。
ビートルーパーデッキに採用されるL3モンスターは他に「熾天蝶」があるが、「アティプスの蟲惑魔」は後攻、「熾天蝶」は先攻の時に出した方が有効なカードなので使い分けは可能。
(2)と(3)の効果に墓地に通常罠カードが要求される。
ビートルーパーデッキでは罠カードの採用枚数が少なくなりやすいため活用する機会はかなり稀だが、汎用罠カードの「無限泡影」が採用されることはあるので機会が全く無いというわけでもない。
(2)の効果は条件が満たされていれば自動的に適用される効果なので特に意識する必要は無いが、(3)の効果は条件が満たされている場合は追加効果を使うか否かを選ぶことになり、内容も無効にしたカードの中の1枚を破壊と「アティプスの蟲惑魔」の盤面をこじ開ける運用を更に後押しするものなので、墓地に罠カードがある場合ではより強力になることは覚えておくと良い。
甲虫装機ピコファレーナ(SR)
L召喚時に手札1枚を捨てて場の他の昆虫族モンスターにデッキから昆虫族モンスターを装備できる誘発効果、自分の墓地の昆虫族モンスター3体をデッキに戻して1ドローできる起動効果を持つ、素材に昆虫族モンスターを要求する昆虫族Lモンスター。
L2モンスターで出しやすく、デッキの昆虫族モンスターを他のモンスターに装備して擬似的なサーチ・リクルートのように利用できるので展開の起点になるモンスター。
EXデッキに入るカードの中では「アームド・ホーン」と並んでビートルーパーデッキの中核を担うカード。
「共振虫」や「応戦するG」を昆虫族モンスターに装備、装備したモンスターを素材にして装備状態のカードを一緒に墓地送りにすることで「場から墓地に送られた」条件を満たすことで間接的なサーチを行う。
墓地の昆虫族モンスターをデッキに戻してドローすることも可能で、サーチ・ドロー・リソース回復と潤滑油になる効果を詰め合わせた非常に重要なモンスター。
(1)は主に(場から)墓地に送られた場合に効果が発動するカードを装備させる以外は特に意識することがあるわけではないシンプルな効果だが、「甲虫装機ピコファレーナ」をL召喚する際に装備候補になるモンスターを素材にしている場合はちょっとした小技がある。
チェーンを組む順番を「甲虫装機ピコファレーナ」→素材にしたモンスターとすることで、直前の効果を無効にするタイプの相手の妨害の矛先を素材のモンスターの方に向けることができる。
(1)は手札コストを使う他、特に「共振虫」を装備する場合はその是非によってその後の展開の伸び方も大きく変わってくるため、相手の妨害を受けるなら素材にしたモンスターの方が邪魔される方がまだマシなことが多い。
(2)の効果を使用する際に墓地にある別の「甲虫装機ピコファレーナ」(後述ではBと呼称)をデッキに戻すことで、その時場にいる「甲虫装機ピコファレーナ」(後述ではAと呼称)を素材にしたり相手によって墓地に送られても、その後デッキに戻したBを再びL召喚して(2)の効果を使う際にAをデッキに戻すことで実質的な永久機関になる。
そのため、ビートルーパーデッキでは使用頻度がかなり高いものの、2枚採用しておけばプレイング次第で使い減りしないようにできるので、基本的に3枚目の投入が必要無いカード。
非常に便利なカードだが、(1)の効果を活かすためには「甲虫装機ピコファレーナ」をL召喚するために2体、装備対象にするために1体、最低でも合計3体の昆虫族モンスターを場に揃えないといけないので少々ハードルが高い。
昆虫族モンスター3体の展開はビートルーパーデッキでは手札を2〜3枚使用することでクリアできる。
現状では効果的な展開のために「甲虫装機ピコファレーナ」を使わざるを得ず、ビートルーパーデッキの初動の展開に必要なカードを最低でも2枚の組み合わせにしている要因になっているカード。
カードプールの都合上仕方のないことではあるが、「甲虫装機ピコファレーナ」の存在がデッキ構築に大きな影響を与えている。
G・ボール・シュート(N)
発動したターンのMPに、自分の墓地のレベル6以下の昆虫族モンスターをssできる効果か、手札から公開した昆虫族モンスターより低い攻撃力の自分の場の昆虫族モンスターと相手モンスターのコントロールを入れ替えて奪ったモンスターを昆虫族扱いにする効果、1ターンに1度どちらかを選んで使える効果を持つ永続魔法。
蘇生効果とコントロール入れ替え効果を持っているが、2つの効果は同じターンに使えない制約があるためどちらか1つの効果を選ぶ必要がある。
蘇生効果は「G・ボール・シュート」を発動したターンにしか使えないので、コントロール入れ替え効果を使うと次のターン以降に蘇生効果を使えなくなってしまう特徴を持った使用感が独特なカード。
基本的には(1)の効果で昆虫族モンスターの手数を増やして初動の展開を補佐する。
Lモンスターの素材に使った昆虫族モンスターを蘇生することで永続魔法でありながら展開においては実質的に昆虫族モンスター1体分としてカウントできる。
「共振虫」であれば「転生炎獣アルミラージ」をL召喚することで「G・ボール・シュート」と2枚の手札から動き始めることができるパターンもある。
(2)の効果は「G・ボール・シュート」、手札で公開する昆虫族モンスター、場の昆虫族モンスターで計3枚のカードを要するため少々ハードルが高いが、決まるとコントロールの入れ替えができるため相手の厄介なモンスターを攻略する糸口にできる。
(1)が先攻向けの効果なら(2)は後攻向けの効果と言える。
奪った相手モンスターは昆虫族になるのでEXデッキのモンスターの素材にしやすい点もありがたい。
昆虫族以外のモンスター、また昆虫族に関係しない汎用カード
フルール・ド・バロネス(UR)
場のカード1枚を破壊できる起動効果、場にいる間で1度だけカードの効果の発動を無効にして破壊できる誘発即時効果、お互いのSPに自身を戻して墓地のレベル9以下のモンスターをssできる誘発効果を持つ戦士族Sモンスター。
汎用性の高い優秀なSモンスターで、場にある限り1度しか使えない使い切りの効果だが、ビートルーパーデッキに足りない魔法・罠カードの発動を無効にして破壊する妨害が可能。
高レベルのSモンスターなのでステータスが高く、起動効果で除去もできるため非常に頼れるカード。
(3)の効果で自身をEXデッキに戻す必要があるが、レベル9以下であればそれ以外の条件を問わずにモンスターを蘇生することができるので、(1)の効果を使い切った後は「共振虫」などの下級モンスターでアドバンテージに繋げたり、大型モンスターを出して自身は再度のS召喚の機会を狙いつつ戦線を維持したりできる。
蘇生対象の条件のレベル9以下というのは「完全態・グレート・インセクト」がギリギリ該当する条件なので、ビートルーパーデッキに採用されるカードプールと噛み合いが良い(蘇生するには正規融合の必要があるが)。
基本的には「スプライト・エルフ」を採用しないとスムーズに展開に組み込むことが難しいため、ビートルーパーデッキではコンボ用の側面が強い。
そのため、優秀なSモンスターだが、展開をコンパクトに収めるような想定でデッキを構築すると採用候補から外れることもある。
No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー(UR)
場で発動した魔法カードの効果を無効にしてX素材にできる誘発即時効果、X素材を取り除いて相手の攻撃を自身に誘引できる誘発効果、自身以外の自分の場のXモンスターが破壊された際にその元々の攻撃力と同じ数値だけ自分の場のXモンスター1体の攻撃力を永続的に上昇できる誘発効果を持つドラゴン族Xモンスター。
ビートルーパーデッキに足りない魔法カードの効果を無効にする妨害が可能で、X素材を取り除いて相手モンスターの攻撃を自身に誘引することで他のモンスターを戦闘から守ることもできるXモンスター。
ビートルーパーデッキではレベル8の「重騎甲虫マイティ・ネプチューン」「デビル・ドーザー」「クイーン・バタフライ ダナウス」などを採用するので、ある程度の展開力は必要だが、召喚条件は意外とクリアしやすい。
(2)のX素材を取り除いて相手モンスターの攻撃対象を自身に変更できる効果は、ビートルーパーデッキではややステータスが心許ない制圧モンスターの「スケイル・モース」や「No.3 地獄蝉王ローカスト・キング」などを守れるので、制圧盤面に加えられると戦闘による打開を抑制しやすくなり、魔法カードの効果の無効以外でも盤面強度の向上に貢献できる。
(3)の効果は他のXモンスターが破壊される必要があるのでXモンスターを殆ど採用しないビートルーパーデッキでは一見すると使う機会が無さそうだが、「No.38 希望魁竜タイタニック・ギャラクシー」を出しているなら大量展開から「No.3 地獄蝉王ローカスト・キング」も合わせて出していることがあるので、制圧を主眼に置いてデッキを構築していると案外効果を発動できる盤面に遭遇することになる。
その場合は(3)の効果が成立すると自身の攻撃力を1200アップすることになるので、地味ではあるがメリットになるものは忘れずに利用したい。
アクセスコード・トーカー(UR)
自身の効果に対して相手はカードをチェーンして発動できない効果外テキスト、L召喚時に素材にしたうちのLモンスター1体のマーカーの数を参照して攻撃力を永続的に上昇させる誘発効果、自分の場か墓地からLモンスターを除外して相手の場のカードを破壊できる起動効果を持つサイバース族Lモンスター。
L4モンスターの大型フィニッシャーで、このカードを出せればそのターン中に勝負を決めに行くことがグッと近づく強力なカード。
「アームド・ホーン」や「インヴィンシブル・アトラス」の昆虫族縛りに引っかかってしまってフィニッシャーだが詰めの場面で出したいのに出せない、という状況に陥ることが多い。
基本的には「熾天蝶」や「アティプスの蠱惑魔」などをL召喚する際に昆虫族縛りを持つモンスターを素材にすることで制約を解いてからL召喚することになる。
「甲虫装機ピコファレーナ」も中継に使えるが、「アクセスコード・トーカー」は(1)の効果でマーカーの数が多いLモンスターを素材にした方が火力が上がるので、緊急時以外は可能な限りL3モンスターを経由するようにしたい。
(2)の除去効果は自身の効果外テキストでカードのチェーンを許さない上、条件をクリアすると1ターンに複数回使用することもできる強力なもので、一気に盤面をこじ開けることができる。
ビートルーパーデッキに採用されるEXデッキのモンスターは地属性が多いが、「熾天蝶」の風属性、「甲虫装機ピコファレーナ」の闇属性なども部分的に存在してる上、前者は「アクセスコード・トーカー」の中継として、後者は基本的な展開で使用する頻度が高いので、(2)の効果は2回以上使える機会に恵まれることが少なくない。
ただし、ビートルーパーデッキは各種カードによって墓地のモンスターを除外したりデッキに戻すことがままあるので、プレイングに注意しないと「アクセスコード・トーカー」を出したが墓地にLモンスターが全然いないということが起き得る可能性には留意されたし。
自身の効果外テキストによって自身の効果にカードをチェーンして発動される心配が無いので基本的には安全に効果を利用できるが、唯一L召喚して(1)の効果を使った直後は優先権が相手に移るタイミングがあり、そこでカードを発動できる機会がある。
フリーチェーンで使える除去を相手が用意している場合はその点に注意し、可能であれば「アティプスの蠱惑魔」を経由しておくとより盤石に運用できることは覚えておくと不測の事態を予防できる。
スプライト・エルフ(UR)
L召喚されたターンはL素材にできない効果外テキスト、リンク先のモンスターに対象耐性を付与する永続効果、お互いのMPに自分の墓地のレベル2モンスターをss、また相手の場にモンスターが存在していれば2XモンスターかL2モンスターをssできる誘発即時効果を持つ、素材にレベル・ランク・リンク2モンスターのいずれか1体以上を含めることを要求する雷族Lモンスター。
主に「B・Fー毒針のニードル」やクローラーモンスターを素材に召喚することになる。
L2モンスターも素材に含めることができるので「甲虫装機ピコファレーナ」とレベル2以外のモンスターでも出せることは覚えておくと場に出す機会が増やせる。
レベル2モンスターを蘇生できるので、「B・Fー毒針のニードル」を自分のターンにデッキから墓地に送ってから蘇生することで擬似的にサーチしたり、相手ターンに蘇生して妨害効果を用意する使い方ができる。
(1)の効果で自身のリンク先のモンスターに対象耐性を付与することもできるが、ビートルーパーデッキの場合は展開の都合で「スプライト・エルフ」をEXモンスターゾーンに置けない場合も少なくない。
「スプライト・エルフ」をEXモンスターゾーンに置いた上で制圧盤面を形成する方法もあるが、展開ルートが助長されたり難易度が高くなるので、理想的な盤面を目指す場合は構築の吟味やルートの確認をよくしておきたい。
便利なカードだが、ビートルーパーデッキでは大量展開する場合に展開に絡めるのがL召喚される主なケースなので、展開をコンパクトに抑える想定でデッキを組むと採用候補から外れることもある。
転生炎獣アルミラージ(UR)
自身をリリースして自分の場のモンスターにそのターン中破壊耐性を付与できる誘発即時効果、墓地にいる場合にnsされている自分のモンスターが戦闘破壊された際にssできる誘発効果を持つ、素材にnsされている攻撃力1000以下のモンスターを要求するサイバース族Lモンスター。
基本的には「共振虫」を素材にしてサーチ効果をすぐに利用するために用いるカード。
その他には「G・ボール・シュート」を初動の展開に絡める際にL召喚することもある。
(1)の破壊耐性を付与する効果は悪くないが、展開の過程で素材にしてしまうことが多いので、最後まで場に残っていることは稀で使う機会は少ない。
おろかな埋葬(UR)
デッキのモンスターを墓地に送る効果を持つ通常魔法。
単純な効果だが、「ゴキポール」でレベル4の昆虫族モンスターをサーチ、「プレイング・マンティス」でトークン生成、「樹冠の甲帝ベアグラム」や「スケイル・モース」の呼び出す準備、墓地の昆虫族モンスターを要求するカードに必要な枚数の確保など、様々な利用方法がある。
封印の黄金櫃(UR)
デッキからカードを除外して、その後2ターン経過で除外したカードを手札に加える変則的なサーチ効果を持つ通常魔法。
「共振虫」を除外することで擬似的な昆虫族専用のを「おろかな埋葬」として利用できるので、採用する場合は2枚目の「おろかな埋葬」として投入するのが基本。
簡素融合(UR)
ライフ1000をコストにEXデッキから融合召喚扱いでレベル6以下の効果モンスター以外の融合モンスターをssする効果を持つ通常魔法。
EXデッキを圧迫するがチューナーモンスターはレベル2・5、非チューナーモンスターはレベル3〜6まで用意することができるため、融通の利く柔軟性の高いカード。
ビートルーパーデッキに採用する場合は基本的に昆虫族モンスターをssできるカードとして「クワガー・ヘラクレス」を1枚採用するに留めるのが基本。
他の選択肢はEXデッキの枠に空きがある場合に検討すると良いが、「簡素融合」で呼び出せる融合モンスターは「クワガー・ヘラクレス」以外に昆虫族モンスターが存在しないため、一部のカードが持つ昆虫族縛りと噛み合いが良くない点には要注意。
クワガー・ヘラクレス(R)
「簡素融合」から呼び出せる唯一の昆虫族融合モンスター。
特筆する点は特に無いモンスターだが、レベル6というのは「G」でギリギリ蘇生できるラインだったり、「竜咬蟲」と組み合わせて「フルール・ド・バロネス」にアクセスできたり、守備力1700というのは「甲虫装機ピコファレーナ」で昆虫族モンスターを装備して攻守を500上げると「完全態・グレート・インセクト」の素材に該当するようになったり、地味に活用できなくもない素養を持っているので、知識として覚えておくと稀に役に立つかもしれない。
無の畢竟オールヴェイン(R)
珍しい融合チューナーモンスター。
昆虫族モンスターではないが、レベル2のチューナーモンスターという特徴は構築によっては「フルール・ド・バロネス」や「スプライト・エルフ」を採用する場合があり、「マイティ・ネプチューン」や「デビル・ドーザー」のようなssしやすいレベル8モンスターを採用することが多いビートルーパーデッキにおいて意外と噛み合う。
積極的に採用する程ではないが、「簡素融合」から呼び出す選択肢としては「クワガー・ヘラクレス」以外の融合モンスターの中では比較的扱いやすいと言える1枚。
冥王結界波(UR)
発動時にモンスター効果をチェーンして発動されない効果外テキスト、発動後はターン終了時まで相手が受けるダメージが0になり、相手の場の全ての表側表示モンスターの効果を無効にする効果を持つ通常魔法。
対効果モンスターであれば問答無用でそのターン効果を封じることができる俗に言う捲り札。
ただし、その強力な効果ゆえにそのターン中に相手が受ける戦闘ダメージが0になるデメリットがあり、相手の場のモンスターを処理したとしてもそのままゲームセットとはいかない。
ビートルーパーデッキにおいては特別シナジーを形成するカードではないのだが、デッキの性質上「冥王結界波」は都合が良い部分がある。
一つはコストを必要としないこと。
ビートルーパーデッキは展開する場合に複数のカードを組み合わせる必要があるため、場のモンスターや手札のカードが1枚でも欠けると何かしら支障を来たしやすい。
そのため、「冥王結界波」の相手が受けるダメージが0になるデメリットを考えても、相手のモンスターを1枚のカードで封じ込めることができるメリットは大きい。
一つは「冥王結界波」を使う上で求められることとビートルーパーデッキの性質。
ビートルーパーデッキは先攻後攻どちらにせよある程度展開する必要があり、相手の盤面を突破するにしてもそこから妨害効果を持ったカードに自然と繋げやすい。「冥王結界波」はそのターン中に決着しにくくなる性質から相手の盤面を崩壊させた上で逆にこちらが盤面を形成することが求められるカードだが、この要求をビートルーパーデッキはある程度満たすことができる。
「インヴィンシブル・アトラス」まで繋げて「スティンギー・ランス」を呼ぶことができれば3000と2400打点のモンスターで相手の制圧モンスターを倒しつつ、「スティンギー・ランス」でサーチした「空殺部隊」で1妨害という流れが基本の展開から行うことができる。
他にも「樹冠の甲帝ベアグラム」や「完全態・グレート・インセクト」とフィールド魔法を用意できれば相手の場のモンスターを一掃することが可能で、相手モンスターを突破する手段を複数持っていることも「冥王結界波」を扱う上で都合が良い。
相手にダメージを与えられなくなるデメリットと上手く付き合うことができれば非常に便利なカードだが、1つ注意点がある。
それは「冥王結界波」の発動にモンスター効果はチェーンして発動できないが、魔法・罠カードはチェーンして発動が可能ということ。
これがどういうことかというと、「冥王結界波」に対して適当な魔法・罠カードをチェーンして発動し、その魔法・罠カードにモンスター効果をチェーンして発動することで擬似的に「冥王結界波」に対してモンスター効果を割り込ませるプレイングが可能ということ。
基本的に「冥王結界波」を使えばモンスター効果を封じ込めることができるが、必ずしも相手が毎回無抵抗のままとは限らないので油断は禁物。
使えないわけではないが、問題点があるため採用率が高くないカード
甲虫合体ゼクスタッガー(R)
一見すると自己ss、打点上昇、展開効果と三拍子揃ったカードに見えるが、実際には大きな欠点を抱えていて扱いにくさが目立つ半上級モンスター。
自身をssできる(1)は条件に他の昆虫族モンスターのssが要求され、nsには反応しないため使い勝手は良くない。
ビートルーパーデッキでは基本的に昆虫族をns→それをトリガーにssという手順を踏むことが多いので、「ゼクスタッガー」を出せるのは必然的に3手目以降になりがち。
2枚初動が基本のビートルーパーデッキでは2枚の組み合わせでは動けない点は見過ごせない。
(3)の昆虫族モンスターの展開効果は種族以外に特に縛りは無いが、発動タイミングがEPと遅く、その上で展開したモンスターの効果を無効化してしまう。
このため無効化されても活用できる墓地に送られた際に効果を発揮する「共振虫」などを出そうにもEPなので展開ルートには組み込めず、EPに出すのであれば「スケイル・モース」など妨害効果を持ったもの出せば良いと考えても効果が無効化されているので意味が無いと、どうあっても有効に活用するのが難しい。
トリオンの蠱惑魔(SR)
ビートルーパーデッキでは貴重な魔法・罠カードを破壊できるカードだが、昆虫族に関するカードは自身をssするカードは種類があるが他のカードをssできるカードは意外と限られている。
「トリオンの蠱惑魔」が魔法・罠カードを破壊する効果はssを条件にしているため、ビートルーパーデッキは必要なタイミングで思うようにssできない、もしくは「トリオンの蠱惑魔」のssを優先すると他の展開が滞るという事態に陥りやすい。
特定の罠カードをサーチできるが、ビートルーパーデッキの場合それらの罠カードは採用するとデッキパワーが落ちる要因になるため噛み合いが良くない。
ランカの蠱惑魔(R)
ns時に「キノの蠱惑魔」をサーチしてくることで昆虫族モンスターを2体並べることができるのでビートルーパーデッキの初動に使えるが、その後で展開に制約がかかるため「フルール・ド・バロネス」など昆虫族モンスター以外の強力なカードを利用したい場合には使い勝手が悪い。
ビートルーパーデッキには「スカウト・バギー」や「B・Fー毒針のニードル」のような「ランカの蠱惑魔」と同じ昆虫族モンスターを2体並べることが可能なカードがあり、前者はビートルーパーというテーマの繋がり、後者はサーチ先が複数あり、それぞれ「ランカの蠱惑魔」と違ってそのターン中の昆虫族縛りを回避する方法を持っているため、使い勝手の観点や「ランカの蠱惑魔」にはできないが他のカードにはそれができる手段があるという相対的な評価で採用候補から外れやすい。
サーチ効果以外にも2つの効果を持つが、どちらもビートルーパーデッキでは活用しにくいので強みになりづらい。
未界域のモスマン(N)
未界域モンスターの共通効果によるssが可能だが、その性質上安定はしない。
自身が手札から捨てられた場合は手札入れ替えができるが、「未界域のモスマン」の場合はアド損になる上に相手に塩を贈ることになりかねない。
ssしやすい昆虫族モンスターであれば他にも複数の選択肢があるため、相対的に「未界域のモスマン」をあえて採用する理由が薄い。
ギャラクシー・ワーム(SR)
ss時に反応しなくなり手札と墓地から同名モンスターを引っ張って来られなくなったが昆虫族縛りを持ってない「スカウト・バギー」のようなモンスター。
「スカウト・バギー」と違って3Xモンスターは幅広く運用できるが、ss時には効果が発動せず、同名モンスターはデッキからしかssできないのでカードそのものの使い勝手では劣る。
カードプールの増加によって今では昆虫族モンスターを場に並べやすくなったので、相対的に扱いにくさを残す「ギャラクシー・ワーム」はパワー不足なカードという立ち位置になっている。
ジャイアント・メサイア(N)
(2)の効果で「共振虫」や「応戦するG」などを再利用できると美味しいが、「ジャイアント・メサイア」単体では機能しないため事故要因になる点が気になるカード。
効果が成立すると「完全態・グレート・インセクト」には繋がるが、場に出たモンスターの数は増えてないため「アームド・ホーン」や「甲虫装機ピコファレーナ」などには繋がらないので展開の起点にはなれない。
例えば「共振虫」を起点に考えた場合、「共振虫」+自力でssできる昆虫族モンスターであれば大展開にも繋がるが、「共振虫」+「ジャイアント・メサイア」だと先述の組み合わせの劣化版になる上にEXデッキの「完全態・グレート・インセクト」を消費してしまう。
「B・Fー毒針のニードル」で考えた場合も、「B・Fー毒針のニードル」+自力でssできる昆虫族モンスターであれば展開できるが、「B・Fー毒針のニードル」+「ジャイアント・メサイア」だとL3モンスターで止まってしまう。
どうしても展開することを考えると3枚目以降のカードになってしまい、「うまく決まったら」「噛み合う状況になれば」といったいわゆる"たられば"の要素が強いカードで、「ジャイアント・メサイア」を採用するのであればその枠は他のssしやすい昆虫族モンスターを採用した方がデッキパワーを高めやすい。
昆虫族モンスターを装備できる効果以外に手札からssできる(1)とお互いのカードを破壊できる1:1交換ができる(3)があるが、どちらの効果も機能するのはBPのみなので相手の展開を抑制する使い方ができるわけではなく、取り回しが良いとは言えない。
パラサイト・フュージョナー(SR)
基本的に「熾天蝶」と組み合わせて「氷剣竜ミラジェイド」を出すために採用することになるカード。
しかし「氷剣竜ミラジェイド」は効果を十全に使うためには別に融合モンスターを1体以上採用する必要があるため、EXデッキがカツカツになりやすいビートルーパーデッキにおいては、採用するとなると何か他の部分を削ることになる。
また、「パラサイト・フュージョナー」は単体では機能しないカードなので、素引きしてしまった場合が非常に貧弱な点が気になる。
ミラー・レディバグ(N)
ssには条件があり自壊デメリットもあるが、1ターン目の展開であれば条件をクリアしやすいので、ssしやすい昆虫族モンスターとして利用する分には意外と問題の無いカード。
ビートルーパーデッキは墓地の昆虫族モンスターを複数枚除外したりデッキに戻すことが多いので、対戦序盤以外でもssする条件を整えることはできなくない。
ただし、扱えなくはないがssに条件や自壊デメリットが存在するのは、他のそういったマイナス要素を持たないssしやすい昆虫族モンスターの種類が増えた現状ではやはり相対的に評価が低くなる。
接触するG(SR)
Gシリーズの1体で、相手のns・ssに反応して相手のEXデッキからのssに制約を課すが、相手の場にssすることになるのでそれだけでディスアドバンテージを負うことになり、場合によっては普通に素材として利用されて相手に塩を送るだけに終わることも少なくない、取り扱いがかなり難しいカード。
刺さる環境では採用候補にできなくもないが、自力でssできないレベル5以上のモンスターなので取り回しが悪く、リターンも常に大きいわけではないので投入が見送られることが多い。
寄生虫パラノイド(R)
相手モンスターに手札から装備することで妨害を行う一風変わった手札誘発。
だがその内容は装備したモンスターが他の昆虫族モンスターに干渉しにくくなるという限定的なもので、展開効果などは妨害できないため装備する対象を誤ると自分の手札をただ減らしただけという結果に終わることも。
装備状態から墓地に送られると手札の高レベルの昆虫族モンスターをssする効果があるが、ビートルーパーデッキではあまり効果的に作用しないので、そういった点も採用率が低い理由になっている。
B・FのSモンスター
ビートルーパーデッキでも採用されることの多い「B・Fー毒針のニードル」などと同じテーマ内に存在するSモンスターたち。
レベルは5・6・8・12と幅広く揃っているが、肝心の性能がどれも戦闘に関係する効果に傾倒しており、耐性を持ち合わせていないため除去に弱く、現代遊戯王においてはいかんせんカードパワーが足りていない。
唯一レベル12の「B・F決戦のビッグ・バリスタ」は相手によって破壊されると除外状態のレベル11以下の昆虫族モンスターを3体までssできる効果で除去されてもリカバリーが可能だが、レベル12のSモンスターはビートルーパーデッキでは出しやすいわけではないので、EXデッキの競合が激しいこともあって採用候補としては力不足。
地底のアラクネー(SR)
相手モンスターを装備カードにするという耐性をすり抜けやすい優秀な除去効果を持っているが、チューナーに闇属性モンスターが指定されている。
闇属性かつ昆虫族のチューナーモンスターでビートルーパーデッキに自然と採用できるものは現状では「竜咬蟲」くらいで、そうなると非チューナーモンスターは基本的にレベル2になるが、その場合は「増殖するG」やクローラーモンスターを使うことになるので、構築の関係上積極的に狙っていくことが難しい。
虫忍 ハガクレミノ(N)
攻撃対象にされなくなる効果、条件をクリアすると昆虫族モンスターをssできる効果を持っているが、基本的には効果を積極的に利用するのではなく、昆虫族縛りを持ったカードが場にあっても素材の指定が緩く出しやすいL2モンスターという特徴を買って採用する場合があるカード。
ただ、昆虫族縛りを解除するために出すなら他にも候補があり、それらはより活用しやすい効果を持っているので、相対的に採用候補から外れやすいカード。
孵化(R)
場合によっては「共振虫」などデッキの中核になるモンスターにアクセスできるカードだが、モンスターをリリースする必要があるので「孵化」だけではディスアドバンテージになること、1つ上のレベルに限定されているので必要なモンスターが必ず出せるとは限らないことなど扱いにくい点がある。
また、現状のカードプールではレベル5の昆虫族モンスターが専用構築の必要性が高い「分裂するマザースパイダー」くらいしかまともな候補が無いので、「共振虫」をssするのに使えると良いが「共振虫」をリリースすることには向かないので噛み合わない点がある。
上手く状況が噛み合うと必要なモンスターを用意できるので強力なのだが、扱いづらさも抱えているため、事故を軽減する一方事故を誘発する可能性も有している難しいカード。
超進化の繭(UR)
条件をクリアすると特殊召喚モンスターすらssできるカードだが、単独では機能しない上に「ジャイアント・メサイア」「昆虫機甲鎧」「寄生虫パラノイド」など特定のカードとのコンボが前提になるので扱いにくい。
使用後は墓地で発動するリソース回復効果を持っているが、やはりメインになる(1)の効果の取り回しの悪さが問題なので、この点が自然と解消できるような構築が可能になるまでは勝つことを目的に採用することは無いであろうカード。
アリの増殖(R)
使えば昆虫族のトークンを場に2体出せるが、コストとして昆虫族モンスターを1体リリースする必要があるのでアドバンテージの観点ではプラマイ0になるカード。
そのため昆虫族モンスター+「アリの増殖」と昆虫族モンスター+昆虫族モンスターをssするカードを使った場合の差異は殆ど無く、単体で機能しないことから「アリの増殖」を使う意義は基本的に無いと言える。
一応「アリの増殖」はコストで場の昆虫族モンスターをリリースすることになるので「共振虫」などの効果を起動できるが、L召喚の存在する現状では長所というには心許ない特徴というのが現実。
同じ通常魔法でも魔法・罠カードが破壊できる可能性があり、サーチも可能な「降下作戦」で事足りるだろう。
蚊学忍法・軍蚊マーチ(SR)
条件をクリアすれば一気に2体の下級の昆虫族モンスターをssできるが、2体出すためにはレベルを揃える必要があり、成功しても魔法カード1枚を使って手札のカードを2枚場に出しているだけなのでディスアドバンテージになる。
手札の昆虫族モンスターをssできるカードは貴重だが、ディスアドバンテージにしかならない点はビートルーパーデッキでは気になる部分。
展開以外の効果も持っているが、そちらは専用構築をしないと活かしにくいXモンスターを補助する効果なので、ビートルーパーデッキではあまり意味が無い。
Into the VRAINS!(UR)
手札のモンスターをssして確実にL召喚を通すことができる魔法カードだが、このカード自体は使うだけではディスアドバンテージにしかならない。
また、ビートルーパーデッキでは相手の妨害を手数で乗り越えていく動きが基本で、「甲虫装機ピコファレーナ」は素材に「共振虫」や「応戦するG」を使っているとチェーンの組み方で妨害を受けにくくする方法があるので、「Into the VRAINS!」でディスアドバンテージを負ってまで確実性を底上げする必要があるかは疑問が残る。
一応手札誘発の採用がことさらに多い環境や、後攻の時であれば助かることもあるカードではある。
複数枚の採用は事故の元なので、基本的には採用しても1枚、多くても2枚といったところか。
ライヤー・ワイヤー(R)
1:1交換が可能な罠カードだが、それだけなので現代遊戯王ではパワー不足。
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