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家族が認知症かなと思った時【応用編3】

・親が一人暮らしの場合・母親の場合・田舎暮らしの場合

私の母親も遠方でひとり暮らしでした。2011年の夏に帰ってみると、母との会話は今までと変わらずにできたのですが、元気がなく、毎週のお習字や門徒としての外出を行きたがらなくなっていました。半年後には、家の中は雑然とし、母は更に変調を来していました。同じ市内に嫁いでいた姉と相談し、姉の来訪回数を増やしてもらい、母に携帯電話を持たせたりしました。しかし母の日々の暮らしを活発にさせることは何もできず、確実に認知症に進んでいきました。姉が関わってもらえたおかげで掃除、洗濯、ゴミ出し、入浴、食事などはなんとか対応できましたが、姉に二人目の孫が誕生し、多くの時間を割けなくなり、デイサービスの回数を増やしました。デイサービスのマネージャーにも協力してもらい、生活の維持はできましたが、予定のない日に自ら歩いてデイサービスに行き始めました。その頻度も毎週のこととなり、マネージャーの負担が増え、道中の交通事故の心配もあり、同法人のグループホームへの入所に踏み切りました。

私も姉も、母との同居は全く現実的ではなかったため、いかに安全に一人暮らしを続けられるか、そしていつかは施設に入ってもらうしかない、そう思っていました。2018年6月に母はグループホームに入居しました。入居後の母はとても穏やかです。そして1年後、私の顔を見ても私だとわからなくなってしまいました。私は寂しいのですが、母は寂しくはない。昨日のことを悩み、明日のことを憂うことのない穏やかな認知症ライフを母が生きていると思うと、寂しいのは私だけ、私の寂しさは私が我慢すればいいのだと割り切るようにしています。

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