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【6】言語の骨格標本「ことばのいわれ」

骨格標本というと学校の理科室にあったガイコツ人体模型なのだが、私は言語の骨格標本を作りたい。ということで、ざっくり言えば、言語の成り立つ骨組を抽出していって、言語のそもそもの始まりを再定義していくチャレンジだ。テーマはズバリ! 「ことばのいわ」である。

きっかけは令和への改元に際し、新元号の候補案六つ「英弘えいこう久化きゅうか広至こうし万和ばんな万保ばんぽう令和れいわ」の作成者に名を連ねた、中西 進 先生の著作である。

日本語に文字が伝わる前の上代日本語の研究では、

人体の目・鼻・歯や植物の芽・花・葉など、さまざまな基本語の語源はつながっている、

との仮説が提示されている。

ようするに、文字が伝わる前の人々は、人体と植物など何らかの構造体の仕組みを理解するのに、自分の身体感覚を利用していたわけだ。ということは、言わば人の体そのものが言葉だったのである。

現在の言語史では、言葉が生み出される前に人々の非言語コミュニケーションがあり、発話などのやりとりから口頭言語が生まれ、口頭言語などのやりとりを書き記して書記言語が生まれたと理解されている。

ところがどっこい。

人の体が言葉ならば、

一定の姿形を維持しながら経年変化を示し、さらに人・物・事を関係づけられる万能文字

であり、

音や動きを発することで思考を表現したり動作へ共鳴して舞い踊り旋律を奏でたり、人・物・事を名づけたり例えられる万能話者

だと理解できる。

すなわち我々のコミュニケーションを、

言語コミュニケーションを基準に、その他のコミュニケーションは非言語コミュニケーション、

と捉えるのではなく、

本当は非言語コミュニケーションが言語コミュニケーションの第一形態と認識し、口頭言語と書記言語の言語コミュニケーションは第二形態と位置づけ、

言語コミュニケーションを限定的なコミュニケーションから全人的なコミュニケーションへと捉え返していく。我々が自分の心と体で存在し、意識的や無意識的、必然的や偶然的を問わずになされるやりとりが、言語の系統樹に散りばめられていく。

さて、どうでしょう?

追伸:言語コミュニケーションの中で非言語コミュニケーションの果たす役割や影響を探る動作学(Kinesics)に対する、幻想的・空想的・理想的なメッセージである。

一方、人体や植物などの構造体を関連づけて把握する世界観は、祖霊信仰や自然崇拝を統べるアニミズム・アニマティズムを読み取るヒントになりそうだ。

壁l・ω・) 壁l)≡サッ!!