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思いついたけど既にやられていた記事を紹介するよ

ここ1年ちょっと、いわゆる「おもしろ記事」ってやつを意識して書いてみている。書くにあたって一番大事になるのが「ひらめき」だ。こんなネタあるかな。歩いては考え寝るときも想像をふくらませる日々。

ネタを考えていて避けられないもの、それが「ネタかぶり」だ。インターネットの海は広いようでせまい。いいの閃いた! 天才か! と思って調べると出てくるわ出てくるわ、すでに書かれている記事の数々が。しかも悔しいことに、そういう記事に限っておもしろいものがそろっている。声を出して笑うモノだったり、あまりの緻密さに「参りました」としかいえないものも。

はっ閃いた。そういう記事を紹介したらおもしろいんじゃないか。ということで今回は、ネタかぶりした記事を順番に紹介してたたえていきます。


1. 「ホラーフォント」で街歩き

フォントはネタの宝庫だ。ポップ体をやたらと使えばダサくなるし、極太明朝体を使って縦長にすればエヴァになる。そんなことを考えながら街を歩いていると気になるものがあった。

「ホラーフォント」だ。ホラーの番組や本に使われる、線が切れそうな不気味な形。『ハリー・ポッター』では死の呪文に使われていたなあ。そんなやばいフォントが街に意外とある。しかも使われてるのは中華料理やバー。なぜか店に多い。これを集めたら楽しそう。

ということで調べてみる。いた。先人の記事が出てきた。しかも複数!

【おそろしい!!】街で見かけるホラーフォント(ハイエナズクラブ)

ふむふむ、やっぱり中華料理屋が多いのか。でも売ってる食品にも多く使われているってのは盲点だった。あと両方が「昔ながらの納豆屋さん」を取り上げているのは笑った。たしかにこの納豆見たことあるわ。


2. 「蓄光テープ」でかっこいい空間を作りたい

小さいときから「蓄光の物」が好きだった。蓄光とは暗くするとしばらく青白く光り続ける塗料のことで、街中やおもちゃなど幅広く使われている。旅行先のお土産では蓄光のキーホルダーを選んだし、「明るいライトン生活」が流行ったときは何種類も買い集めた。懐かしい。

Amazonのページをさまよっていたある日、「蓄光テープ」なるものが目に入った。見た瞬間に騒ぎ出す少年時代の心。

「魔法陣作ろう」
「壁一面に基盤みたいなの書いたらかっこいいだろ!」

たしかに! 大人の今なら好きなだけ買うことだってできるし、大きいものを作ったら楽しそう。ちょっと作例とかないか調べてみるか。

やりたいと思っていた答えがそこにはあった。あっちゃー、すでにやられていたか。でも不思議と悔しさはない。なぜなら、やりたい姿そのものを目にすることができたから。そして何より、その完成形はめっちゃクールだった。
でも、いつか別のアイデアで蓄光テープ使ってみたいな。


3. 市区町村の銅像、裸が多い問題

散歩していて三鷹市役所に行ったときがあった。建物の下を潜り中庭へ。中庭の正面に立っていたのは、裸婦像だった。

そういえば、裸婦像って公共施設にやたらいる気がする。近くの役所はもちろん、いつも行く図書館の入り口にもいたような。よく考えると、公共の場で女性の裸姿ってどうなんだろう。生まれてから見ていたからその違和感すら忘れてた。

これ、調べたら新しい発見があるんじゃないか。さっそくグーグル先生に聞いてみた。

しっかり答えはあった。なるほど。ある芸術家が「これは芸術だ」と設置した結果、だんだん広まっていったと。しかも意外と歴史は深い。これはネタになりそう!

さて、じゃあどういう切り口にしようか。そうだ、いろんな施設を回ってどんな像があるのか見たらどうだろう。となるとまずは下準備だ。とりあえずどの役所にもあるのか、調べてみるか。

と、ページをスクロールする指がとまった。

すでに記事にまとまっていた。しかも23区全部。わざわざ全部回ったのか。その熱意に拍手だ。


4. 銅像はどこを見ている?

銅像ネタいい線だと思ったんだけど。何かないかな他の手。

ある日、板橋の街を散歩していたとき。巨大な渋沢栄一像を見つけた。身長よりも高い場所に腰掛け、はるか遠くを見据えている。どこを見ているんだろう。はっ閃いた! 銅像がどこを見ているか、これはネタになるんじゃないか。

さてさて、恒例の先行研究チェック。

しっかりあった……。読んでみる。うん、書きたいことがしっかり書かれている。特に面白かったのは松尾芭蕉の像だ。なんと、時間によって台座が回って目線の先が変わるらしい。おもしろ。そんなネタ出されたら参りましたとしか言えないよ。

あとこのネタ、デイリーポータルZではすでに2回目だった。さすが老舗サイト、恐るべし。


5. 「発祥の地」をめぐろう

小さいときによく行った近所の公園。ふと気が向いて久しぶりに行くことにした。やたらと立派な門。昔と変わらない変哲もない池。のんびり泳ぐ鴨。誰もいないグラウンド。昔ザリガニとりに行ったなあ。懐かしい。

ふと、見覚えのない石が目に入った。そこにあったのは「科学技術発祥の地」の石碑。明治時代、ここには研究所があったらしい。研究所は昭和に筑波に移転。跡地が公園になったと。門が立派なのは当時の名残だったのか。

閃いた。「発祥の地」って意外と見たことある。近くの「発祥の地」を巡ったら楽しそう。他にないかさっそく調べることにした。
すぐに見つかった。

見つかったのは猛暑日の風と間違わんばかりの「発祥の地」への熱量が溢れるHP。なんと全国全ての発祥の地を集めている! 熱意に思わず汗がたれる。素直に尊敬の念が湧いてくる。

一番面白かったのは、「発祥の地」を真面目に論じているところ。たしかに「これを含めていいのかな」と迷うとき、コレクションしているとあるよね。いやーすごいもんを見させてもらいましたわ。


6. 沖縄以外の石敢當を愛でたい

暗渠歩きをしていたある日。不思議な石碑が目に入った。手で掘られた文字。針金での雑な固定。明らかに記念碑とかお地蔵さんとは違うオーラ。正直、こういう石は今まで見たことがない。文字を見てみる。

「石敢當」

調べると沖縄の風習らしい。ふむふむ。行政じゃなくて個人が置くってのはいいなあ。

このあと歩いていると、東京や埼玉の街で石敢當を目にする機会があった。ちょっとずつそろってきた都会の石敢當たち。これは、記事になるのでは! ということで先駆者がいないか調べよう。

あったわ。しかも題名がやりたいことそのままじゃん。終わり。

いや、あきらめるのはまだ早い。これだけそろえたんだ。同じネタでも違う切り口ならいけるはず。写真を並べる。見ると、一つ一つが個性的だ。よく見ると街の場所によって個性が違う。ここをうまくまとめればいけそうだ。こうして、新しい記事が一つ生まれた。


7. 「第三者視点」ですごしてみたい!

RPGの世界に入ってみたい。なんなら現実世界で自分のアバターを動かしてみたい。とつぜんわいてきた欲求。そうだ、最近はVR技術が発達している。これをうまく使えば自分を第三者視点で見ることができるんじゃないか。

360°カメラとか使えばいいのかな。やりかたを調べてみる。

すでにあった。そこには、やりたいことがすでに実現されていた。ドローンを使えばたしかにできるのか。GIFを見るとワクワク感がすごい。食事して見たりサッカーして見たり。最高。さすがオモコロ。読んでいて大満足しました。


8. 「ご自由にお持ちください」でなにかしたい

街を歩いていると「ご自由にお持ちください」が目に入った。足踏みする健康器具に「あげます」の武骨な四文字。「ご自由にお持ちください」というとていねいなイメージがあるけど、これはなかなか個性的だ。なにかネタになりそうな気がしてきた。とりあえず調べてみよう。

先人がいたか……。中身を読むと、実際に「ご自由にお持ちください」の品を持ち帰るときの心がまえを説いている話だった。めっちゃ実用的。閉店する店の食器、使ってみたいぞ。

おもしろい品があればぜひ持ち帰ってみたい。散歩のときに「ご自由にお持ちください」を探すようになった。意外と見つかった。服屋のハンガーとかが多い。

ある日、改めて遭遇した「ご自由にお持ちください」を並べてみた。こう見ると、人によって全然雰囲気が違うな。子どもがいるところだと人形があるし、年配の方っぽいものだと品々から落ち着きが見える。はっ、この違いをうまく言語化できれば記事になるんじゃないか。こうして次に書きたいネタのリストに「ご自由にお持ちください」が加わったのだった。


ということで

現在、『「ご自由にお持ちください」を観察すると「人生」が見えてくる(仮題)』を執筆中です。9月中には公開できるはず。よろしくお願いします。


追記:記事できあがりました。


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