百合短歌(お試し)
夜明け前 あなたに抱かれて溺れてる ずっとせつないままでいい
やさしいね 寝言で呟くそのなまえ 知らない子の知らないはなし
背中越し 愛しい時間は吐息だけ 愛しい時間は吐息だけ
殺される幸福を知った夏 いたいすきいたいすきあーしんでよい
きみのために祈っていた どうかどうかと祈っていた 泣きたくない
ペンを走らせるきみの指をみて 押し殺した温度がよみがえる
平穏を祈ります どうかあなたの傍に私がいませんように
溶けるようにくちびるをかさねて 解けるように真夏の海にいた
触れてしまった痛みだった もう、きみに触れたくないと思う程に
さよならだけで漕ぎ出した 流されるまま涙の意味を知っていく
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