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淡乃晶
2021年8月29日 15:05
人生は、たったひとつのものに巡り合うこと。たったひとつのものは、何とも比べられない。たったひとつのものと、何度も出会い、何度も別れる。繰り返し刻まれた景色が、最後振り返った時にみえる。
2021年8月27日 01:55
「優しさって、欲しい人から貰えないよね」傷ついて泣いている私の横に座り、彼女は私の顔を覗き込んで微笑む。スローモーションのように柔らかく落ちる髪。月明かりに照らされ、魔法のように光る艶。滲んでぼやけて、景色が屈折する。隣にいるのに。美しくて、遠い。当事者でないかのように振舞う彼女に私は、「きみの話をしているんだよ」と、口にする気にもなれなかった。