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未来は自ら創るものか、それとも蜃気楼なのか(216/365)

Apple Vision Pro の話題で持ち切りですね。

プロトタイプレベルのものをあえて高額で販売する決断をしたAppleの覚悟が感じられます。有識者のプレビューもネットにあがってますが、かなりの熱狂です。

こんなとき、かのアラン・ケイの言葉を思い出します。

The best way to predict the future is to invent it.
未来を予測する最も確実な方法は、それを発明することだ

というものです。

なおさら、「未来は自ら創るものだ」そういう覚悟をVision Proからは強く感じるのです。

ここで事実に基づいた寓話をひとつ。

***

ある郊外の学研都市に、新しい研究所が設立されました。研究所の名前は、

〇〇イノベーション研究所

と言います。そしてキャッチフレーズは、

30年後の未来を科学する

でした。設立を記念して、オープン・ラボなるイベントが開催され、親会社の役員、取引先や投資家、政府関係者が大勢来場しました。

所長の基調講演に続き、30年後の未来を期待させる、様々なデバイス、サービスのデモ展示が行われ、大盛況でした。

さて、研究所設立から1年経ちました。記念式典で所長の発表があり、記者から質問がありました。

「貴研究所のビジョンをお聞かせください」
「はい。30年後の未来を科学する、です」

恐ろしいことに、翌年もその翌年も、まったく同じ質疑が交わされました。

いつしか、学研都市ではこんな噂が聞かれるようになりました。

「どうやら、〇〇イノベーション研究所には時空の特異点があるらしい」
「どういうこと?」
「時間が止まっているらしいのだよ」
「まさか」

もうお分かりですね。この研究所は、決して訪れることのない30年後の未来を永遠に追い求める、呪いにかかっていたのです。決してたどり着くことのない蜃気楼を追い求める砂漠の旅人のように。。。

おしまい

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いかがでしょうか?(笑)

なぜそうなってしまうかは、研究者のメンタリティとも関係があります。その話題はまた別の機会に。

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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