明け渡しの法則 ~真の天職とは何か~(106/365)
久しぶりに友人とシリコンバレーの居酒屋でじっくり話をしました。日本の組織の問題点や、いま取り組んでいること、これからのこと。美味しい料理とともにあっという間に時間が過ぎていきました。カモ肉の燻製美味しかった!
会話の中で、友人がいままさに始まろうとしている仕事のいきさつを話してくれました。もちろん詳細は書けないのですが、私なりに理解したポイントは以下の2つです。
1.自分の能力が活かせる機会は思ったよりたくさんある
2.そしてその機会は縁が運んでくれる
ご縁を増やすには出会いを増やさないといけない。あまり選り好みせずにいろいろ出会って会話し、行動することは大事だよね。という話になりました。これはキャリア理論の、「計画的偶発性」に他なりません。「計画的偶発性」については以下の記事でも書きました。
さらに友人はこんなことも話してくれました。
「これまでは最大限頭を使って物事を効率的に進めようとしたけど、最近はご縁や流れに任せた方がうまくいくのかなという感覚がある。頭を使うのはせいぜい2割くらいでいいのかも知れない。」
この言葉を聴いて震えました。私自身、最近同じような感覚を持っていて、あまりしゃかりきにやるよりも、ゆったりいい気分で流れに乗った方が結果が良いのではないかと思っていたところだったのです。
しかも、同じ日の午前、空港の展望台で飛行機の離発着を眺めながらぼーっとしていた時、天外伺朗さんのFaceBookの書き込みで引用されていたこんな動画を観ていたのでした。
組織論に新風を吹き込んだ「ティール組織」の著者、フレデリック・ラルー氏の講演です。20分ほどですのでぜひご覧ください。天外さんはこの講演の底流にある考え方を、
「明け渡しの法則」
と呼んでいます。よく知られている、「引き寄せの法則」と対比した表現だと思います。では、「明け渡しの法則」とはいったいどんな法則なのでしょうか?講演中、ラルー氏はあるアメリカの作家の一文を引用します。
「私は長いあいだ、『こういう人生を生きる必要がある』と自分が思っていた通りに生きてきた。ある時、そうではないことを発見した。『私を通して生きたいと思っている人生』に対して、素直に耳を傾ければいいのだ」
ラルー氏は「ティール組織」で一番主張したかったことは、フラットな組織のことではなく、組織や個人の存在目的についての深い洞察だったと言っています。次のように語っています。
「存在目的は『自分が見つけるもの』ではなく、『目的にあなたを発見させるもの』である」
友人との居酒屋の会話に戻りますが、
「物事の大半は縁で決まる」
「頭を使うのはせいぜい2割でよい」
という実体験からの気付きは、まさに、「明け渡しの法則」なんだなと思えました。自分自身が感じていたことの解像度が一段上がった思いがしました。
「引き寄せの法則」も素晴らしい考え方に違いありませんが、自分が人生の主導権を持つ点により焦点を当てていると言えます。「明け渡しの法則」は一見、主導権を放棄している受け身の考え方のようにも思えますが、実は人智の執着を外すことで、むしろより大きくて素敵な人生を引き寄せる法則なのではないでしょうか?
実際、みなさんも、
「何かをあきらめたら、より大きななにかが舞い込んできた」
という経験はあるのではないでしょうか?
身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ
ということわざもありますね。
「人生」という大海に身をゆだねてみるのもいいかもしれません。日向に腰かけて、カモミールティーでも飲みながら(笑)
そうしたら素敵な島に流れ着くのかも。それを真の天職と言うのではないでしょうか。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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