PoCの意味知ってる? (97/365)
PoC(ピーオーシー)って言葉聞いたことありますか?
PoC=Proof Of Concept
の略なんですが。私がこの言葉に初めて接したのは2010年頃です。以前勤めていたメーカと、外資のメーカのジョイントプロジェクトの中で、外資側のマーケティングの人が使っていたのを聴いたのが初めてでした。
意味は直訳の通りなのですが。
PoC=コンセプトの証明
となります。しかし、本当にわかっているのか疑わしいケースが多く見られます。
コンセプトは、仮説と言い換えた方がよいかもしれません。仮説はあくまで仮説ですから、仮説が正しいかどうかを何らかの実験によって検証するということになります。
仮説は、技術的なものでも、ビジネス的なものでも構いません。そして実験は、実際にプロトタイプを組んだり、プログラムを組んだり、はたまた小規模な社会実験でもかまいません。
机上での分析や検討は、PoCとは呼ばないと思います。何らか手を動かす実験が必須だと思います。
しかし、いらいらするくらい勘違いしている人が多い。または、意図的に勘違いを利用している人が多い。だからこういう横文字のビッグワードは危険なのです。ときには、
「おまいら、意味も分からずポクポク(PoCPoC)言ってんじゃねえよ!」
と叫びたくもなります。
ある会社で、新事業の社内公募がありました。優秀3件には、PoCの機会と予算が与えられることになっていました。
「社長、こちらが優秀3件の資料です」
「うむ」
「PoC予算の承認をお願いします」
「PoCが必ず成功するものに投資する。精査せよ。」
「・・・」
これ元ネタはほんとにあった話です。Pocの意味を完全に取り違えてますね。やってみないとわからないから、PoCなんです。
一方、それを逆手に取ったケースもあります。開発部長とエンジニアの会話です。
「例の件PoC予算とれたから、開発計画を立てろ」
「本開発ではないのですか?」
「あくまでPoC予算だ」
「でも、作れば動くことは分かってますよね?証明の必要もな」
(さえぎって)
「二度と口にするな。予算は予算だ。俺の苦労を考えろ。」
「・・・」
技術のPoCによくあるのですが、まともなエンジニアが見れば、「やれば必ずできる」と分かっている案件でもPoCという言葉が使われます。
誤解の無いように補足しますが、できることが分かっていても、実際に試作する意味は大いにあることは理解しています。想定さてなかった不具合などが見つかるからです。でも、それは試作であって、PoCではありません。
横文字のビッグワードは本当に危険です。なぜなら、意味の解釈に幅がありすぎて本当は話が噛み合っていないのに気づかれないケースが多いからです。きちんと定義して使うか、むしろ日本語を使った方がよいでしょう。
PoCの周辺にも、フィジビリティスタディーだの、リスクアセスメントだの、プロトタイピングだの横文字が氾濫していますね。しっかり定義して使うのが難しければ、実行可能性検討、課題抽出、試作、とか日本語の方がまだ誤解は生まれにくいと思います。
「春はあけぼの、横文字のビッグワードは避けるがよかし」
と古の方が言ったとか言わないとか(笑)
PoCは氷山の一角です。他にも捨てるほどありますよ。この話題はまた取り上げたいと思います。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?