見出し画像

ヨガと糖尿病~心と体と血糖値~ Vol 01.糖尿病とヨガ①それは心にアプローチするから。

なぜヨガが糖尿病に良いのか?

私自身13年(2023年現在)という長い期間ヨガを練習してきました。長く続けているということは、それが単純に好きだからであり心地が良いからだと思います。それではなぜ好きなのか心地が良いと感じられるのかというとその答えは複雑で一つではありません。そして自分自身完全に理解できているわけでもありません。

大きく三つの理由があると思っています。


一つ目、それは心にアプローチするから。

二つ目、それは体にアプローチするから。

三つ目、それは血糖値にアプローチするから。


そしてこの三つの中で最も大切なのは心へのアプローチです。心が喜んでいなければ一つの習慣を長く続けることはできないと思います。ヨガがなぜ心にアプローチできるのか、そしてその他にもよい影響があると私が考える理由をお話したいと思います。

①それは心にアプローチするから。

ヨガの経典であるヨーガ・スートラにはこのように書かれています。

心の作用を止滅することがヨーガである。

ヨガの考え方では真の自分、真我というものがあり、心というものは「真我」と動き回る「作用」によって構成されています。生きている私たちは様々な物事出来事によっていろいろな感覚を通じて心を動かしています。何かをしたいという欲望を引き起こしたり悲しみを感じたり喜びを感じたり心の動きはとても忙しいです。例えると本来は空には何もないけれど、雨雲が現れたり雪雲が現れたり雷が現れたり・・またその雲がいなくなって晴れ渡ったり・・といった状態に似ています。本来の自分というのはまっさらな空のことを指します。ヨガではこういった忙しい心の動きを止めることで本来の自分に戻ることを目指しています。心の波立ちを制御するということです。わたしたちは糖尿病という病気と24時間向き合って日々を生きています。糖尿病があると、心を動かされる機会・・心配になったり焦ったり自己嫌悪に陥ったりすることが多いと思います。そういったネガティブな感情からいっとき自由になることができるために、「心の働きを止める」ヨガの練習をすることが役に立つと考えています。人間は誰でも人生山あり谷あり、いろいろなことがあって苦労が絶えませんが、慢性の疾患である糖尿病があることで、ただでさえ大変な人生にさらなる負荷がかかることでもあります。だからこそ心の動きをコントロールするためのアプローチであるヨガを私はお勧めをします。

わたしの好きな言葉を紹介します。
99% Practice 1% Theory
99%は実践 1%は理論

アシュタンガ・ヴィンヤサヨガを創始したShri.K パタビ・ジョイス師の言葉ですが、ヨガの練習はもちろん、日常生活、人生全般に対して掲げたい言葉だと思っています。練習に没頭しいつの間にか時間が経過していた。気づいたら悩んでいたことが霧散していた、ということをヨガの練習の中で何度も経験しています。心の中でいろいろと思い悩むよりも体を通してまず集中してみることをおすすめします。

さて、この99%は実践、1%は理論という言葉。二つの見方ができると私は思っています。まずは正面から見てみましょう。 99%が実践であるということですから、とにかく練習が一番大事であり、理論の勉強をばかりしているのではなく練習をしましょう、行為を行ないましょうということを推奨しているという意味だと思います。
「言うは易し行うは難し」「Easy to say, hard to do」ということわざもあります。また「有言実行」という言葉もあります。物事を実行すること、実際に行うことというのは、頭の中で想像することや、言葉で「やります」と言うことよりも、何十倍も何百倍も難しいことだと思っています。「先生もっと血糖値のコントロールを頑張ります」ということは簡単ですけど、毎分毎秒それを行っていくことはすごく難しいことではないでしょうか?また、お仕事や私生活でこれをやりたいという目標を掲げても、それを実際に実行することは容易ではありません。そのことを、「99%は実践」は言っているのだと思います。
次は裏面から見てみましょう。 「1%は理論」ですから理論は0%ではダメということも言えると思います。本を読んで学ぶ・人の話を聞いて学ぶ・最近であればSNSや動画などから学ぶ、知る。そのことと行動することが合わさって初めて行動に意味を持たせられるかと思っています。 1%という少ないパーセンテージではありますが、理論を勉強するということも必要だということを言っていると思います。
「99%は実践 1%は理論」はヨガ哲学の中での言葉ではありますけれども、それ以外の人生全般に当てはめていきたい。座右の銘の一つです。

(コラム1)

「サートゥイ・レットゥイ・」
私が長い間暮らしている東南アジアのミャンマー。ミャンマーにも。色々面白いことわざや慣用句があります。ミャンマーの人たちがよくいう言葉で「サートゥイ・レットゥイ」という言葉を紹介します。「サー」は文字や手紙や本のことを表しています。トゥイは見つけるとか出会うという意味があります。レッは手を表しています。サートゥイは書籍や文字で机上で勉強するという意味です。レットゥイというのは、実際に手を動かして行う実務という意味です。何かを勉強する時に、「私はサートゥイだけでレットゥイはまだなんだ」というような表現をします。 99%は実践、1%は理論という言葉に似ているなと思っていました。机上の座学の勉強だけでは不十分でレ実務経験を積むということを大切にしている。そういう意味ですね。