本当にやせるんだ日記(1)

9/21(火)
±0kg
朝ごはん:豆乳バナナスムージー
昼ごはん:社食(お米半分)
晩ごはん:鶏肉とブロッコリーのサラダ、おにぎり(万願寺とうがらし)、ドライゼロ

もはやこれまでか。5月ごろから7月なかばまでで5kgほど体重を落としたわけだけれども、また2kgぐらい増えてしまった。完全なリバウンドだ。原因は明白で、暴飲暴食である。課金した「あすけん」には負い目からかなにも登録しない日々が続いている。酒ばかり飲んで気絶するように寝る毎日。本も読めなければ短歌もつくれない。もちろん文章も書けない。スマホのゲームをだらだらやったり、テレビをだらだら見たり、(まあそれはそれで楽しいんだけど)このままではやばい。今朝おもむろに体重計を乗ってそのことを直感した。今日からとりあえず一ヶ月、節制した生活をやっていこうではないか。痩せ方はいたってシンプル。①食べる量を減らす、②歩く量を増やす、③お酒を減らすの3つだ。これで7月ごろはいけてたんだからいけないはずがない。低糖質・高タンパクの王道ルートを進む。目標はとりあえず-2.5kg。
これをやる上でいちばん心配しているのが、職場の仕事がまさに忙しく、ストレスが確実に増えるということ。どのようにストレスを解消するのか。ちなみに最近は健康のために1時間弱歩いて帰ったりしていたのだけれど、歩いているうちに仕事のストレスに苛まれ、ふらっとコンビニへ立ち寄ってお酒を買い、飲みながら歩いてしまう……という健康と不健康の掛け算のようなことを平気でやっていたのだが、もちろんそれもやめる。どうやってストレスを解消するのかが永遠の課題だ。
試しに1ヶ月。それすら続かなくてもまず1週間。落とせるところまで落とそう。無理はせずに。

9/22(水)
前日比 ±0kg
初日比 ±0kg
朝ごはん 豆乳バナナスムージー
昼ごはん 社食(お米半分)
晩ごはん 鶏肉とブロッコリーのサラダ、おにぎり(ちりめん高菜)、ドライゼロ

朝体重計に乗ったらまったく変わってなかった。まあ運動をしたわけではないから不思議ではない。ルーティンとしては、朝の朝食前にシャワーを浴びてそのまま体重計に乗ることにする。
上司に有給を勧められて、明日から連休となった。エクセル仕事をごりっと終わらせて、歯車の基礎についてネットで読み漁っていた。噛み合う二つの歯車の間には、噛み合い点で三つの力が加わる。歯車の円周の接線方向に加わる接線力と、歯車の半径方向に加わるラジアル力と、歯車の幅方向に加わるスラスト力。歯車の回転方向や歯のねじれ方向で向きが逆になったりするのだけれど、接線力については噛み合って歯が当たってる部分についての作用反作用の力っぽいということはなんとなく理解できた。たぶんこういう基礎の部分がかなり大事な分野な気がする。
こういう工業力学的な話はふつう学校とかで勉強してから職につくものだはおもうけど、やってないものは仕方ないので今から勉強する。
操作系や意匠など、人が見たり触ったりする部分は、設計の良さがダイレクトに顧客に取って喜ばしいものになる一方で、ギアトレインは見えないから「動いて当たり前」になる、という話を聞いてなるほどとおもった。つらいところだ。

帰宅して『批評の教室』を読みながら眠りに落ちた。

よく、「作品に間違った解釈はない」という人がいます。これは間違いです。作品に正しい解釈はありませんが、間違った解釈というものはあります。
北村紗衣『批評の教室』(ちくま文庫) p27〜28

正しい解釈はないが、間違った解釈はある。気をつけないと混同しそうになるが、自分が普段「これが正しい(と思われる)解釈だ」と信じながら行っているものも、たかだか「間違っていない解釈」にしかなり得ないということだ。自分の解釈を押し通すときとか、人の解釈を否定するときには、上記の言葉をいちど思い返してから言葉を選ぶようにしたい。

9/23(木)
前日比 -1.0kg
初日比 -1.0kg
昼ごはん チキン&スパイシーチリ、豆乳
晩ごはん 酒

何もやる気が起きなくていらいらもやもやしたままずっとソファに寝転んでいた。ほんとうに何もできなかった。強いて言えばYouTubeでてきとうな動画を見たりスマホのパズルゲームをしたりしたぐらい。あと少しだけ短歌連作をさわった。
仕事が休みで歩く機会がないから、日が暮れてから散歩した。けっこう長い時間。家の近くまで帰ってきてから、近所の池まで行ってその周りを一周したい気持ちが湧いて、ここまでならいいんだけどコンビニに寄ってお酒を買って飲みながら歩いてしまった。意味がないじゃないか。
たちの悪いのは、ダイエット中にお酒を飲み始めると、「一杯も二杯も同じ理論」が自分の中で声高に主張され、それに押し負けてたくさん飲んでしまう。どうせ明日からも酒を我慢するのだから今日ぐらい……というどうしようもない気持ちを抑えることができず、さらにお酒を飲み進めてしまった。
最後は、Clubhouseで先輩と妻の会話を聴きながらソファで寝落ちした。何という自堕落……。

9/24(金)
前日比 -0.1kg
初日比 -1.1kg
昼ごはん おにぎり2個(万願寺とうがらし、紅鮭)、ポカリスエット
晩ごはん 豚しゃぶサラダ、おにぎり(かやくごはん)、ビアリー

激しい二日酔い。なかなかつらい。ポカリを飲んで二度寝して14時ごろに回復した。
ビアリーをはじめて飲んだ。ノンアルコールビールよりは当然おいしい。お酒を断つのが一番よいとはいえなかなか気持ちがついていかないから適度に活用していく。低アルコールのハイボールも発売されるのだとか。そちらは3%なので0.5%に比べたら酒感はつよそうだけど。
木金の2日間をかなり無為に過ごしてしまった。時間があるときに本を読む気力がわかないのはつらい。なんやかんや、電車で移動しているときがいちばん本を読める気がする。本を読むためのひとり旅がしたいけれど、旅行ってまだ世間的にはむずかしいのだろうか。悩ましい。
買った本やいただいた本が山ほど積み上がっていく。明日は本を読む一日にする。

9/25(土)
前日比 +0.1kg
初日比 -1.0kg
朝ごはん どら焼きマリトッツォ
昼ごはん スープパスタ、グリーンスムージー
晩ごはん 鶏胸肉のサラダ、ウォーターサワー(オレンジ)、焼き芋シュー

午前中はラジオやテレビの録画を見て、昼ご飯を食べたらねむくなって夕方まで寝てしまった。なにかの夢を見ていたはずなんだけどあまり覚えていない。散歩をしようと思ってたんだけど、昼ごはんを買いに行ったときに外で食べられるものを買わなかったからせっかく外に出たのにすぐに帰ってきてしまったのが敗因な気がする。帰って本を読もうとおもって横になっていたら結局ねむってしまった。なんて自堕落な……。
ダイエットといっても、目標の数値があって、それを達成するまで日記を更新し続けるという趣旨なので、あまりがんばりすぎずにがんばろうと自分に言い聞かせている。来週からは通勤でたくさん運動するぞ。
妻がつかれてねむってしまった。日記を書いていたら、「今日の日記に妻は出てくる?」と無邪気に聞かれた。こないだの日記はたくさん出てきたからうれしかったらしい。
魚村晋太郎さんがスペースで門脇篤史さんの歌を読む会をやっている。スペースで誰かの話を聞くのは好きだ。
連作をつくり進めながらスペースを聞いていたらとつぜん指名されてしまったのですこし発言した。ちょっと、ちゃんと読み込めていない上での印象で話をしてしまったので申し訳なかった……。スペース後で恐縮だが三首ほど取り上げる。

駆け足になつてしまつた説明の足跡あさくみづの溜まりぬ
LAWSONの草餅ひとつ食み終へて指につきたる白きをぬぐふ
ひときれの鰤のくぐれるせうゆゆゑ暗き水面は輝きを帯ぶ
/門脇篤史「遼遠」(「現代短歌」2021.11)

一首目、「駆け足」から「足跡」が象徴的に導かれて、その「足跡」に水が溜まっているという実景のような想像の歌だと読んだ。職場でのプレゼンかなにかを時間におさめるために駆け足で終えたあとに、ちょっと水の溜まってぬかるんでいる足跡のイメージがあらわれてくる。「足跡」「あさく」あたりの音の回し方に喜びがある。
二首目、ローソンをLAWSONと書く書き方が文体にかっこよくおさまっている。「草餅」は連作ののちにももう一度、「けふとあしたのあはひに買ひつ」という描かれ方で出てくる。大仰に言えば、今日と明日をつなぐ、すなわち生活を前に進めていくための行為として草餅を買っているともいえるかもしれない。そう思うと「草餅」というアイテムは絶妙だ。まず英語表記の「LAWSON」と「草餅」の取り合わせ。青くて四角くてそれなりに大きいものと緑で丸くてそれなりに小さいものの対比。こういう視覚的なイメージの落差は「コンビニの草餅ひとつ…」と書いたなら出ないだろう。また、たとえば口語で、LAWSONをカタカナにして「ローソンの草餅ひとつ食べ終えて……」としてもその落差は出ない。文体やアイテムでのニュアンスの出し方が上手い一首だ。(「白きをぬぐふ」もうまくてニクい。)
三首目、門脇さんは食事の歌がうまい。これはやはり、よく観察しているから(+文体の練度)に他ならないと思う。刺身をくぐらせた醤油にその油が浮いている光景はおそらくだれもが見たことがある、「あるある」状態なのだけど、それでいてさらっと短歌にするのは難しい。スペースで少し話したのだけれど、門脇さんは近代短歌の文体を基調にしているけれど、たまに文体に陶酔感が出てくるときがあり、たとえばこの歌の「せうゆゆゑ」あたりは完全に陶酔しきっているように思う。この歌の場合は、鰤の刺身による醤油の輝きに主体がテンションが上がっている感じがあるので、この陶酔感も含めた上で一首全体の多幸感ができあがっているのだろう。
スペースではちょっとネガティブな発言をしてしまったんですが例歌を出さずにしゃべった(=既存の門脇さんの歌に対する自分が持つイメージに寄りかかった)即興の言葉なので聞いてたひとはあまり間に受けすぎないようにしてくださると幸いです。

今からコンビニへ買い物へ行く。草餅が食べたくなったから売ってたら買いたいけど、季節的にもうないだろうか。
明日は文学フリマ大阪へ行く。妻が出店側なので僕はひとりでふらふら回ることになる。見かけたら声でもかけてくれるととてもうれしい。

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