百日百首(71〜77)

71日目:5月4日(火)
 「五月の百首会」をZoomで執り行った。百首会というのは、一日でひとり百首の短歌を作ることを複数人で行い、最後に歌会をするというイベントだ。今回はなかなかつらかった。
 一日に百首も無理矢理つくると、歌の発想の種のようなものを使い切ってしまい、無の状態から短歌をつくるという状況になる。そうなったときに何を手繰り寄せるのか。普段あまり使わない筋肉をトレーニングするようなイメージ。あるいは頭がぼうっとした状況で無意識的に言葉が降りてくるようなこともある。百首会のレギュレーションは百首をつくることだ。今回はだれも脱落せずに、結果として14人の1400首があつまった。お題を募ってそれを処理しながら進める人もいれば、離席して集中して作る人もいる。やっている間は二度とやるものかと思いながらも、やり終わったらまたそのうちやってもいいかな、と思わされる。不思議なイベントだ。

きみがきみの素足を川にひたすこと金属のように光って消える

72日目:5月5日(水)
 連休が終わる。連休中にいろいろ歌集を読み進めようとおもっていたのに結局ぜんぜんままならなかった。昨夜の疲れが溜まっていたこともあり、特にどこにでかけるでもなくだらだらと過ごした。アニメ「SSSS.DYNAZENON」を4話まで見た。とても昔にやっていた特撮ドラマ「電光超人グリッドマン」を原作としたアニメだ。2018年の「SSSS.GRIDMAN」が非常に面白かったこともあり見始めた。続編ではないけれど世界観が一部共通しているということで色々な「これってあれやん!」に気づくのが楽しい。
 最近、アニメもそうだけれど映画、ドラマ、ラジオやPodcastなど様々なコンテンツに積極的に触れるようにしている。2021年を自分の人生のひとつのターニングポイントとできるかもしれない。おもしろいものをもっと知りたいという欲望には底がないが、その欲望に自分自身が食われないようにしたい。

スーパーマーケット 素肌とシャツの触れ合っていない空間は私ではない

73日目:5月6日(木)
 工藤玲音さんから結婚祝いにとベアレンビールのセットが届く。とてもうれしい。飲んだことがなかったのだけれど、ドイツビールを中心につくるブルワリーらしい。色々飲み比べるのが楽しみ。早速2本ほど飲んだけどおいしかった。
 瀬戸夏子『はつなつみずうみ分光器』と、平岡直子『みじかい髪も長い髪も炎』を手に入れる。連休で配達が止まってたからいっきに来たのか。未読の本がまた溜まっていく。
 今日から連休明けで仕事。仕事をしているときは仕事のことを考えればいいので、負荷の少ない状況での仕事はけっこう好きだ。日程通りに山場が来るとは限らないのがつらいところだけど。

いつか忘れるいつか苦しい自由帳に書きつけた星のカービィのことも

74日目:5月7日(金)
 在宅勤務。「クイーンズ・ギャンビット」の続きを一話見て、映画版の「セトウツミ」を見た。菅田将暉の大阪弁がネイティブすぎて怖くなる。菅田将暉は箕面市出身なので僕の地元とも近く、大阪弁でも癖の少ない北摂のイントネーションだから聴いていて親近感を覚えた。セトウツミ自体は堺市を舞台としているので少しイントネーションが違うんだけれど。映画中でも、「そして、それで」の意味で「ほいで」を使っていたけど僕自身は使ったことがない。(「ほんで」なら使わないこともない。「ほいで」の方がコテコテっぽい印象を受ける。)

てじなーにゃのことを2年に一度ぐらい思い出して何歳か調べる

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