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海に囲まれてるまち、真鶴

神奈川県の真鶴へ行った。

のもとしゅうへいさんの個展があると知り、東京方面の友人を誘って行ってきた。

真鶴は数年前に一瞬だけ寄ったことがある。おだやかな海の町というイメージだった。
その時も夏くらいの季節にきたなぁと思いながら在来線に乗り、真鶴へ向かった。

12時ごろ友人と真鶴駅で集合して、定食を食べに真鶴港へ向かった。
真鶴駅の前の道路を渡るためには地下道を通らなければいけない。地下道ならではの暗さがなぜか嬉しかった。
頭上に電車が通ってるトンネルは苦手だが、しずかなトンネルは異世界みたいで好きだ。

前日の大雨が嘘のようなからっと晴れた日だった。

港まで歩いて15分ほどの距離をコーヒー味のパピコを半分こして歩いた。
歩いていると、高低差があらことに気づき、かっこいい地形だなと思った。
余談だが、わたしの父の実家は四国の小さな島で、至る所で海が見えるし、海の香りがする。真鶴も港に近づくにつれ、時々海が見えて嬉しくなった。

海や虹をみて嬉しくなるたびに、自分の心はまだ死んでいないなと感じることがある。その日もそれだった。嬉しかった。

あじのまご茶漬けという文字面をところどころでみかけた。あじのまごってなんなんだろう。孫…???
あじっぽい魚が干してあるのをみつけた。たくさん並ぶと迫力がすごい。首元の赤色をみて命だなぁとなった。それをみておいしそうと1ミリでも思った自分はどこまでも人間だった。
わたしにできることは命をいただくことに対する感謝だけだなと時々思う。

お寿司屋さんの前で大将っぽい人が手を腰に当てて立っていた。食べていくかー?とか聞かれるのかなと少し身構えて近づいたら、「こんにちはー!海はいるかー?」と聞かれた。「もう海開きしているんですか?」と友人が聞いたが、答えはNoだった。それでも最後まで「水着持ってくかー?」と聞いてきてくれた大将、いい人だった。いつか大将のお寿司屋さんにも寄りたい。

こういうことがあるから、人間のことも旅行のことも本当に大好きだなぁと思う。

定食屋さんでは、キハダマグロの丼と帆立のバター焼きを頼んだ。

丼についてきたアオサのお味噌汁、付け合わせのイカの塩辛?と昆布の佃煮まで全てが美味しかった。
まわりの人たちは昼からお酒を飲んでいた。お魚を食べながらお酒を飲むことがあまりないので楽しそうだなと思ったが、なんとなく飲む気にならなかったので飲まなかった。

定食屋さんのマークがお魚モチーフだったのだが、たまたまわたしも友人も魚のTシャツを着ていたので、わたしたちの卓が魚だらけになった。それがすごくおもしろかった。

ご飯を食べながら岬まで歩いて行ってみようという話になった。ちょうどいいバスがなかった。

海沿いをてくてく歩いた。
陸にでかい船がどーんと置いてあったり、わたしたちが近づいたら近づいてきて、ばいばいと言ったら離れて日陰にはいっていくおりこうなわんこがいたり、海水浴をしている人たちがいたりした。
海は怖いなと思ってしまう時もあるけれど、この日は綺麗だなの一言だった。おだやかな海だった。

がんばって徒歩で山を越えた。
木漏れ日が綺麗だった。でも、体力的にしんどかった。山道なのに自転車を漕いでいる人がいて尊敬した。努力の塊だ。本人はただただ楽しいのかもしれないが、わたしからすると努力に見えてしまう。

岬に着いた。

わー綺麗!の次にフナムシがいっぱいいる!という感想が出てきた。本当にいっぱいいた。少し苦手なビジュアルだった。友人が「フナムシは自ら近づいてこないいい子だよ〜」と教えてくれたので堂々と歩いた。確かに歩くとみんな逃げていった。少しだけフナムシに怖がらせて申し訳ないと思った。
あと、カニもいっぱいいた。

海をあとにして、のもとしゅうへいさんの個展を見に真鶴出版へ向かった。賑わっていた。個展会場も混んでいるようだったので少し待って会場へ行った。

のもとさんの絵や漫画や文章や言葉はおだやかであたたかいなといつも思う。在廊されていたので、実際にのもとさんともお話しさせていただいた。お話しして、のもとさん自身があたたかい方なんだろうなと感じた。あと、絵や漫画、文章、言葉を書くだけでなく、本やポストカードもつくられていてすごくかっこいい。わたしも頑張りたいなと思いながら個展会場をあとにした。(個展会場は撮影OKだったので、少しだけ好きな絵を撮らせてもらった。)

友人と、帰りの電車が来るまでコーヒーフロートを飲みながらおしゃべりをした。
写真のこと、最近の生活のこと、のもとさんの個展のこと、今日よかったこと。たくさん話せて嬉しかった。
友人のカメラを触らせてもらった。大切に使っていることがわかるカメラでかっこいいなと思った。

真鶴駅のホームでまたねと手を振り合ってさようならをした。友人にも、のもとしゅうへいさんにもまた会えたら嬉しい。海に囲まれてる真鶴、いいまちだった。絶対にまた来たい。

photo by 友人

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