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【Queen和訳】1/3「ファニー・ハウ・ラブ・イズ」~マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーンの続き歌~【愛ってふしぎさ】

米米CLUB(こめこめくらぶ)ではありません。

この曲には、若き天才、フレディ・マーキュリーの作詞の手腕がまざまざと表れています。

短い単純な単語の組み合わせだけで、深い意味を醸し出していて、うならされます。


概要

これまで「マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン」という傑作を和訳しました。

今回は、この曲とセットになっている続きの歌「ファニー・ハウ・ラブ・イズ(Funny How Love Is)」を紹介します。

長くなってしまったので3本立てです。

文法中心に、愛について解釈しています。


(概要)
曲名:「Funny How Love Is」
収録アルバム:「Queen Ⅱ」
1974年11月リリース
曲の時間:2.50(オリジナルの表記は3.14で、これは前曲の転調部分からである)
位置:B面(サイドブラック)の5曲目/全6曲
前の「マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン」に続いている
シングルカット:なし
ライブ演奏:なし


この曲は「」について歌われています。


「マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン」の中間部(3:00~4:00)に、一部、黒の女王の物語から離れ、天上の世界で愛について歌われますが、この世界のことを言っているのかもしれません。


サウンドも対比的で、「ブラック・クイーン」がダーク・ファンタジー交響曲であるのに対し、こちらは普遍的な愛についてのポップ・ソングのようです。


また、この曲はフレディの声が女性のようです。


初めてこの曲を聴いたときは、次のアルバムの「シアー・ハート・アタック」の「神々の業(最初の方)」のように声を加工しているのかと思いました。

「神々の業」は低い声に加工していましたが、これは高くしたんだと。

しかし、最近1周して聞いてみたら、これは彼の本当の声だろうと思いました。


ラリー・ルレックス名義の1973年6月ごろの「アイ・キャン・ヒア・ミュージック(ザ・ロネッツのカバー)」や「ゴーイング・バック(キャロル・キングの歌)」などが同じ声だからです。

天使の声です。

サウンドも同じく、「カーペンターズ」のような「ウォール・オブ・サウンド」と呼ばれる手法を使っているようです。プロデューサーも同じロビン・ジェフリー・ケーブルさん。

ピンポン録音によってふんわりする音に包まれます。かれの声までカレン・カーペンターさんみたいです。


このように、交響曲のような「ブラック・クイーン」から、ロックを経由して、この曲のポップ路線に移り、声も軽くなります。

闇から光へ。物語から現実へ。複雑・重厚(クラシック)から単純・軽快(ポップ)へ。


この曲の構成も、11パートあるといわれる前曲に対し、繰り返しであるといえます。

同じメロディを繰り返しつつ、キーが徐々に高くなっていき、また最初に戻り、を繰り返します。

詩を変えて同じ形式を2回繰り返し、最後は、1回目と詩までほぼ同じで(一部変えて)、フェードアウトしていきます。


また、最後にこの曲の時間配分について述べます。


前曲の「ブラック・クイーン」は、CDバージョンになったせいか、6:33とか6:34とか言われますが、

私の持っている1994年の輸入盤CDのジャケットには、6.03となっています。

おそらくレコードの時のデザインを持ってきたのだと思います(レコードはアナログなので区切りがない)。

そして、この「ファニー・ハウ・ラブ・イズ」は3.14です。

CDの時間は2:50とか2:51です。(どちらも合計は9:17~9:23。)


つまり、「ブラック・クイーン」の途中から、この曲になっている、という彼のなかでの認識を表します。トラックは別でも。


具体的には、

最後の方に演奏が遅くなって、終盤に向かうところです。

チャチャン、チャチャン、チャチャン、チャチャン・・・

とピアノが急に入り、転調するところです。

「全てのシンガロングと子守歌を忘れなさい」と始まり、女王の話は終わり、蛍の街(夜の街のことと思われる)やバンドなど、現実に入っていくようなところです。


ここからもわかるように、2つの歌はセットなのです。


もしこれが本当なら、前曲で3.00ぴったしから始まるこの白の世界の詩は、6.03のほぼ中央部と言える。(3秒は前後の調整の余白かもしれない。)


そして、彼のミッションでもある「愛」について歌っているのです。


では、この時間配分が本当だとすると、この曲のイントロともいえる前曲の転調部分はどういう内容だったか。

こちらを見て下さい。

一言で言うと、頭で考えてないで、「快楽に身をゆだねなさい」だと思いました。特にクイーンというバンドに体を預けろと。たとえ悪魔と地獄に行っているといわれても。


では、和訳をします。


和訳

My Fairy Kingdomというサイトの記事「Funny How Love Is」の和訳が素敵なので載せます(ごく一部、手を加えています)。

"Funny how love is"
Written by Freddie Mercury

Funny how love is everywhere just look and see
(愛はなんて不思議、見渡せばどこにでもある)
Funny how love is anywhere you're bound to be
(愛はなんて不思議、あなたがどこに行こうとも必ずそこに)
Funny how love is every song in every key
(愛はなんて不思議、どの歌をどのキーで歌っても必ずそこに)
Funny how love is coming home in time for tea
(愛はなんて不思議、お茶の時間に家に帰ると必ずそこに)
Funny funny funny (oh)
(本当に不思議)
Funny how love is the end of the lies when the truth begins
(愛はなんて不思議、嘘が終わり真実が訪れると必ずそこに)
Tomorrow comes, tomorrow brings
(明日になれば、明日とともにやってくる)
Tomorrow brings love in the shape of things
(明日とともに、いろんなものに形を変えて愛はやってくる)
That's what love is, that's what love is
(愛とはそういうもの)

Funny how love can break your heart so suddenly
(愛はなんて不思議、突然あなたのハートを粉々にする)
Funny how love came tumbling down with Adam and Eve
(愛はなんて不思議、アダムとイブから生まれおちたもの)
Funny how love is running wild feeling free
(愛はなんて不思議、勝手気ままに好きなことをしていても必ずそこに)
Funny how love is coming home in time for tea
(愛はなんて不思議、お茶の時間に家に帰ると必ずそこに)
Funny funny funny (oh)
(本当に不思議)
From the earth below to the heavens above
(この地上から遥かなる天国まで)
That's how far and funny is love
(そんなにとてつもなく愛とは不思議なもの)
At any time anywhere
(いつでもどこにでも)
If you gotta make love do it everywhere
(愛を確かめたいのなら、どこでも愛し合えばいいのさ)
That's what love is, that's what love is
(愛とはそういうもの)

Funny how love is everywhere just look and see
(愛はなんて不思議、見渡せばどこにでもある)
Funny how love is anywhere you're bound to be
(愛はなんて不思議、あなたがどこに行こうとも必ずそこに)
Funny how love is every song in every key
(愛はなんて不思議、どの歌をどのキーで歌っても必ずそこに)
Funny how love is when you gotta hurry cos you're late for tea
(愛はなんて不思議、お茶に遅れそうで急いでいる時でも必ずそこに)
Funny funny funny (oh)
(本当に不思議)
Tomorrow comes, tomorrow brings
(明日になれば、明日とともにやってくる)
Tomorrow brings love in the shape of things
(明日とともに、いろんなものに形を変えて愛はやってくる)
At any time anywhere
(いつでもどこでも)
If you gotta make love do it everywhere
(愛を確かめたいのなら、どこでも愛し合えばいいのさ)
That's what love is, that's what love is
(愛とはそういうもの)

和訳引用サイト:My Fairy Kingdom「Funny How Love Is」

以下は歌詞カードに忠実に書き写したものです。

私の和訳も載せます。

"Funny how love is"
Written by Freddie Mercury

Funny how love is everywhere just look and see
Funny how love is anywhere you're bound to be
Funny how love is every song in every key
Funny how love is coming home in time for tea
Funny, funny, funny
Funny how love is the end of lies when the truth begins
Tomorrow comes tomorrow brings
Tomorrow brings love in the shape of things
That's what love is, that's what love is


Funny how love can break your heart so suddenly
Funny how love came tumbling down with Adam and Eve
Funny how love is running wild and feeling free
Funny how love is coming home in time for tea
Funny, funny, funny
From the earth below to the heavens above
That's how far and funny is love
At any time, anywhere
If you gotta make love do it everywhere
That's what love is, that's what love is

Funny how love is everywhere just look and see
Funny how love is anywhere you're bound to be
Funny how love is every song in every key
Funny how love is when you gotta hurry home cos you're late for tea
Funny, funny, funny how love is
Tomorrow comes, tomorrow brings
Tomorrow brings love in the shape of things
At any time, anywhere
If you got to make love do it everywhere
That's what love is, that's what love is

(みみの和訳)

ふしぎ、愛は、そこらじゅうにあるよ。よくみてごらん
ふしぎ、愛は、あなたがどこへ行こうと、行く先々にもやっぱりある
ふしぎ、愛は、あらゆる歌がどのキー(調)で歌われても宿っている
ふしぎ、愛は、お茶の時間に間に合わせて帰ってくる

ふしぎ、ふしぎ、ふしぎ

ふしぎ、愛は、嘘の終わり、そして真実の始まり。
明日が来ると、
愛はものごとのかたちをしてもたらされる
それが愛です、それが愛です

ふしぎ、愛は、あまりに突然に悲しみのどん底に突き落とす
ふしぎ、愛は、アダムとイブの時代から鳴り物入りでやってきた
ふしぎ、愛は、放縦にかけめぐり、自由気まま
ふしぎ、愛は、お茶の時間に間に合うと、そこにいる

ふしぎ、ふしぎ、ふしぎ

下界から天国まで
愛がどれほどはるかでふしぎなことか
いつでもどこでも
あなたが愛を表したいならどこでもやってしまいなさい
それが愛です、それが愛です

ふしぎ、愛は、どこにでもある、周りをよく見てごらん
ふしぎ、愛は、あなたが向かった先にも必ずある
ふしぎ、愛は、どの歌がどのキー(調)で歌われても宿っている
ふしぎ、愛は、お茶の時間に遅れたから家に急いで帰らなきゃいけないときにもそこにある

ふしぎ、ふしぎ、ふしぎ、愛って

明日が来る、明日がもたらす
明日が来ると、
愛はものごとのかたちをしてもたらされる
あなたが愛を表したいならどこでも構わずやってしまいなさい
それが愛です、それが愛です


今回は太字の部分の解説です。


解説

この曲はとても単純な単語が使われています。

意味も何となく分かります。

前述のとおり、短い単純な単語の組み合わせだけで、深い意味を醸し出しています。


まず全体的な解説をしてから、個々に解説します。


全体評

まず、"Funny How Love Is"というタイトルにもある、

「funny」

は、fun(楽しい、発音は「ファン」)

に語尾にY(~っぽい)がついて、楽し気な、という感じの意味です。

実はいろんなニュアンスがある。


funny

1.楽し気な、楽しませてくれる(amusing)
2.変な、おかしな
3.不審な

など。

楽しい時、変な時(笑っちゃうときも、笑えない時も)、いろいろ使います。日本語で言うと、まとめて「おかしい」ともいえます。

愛の形容詞だと、「ふしぎだ」という意訳はピッタリです。


タイトルの「Funny how love is」。

How Funny Love Is!”(愛とはなんてふしぎなものなのか)という感嘆文の倒置や強調と思われます。

”How funny...”だけで、「おかしいわね・・・。」といった感じ。これは「That’s funny.」と同じ感じ。不審。

曲の最後の方に、Funny, funny, funny how love isというセリフがあります(よく聞こえませんが)。

「It’s funny ~」 という形と、感嘆文が合わさったようなかたちです。


そして、「Funny how love is…」と始めておいて、その後に文章が続くので、

"Love is..."(愛とはこういうもの)と、愛の説明をしている感じです。


歌だから最初から文法はないようなものだが、文法をあえて無視して、リズムに乗って耳から愛を説いているのです。


フレディ・マーキュリーの定義する「愛」について、いろいろ書かれた大変興味深いポエムです。


では、個々に見ていきましょう。


1個目/3個:ポジティブな愛

Funny how love is everywhere just look and see
Funny how love is anywhere you're bound to be
Funny how love is every song in every key
Funny how love is coming home in time for tea
Funny, funny, funny
Funny how love is the end of lies when the truth begins
Tomorrow comes tomorrow brings
Tomorrow brings love in the shape of things
That's what love is, that's what love is


一つ目の解説です。

Funny how love is everywhere just look and see

(なんてふしぎ、愛は、どこにでもある、周りをよくごらんよ)

愛はどこにでもある"Love is everywhere."と言いきります。

これがまず最初の愛の定義です。


「look and see」は、曲の「ボヘミアン・ラプソディ(以下ボラプ)」の冒頭のアカペラコーラス部「look up to the skies and see」を思い起こさせます。lookはただ注視すること、seeはただ眼をやるだけでなく、本質まで見通すこと。

よく見ないと見えないが、愛はあらゆるところにある

そして、それが不思議ということです。


Funny how love is anywhere you're bound to be

(なんてふしぎ、愛は、あなたが行く先々にも必ずある)

be bound to doは慣用句。

bind(バインド)という、「くっつける、結びついている」というイメージの動詞を過去分詞にした形。形容詞として使います。

同じようなニュアンスで、be bound to doで「~しそうだ」という意味。未来の行動が現在に結びついている感じです。

anywhere you're bound to beで、

you are bound to be 場所(anywhere)

なので、

あなたがいそうな(行きそうな)ところはどこでも。というニュアンス。


つまり、最初の行で、love is everywhere

「愛はそこらじゅう全てに存在する」と言っていて、

次の行では、「あなたがどこに行こうとそこにも愛はある」ので、やっぱり不思議と言っています。

1行目の言った抽象的な内容に、時間や空間を感じさせて具体化するような、巧みな表現です。


Funny how love is every song in every key

(なんてふしぎ、愛は、どの歌がどのキーで歌われても宿っている)

keyは音階のことで、inを使います。

これは音楽家ならではの表現です。

妄想ですが、彼は絶対音感のような耳をしていると思うので、キーが違って歌っているときづくのだと思います。

絶対音感のない大多数の我々が鼻歌とかそらで歌うような歌は、キーが違っているとしても、「(愛をこめて歌えば、)愛はそこにある」という訳もいえそうです。

そしてそれが不思議。


また、この曲自体が、キーをここで変えています

この曲自体、同じようなフレーズとメロディが繰り返されるものの、徐々にキーが上げられて歌われていて(C,D,Em,F,G→C…)、ここのフレーズは、この愛の曲そのものを表しているともいえます。

現実とリンクさせる小技も彼の持ち味です。


しかし、ちょっと意地悪だが、悲しい曲や意味のないの鼻歌にも愛は必ずあるのか。だからふしぎなのか。

少なくとも自分の歌には、すべて愛がこもっているのか。


いづれにしても、彼にとって、「歌(音楽)」は愛そのものなのだ。


Funny how love is coming home in time for tea

(なんて面白い、愛は、お茶の時間に間に合うようにちゃんと帰ってくる)

愛について、一連の最後の4つ目です。


イギリスと言えば、紅茶の文化です。

これは家族や恋人の「団らん」を意味すると思いました。


time for~で、「~の時間」。仕事とか昼食とか。

be in timeで「間に合う」。

in time for~であわせて、「~の時間に間にあう」です。


最初の「愛はどこにでもあるし、どこに行ってもある」から発展している。

お茶の時間に間に合うように、我が家帰宅して、そうすると、団らんの場所に愛はやはり帰ってきてる、ということです。

それもふしぎ。


これは切ない妄想ですが、8歳から17歳くらいまでの子供時代、自宅から遠く離れたインドで、長期休暇も帰れずに育った過去を思い起こさせます。

愛とはこうあるべきだという望みが託されているのかもしれない。


ほっこりとした感じのする愛の姿です。


Funny, funny, funny

(ふしぎ、ふしぎ、ふしぎ)

愛のいかにふしぎなことか。

1音階ずつ上がる。ここでいったん区切れる。


Funny how love is the end of lies when the truth begins

(ふしぎ、愛は、嘘の終わり、そして真実の始まり)


愛の定義がまた始まりました。


高い声は一層高くなっている。

愛の定義の5つ目で、このセクションの「愛とは~」シリーズでは、最後です。

歌やお茶に引き続き、とてもポジティブな愛ですね。


「嘘」や「真実」は、フレディの詩によく出てきて、重要単語です。ボラプとか。


次は「明日tomorrow」についてです。

愛について、また違った視点で描かれます。

Tomorrow comes, tomorrow brings
Tomorrow brings love in the shape of things

(明日が来ると、愛はものごとの形でもたらされます)

ここは、抽象的で、意味がとりづらいです。


まず、Tomorrow comesとはあまり言わない表現で、詩的です。

明日が来た、ということ。

お茶の時間でも愛がbe coming home(帰宅する)と表現されています。


続いて、Tomorrow bringsは、明日がもたらすということ。連れてくる。


bringは、前曲「ブラック・クイーン」でも、bring them down to sizeででてくる。意味がとりにくいセリフでした。(「縮み上がらせよ」とともに、「子供たちを城に持ち帰って、調教する」という意味にしました)


また、前曲の中間部の白い世界では、最後のセリフが、

But even till the end of his life
He'll bring a little love

(たとえ死の間際でさえ、彼はほんの少しの愛をもたらす

でした。


これは最後だけあってとても重要な部分です。この曲にとっても。


これは彼の誓いであり、実際にそうなったと思います。


死の直前まで歌い、自由に生きて、人々に遺産を残しました。



ということで、愛を与えるときの動詞としてBringが使われています。

「連れてくる」、転じて「もたらす」という意味にしました。


このように、Bringという動詞をあえて使うのは、「愛を与えること」に関して何か特別な意味を持たせるためだと推察しました。


戻って

Tomorrow brings love in the shape of things

(明日はものごとのかたちになって愛をもたらす、連れてくる)

という詩。


in the shape of things

は、thingsが複数形なので「ものごと」、という抽象的な単語です。

対して、shape(かたち)は単数。

「(いろいろな)ものごとの形」とは何ぞやという感じですが、

恐らく比喩(メタファー)であり、

明日や愛という目に見えないものが、物事というとらえどころのないもののうちのなにかの「形」になって表れるイメージ。

in the shape of thingsは、「明日が愛をもたらす方法」にかかると考えます。

明日は愛をもたらし、それはものごとという、ありふれた、雑多な、とらえどころないもののなにかの「形」としてもたらされる。

何となく言いたいことがわかります。

inとshapeの親和性はとてもよく、「~の形をして」という意味でtheがついてなくてもつかわれます。


ここで、「明日(Tomorrow)」について考察を挟みます。


これはフレディーがよく使う表現であり、かなりメタファー的な要素が強いです。

曲の「ボラプ」の和訳でさんざん悩みました。

まだあまりフレディの作詩のルールがわかってなかったからです。

まず、3つ考えました。

明日とは、
1.未来
2.不確定性
3.恒常性

の象徴である。


1.まず、明日というものは、未来ということです。

正確に1日後ではありません。

2.また、明日はどうなっているかわからない意味もあります。

たった1日で、ひょっとしてハチャメチャしすぎて死んでるかも。明日を境にスターになってるかも(可能性は充分)。愛が失われ、うちひしがれるかも。

3.あとは、恒常性。

毎日毎日、変わらないこと。

宗教の教えのように、毎日変わらない。戒律。いつの時代も何千年も前から。

あとは、歴史は繰り返し、人々が求める愛はいつの時代も同じ。

こういった、いつになっても変わらないことについて、時にうんざりしつつ、時に真理をもって、語られます。


明日が愛をもたらすとは、今日も起こっていること(愛はそこら中に宿ってる)は、明日も起こり、常に起こること。

場面を明日にして変化させつつも、変化していない。


そしてそれはある「形」(the shape)をしてやってくるし、毎回違う形だが、本質は「ものごと」というとるに足らない、ありふれたことがらのひとつ。

つまり、抽象的なものが具体的な形でやってくる。

これ以上はうまく説明できないので止めておこう。


明日についてのところをまとめると、

今まで語った、「愛とは~」の定義の進化系で、

「明日」になると愛はどうなるかを考察している。


「愛とは~」シリーズでは、時間や空間を交えた観点で、具体化される。(あなたが動いて移動しても、お茶の時間に間に合わせて移動しても)

聴覚という、また違う次元でも愛があることをうたう。

嘘が終わり、真実が始まる、という、心の中の長き戦いの終わりも告げる。

魔法のような力を持つ。


「明日になると」では、愛が時間的にさらに一歩進んで、未来も変わらないことを示す。

そこら中にある(everywhere)愛は、明日以降も、物事のありふれた形となって、気づかないうちにもたらされる。

昨日とは違う形、でも同じ愛。それも1回ではないと思う。

または、今日の、目に見えない愛が、未来に、形として現れる、ということかもしれない。


いづれにしてもここの意味はいかようにもとれる。

その人が思う愛の定義でいいと思う。


That's what love is, that's what love is

(これが愛なんだ)

そして、これが愛だという。


ここまでが、愛の定義、1つ目です。


長いですが、お疲れさまでした。

3つ目はここのほぼ繰り返しなので、半分終わったも同然です。

読んでくださる皆様に感謝しています。

次回もどうかお付き合いください。

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