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【Queen和訳】3/3「ファニー・ハウ・ラブ・イズ」~マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーンの続き歌~【これが愛♥】

27歳ごろ、おそらく当時、声も頭脳も感性も、全てが最高潮だと思われるフレディ・マーキュリーが、神にささげた愛の歌。

分析すると、やはり彼が詩の天才であるとわかります。

今回は残りの部分(詩の3個目)と、韻(ライム)の解説と、総合評です。


概要

これまで「マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン」という傑作を和訳しました。

今回は、この曲とセットになっている続きの歌「ファニー・ハウ・ラブ・イズ(Funny How Love Is)」を紹介しています。

今回は最終回です。


それでは、まず残りの和訳です。

また、基本的な韻(いん:ライム)について合わせて示します。以下の詩の太字を参照してください。

和訳

"Funny how love is"
Written by Freddie Mercury

Funny how love is everywhere just look and see
Funny how love is anywhere you're bound to be
Funny how love is every song in every key
Funny how love is coming home in time for tea

Funny, funny, funny

Funny how love is
the end of lies when the truth begins
Tomorrow comes tomorrow brings
Tomorrow brings love in the shape of things

That's what love is, that's what love is



Funny how love can break your heart so suddenly
Funny how love came tumbling down with Adam and Eve
Funny how love is running wild and feeling free
Funny how love is coming home in time for tea

Funny, funny, funny

From the earth below to the heavens above
That's how far and funny is love
At any time, anywhere
If you gotta make love do it everywhere

That's what love is that's what love is


Funny how love is everywhere just look and see
Funny how love is anywhere you're bound to be
Funny how love is every song in every key
Funny how love is
when you gotta hurry home cos you're late for tea

Funny, funny, funny how love is

Tomorrow comes, tomorrow brings
Tomorrow brings love in the shape of things
At any time, anywhere
If you got to make love do it everywhere

That's what love is, that's what love is

(みみの和訳)

ふしぎ、愛は、そこらじゅうにあるよ。よくみてごらん
ふしぎ、愛は、あなたがどこへ行こうと、行く先々にもやっぱりある
ふしぎ、愛は、あらゆる歌がどのキー(調)で歌われても宿っている
ふしぎ、愛は、お茶の時間に間に合わせて帰ってくる

ふしぎ、ふしぎ、ふしぎ

ふしぎ、愛は、嘘の終わり、そして真実の始まり。
明日が来ると、
愛はものごとのかたちをしてもたらされる
それが愛です、それが愛です

ふしぎ、愛は、またたく間に私達をハート・ブレイクにさせる
ふしぎ、愛は、アダムとイブの時代から混迷を極める
ふしぎ、愛は、放縦にかけめぐり、自由気まま
ふしぎ、愛は、お茶の時間に間に合うと、そこにいる

ふしぎ、ふしぎ、ふしぎ

下界から天国まで
愛がどれほどはるかでふしぎなことか
いつでもどこでも
あなたが愛を表したいならどこでもやってしまいなさい
それが愛です、それが愛です

ふしぎ、愛は、どこにでもある、周りをよく見てごらん
ふしぎ、愛は、あなたが向かった先にも必ずある
ふしぎ、愛は、どの歌がどのキー(調)で歌われても宿っている
ふしぎ、愛は、お茶の時間に遅れたから家に急いで帰らなきゃいけないときにもそこにある

ふしぎ、ふしぎ、ふしぎ、愛って

明日が来る、明日がもたらす
明日が来ると、
愛はものごとのかたちをしてもたらされる
あなたが愛を表したいならどこでも構わずやってしまいなさい
それが愛です、それが愛です


3番目:繰り返し

3番目は、基本的に1番の詩と同じで、1フレーズだけ、変わっています。

あと最後だけ、1番と2番の最後の同じ部分がミックスした構造です。


歌い方も少し違います。

繰り返しを基本に、少しずつ微妙に変化するのが、この歌の特徴です。

最後はフェードアウト。


新しい詩が入るのは、以下の太字の部分のみ。

詩の3番

Funny how love is everywhere just look and see
Funny how love is anywhere you're bound to be
Funny how love is every song in every key
Funny how love is
 when you gotta hurry home cos you're late for tea

Funny, funny, funny how love is
Tomorrow comes, tomorrow brings
Tomorrow brings love in the shape of things
At any time, anywhere
If you got to make love do it everywhere
That's what love is, that's what love is


1番では以下のようでした。

Funny how love is coming home in time for tea

(なんてふしぎ、愛は、お茶の時間に間に合うように帰ってくる)

3番

Funny how love is when you gotta hurry home cos you're late for tea

(なんてふしぎ、愛は、お茶の時間に遅れているからと、家に急いで帰らなきゃいけないときのこと)


gottaは、have got toの略で、have toとも同じと言えます。今回はhave toです(~しなくてはいけない)。

cosは「because(~なので)」の略。


Love is when you have to hurry home because you're late for tea.

ということ。


hurry homeは頭文字一致。

hurryは「急ぐ」という動詞。

homeは、副詞で、「家に」という意味。

come homeやgo homeも副詞的用法。

名詞であらわすと、come to your house(名詞)ということ。


late for~は「~に遅れる」。


お茶の時間に間に合うように急いでいるときそのものが「愛」ということです。

お茶の時間に間に合うように急ぐこと自体が愛、つまり、その人の気持ちの中に愛はあるということ。

これも家族などの団らんの愛です。


こうして、ただ繰り返すだけじゃないのが魅力です。

変化を入れてきて、飽きさせない。

残念なことにフェードアウトしてよく聞こえませんが。

ここまでこだわるなんて。

これがわかるのも歌詞カードのおかげです。


では、3個目が終わり、歌詞の和訳の分析は終わりです。


では、次に総合評をしてから、さいごに韻の話をします。


総合評

この曲は、前の曲の続きの歌であるという特徴があります。

「マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン(以下、ブラック・クイーン)」です。

これは荘厳で華麗なブラック・ファンタジー、おとぎ話の世界です。


そして、この前の曲の最後に、この曲の真のイントロがあり、「さあ、昔話は忘れて。僕たちバンドとみんな一緒に地獄に行こう、でももう行く時間だ、永遠に。ラララ…」の部分でした。

おそらく、バンドが先に地獄に行ってしまい、リスナーは、現代の世界に取り残され、「あれは夢だったのだろうか」とぼんやり思います。

(もしかしたら、現在のことを言っているのだろうかともちらりと思う。)


そして、60年代アメリカ風の世界に突入します(この曲は1974年前にイギリスでできている)。カーペンターズのような明るいサウンドです。

それは、「ブラック・クイーン」の中盤に隠された(3'00"~4'00")光の世界、「天使の独白と転生後の人間の一生」と同じ世界観です。


ここでは、耳で聞くと、まじめなシーンのようで、「エンジョ~イ(楽しんで)!」と聞こえます。


そして、同じ光の世界の(もしかしたら地獄の世界)「ファニー・ハウ・ラブ・イズ」で、人間世界の愛について「おかしいね、おかしいね」と面白がります。

ここは、前曲の光部分で告白したフレディの「愛の使者」としてのミッションについて、その「」とは何なのかを定義している部分です。


素晴らしいところもあるし、現実的な面もあるし、きれいごとだけでなはい愛のカタチ。

最後は、「天上の愛」との対比として「人間の愛」でしめくくられます。

これは、古いかつての宗教の教えより、人間主義に帰ったルネッサンスと言えます。レオナルド・ダヴィンチ(1452~1519)の世界です。


サウンド的には、前曲が軍隊交響曲のように構成されているのに、この曲は3回繰り返しの単純構造。

しかし、同じようでいて、微妙に変化しているという心憎い演出で飽きさせない。

何か、「人間の営みは、いつの時代もどの国でも変わっているようで変わらない、でもちょっとずつ違う」、というような感じをうけます。


最終的に言いたいメッセージは、最後のドキッとするセリフ、

愛を表したいなら、やってしまいまさい

だと思います。

思ったらすぐ行動。心のままに動いて、愛を届ける。

こういったメッセージかと思います。


そして、この宣言通りに生きた、と思います。


これをもってまとめとしたい。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。


では、最後に(基本的な)韻についてです。

基本的な韻のはなし

Funny How Love Is

Funny how love is
everywhere just look and see
Funny how love is
anywhere you're bound to be
Funny how love is
every song in every key
Funny how love is
coming home in time for tea

Funny, funny, funny

Funny how love is
the end of lies when the truth begins
Tomorrow comes tomorrow brings
Tomorrow brings love in the shape of things

That's what love is,
that's what love is



Funny how love can
break your heart so suddenly
Funny how love came
tumbling down with Adam and Eve
Funny how love is
running wild and feeling free
Funny how love is
coming home in time for tea

Funny, funny, funny

From the earth below to the heavens above
That's how far and funny is love
At any time, anywhere
If you gotta make love do it everywhere

That's what love is
that's what love is


Funny how love is everywhere just look and see
Funny how love is anywhere you're bound to be
Funny how love is every song in every key
Funny how love is
when you gotta hurry home cos you're late for tea
Funny, funny, funny how love is

Tomorrow comes, tomorrow brings
Tomorrow brings love in the shape of things
At any time, anywhere
If you got to make love do it everywhere

That's what love is, that's what love is

韻(いん)とは、主に、詩の行の終わりの単語の母音が一致すること。

ラップとかで踏むあれです。


上記の太字のように、

詩の部分では、1~3番まで共通して、前半の基本の韻はほとんど、「イー」であることがわかる。

その中間部分では「イズ」で区切られることが多い。


全てを解説する前に、効率がいいので、

まず、基本的の韻の考え方をしめしておきたい。


クイーンやフレディの詩は、タイトルを連呼する場合が多い。

今回も「Funny How Love Is」は何度も歌われ、その中の音を使って、詩の中でも韻を踏むと思われます。

すなわち、「Funny How Love Is」の中にもある、「イー」、「アー」、「イズ」、などで主な韻を踏みます。


つまり、

「ファニー・ハウ・ラブ・イズ」の歌うところは母音で表すと、

FAni:- Hau LA-viz

「ふぁーにぃ~~、はぅ、らぁ~~~ヴぃズ」です。

短くして、

あーいー あー・ぃズ

とします。

(FunnyとLoveは、どちらも明るい「あ」の音。)


伸ばすとほぼ「あ」と「い」しかなく、「いー」、「あー」とかなり伸びるところもあるとわかります。

また終わるのは「」です。


説明が不格好ですが、これは基本リズムなので押さえときましょう。

音階に乗せて、かなりリズムを作り出しているのがわかります。


また、子音では、タイトルの頭文字でもある「F」と、タイトルにも含まれる類似の発音「H」が重要。

(日本人はよくわかっていますが、歌だと、FとHとはほぼ同じ聴こえ方です。)


また、このタイトル・フレーズは、ばらされて歌の中にも色々出てきて、リズムを生んでいます(Funny x 3、That's what love isなど)。


3回繰り返される「Funny」も、「あいー」です。


各詩の最後に、繰り返される、

That's what love is

は、「(ぁっ)あっあ・いーズ」です。

「あ」が多く、「イズ」で締める。

また、whatも、Fに近い発音ともいえる。


この観点で、詩を見ていきます。


イー」や「イ」のほか、


詩の1番目の後ろの部分、「ins」と「ings」は、「イーン(グ)ズ」と伸びるので、「イー」ともいえる。

最後に「ズ」で終わるという見方もできる。

1番の後半をまとめると、三人称など「ズ」で終わる単語や「is」ばかり。


2番の後半では、「ove(アーヴ)」「ywhere(ィウェー)」などでも韻を踏みます。

「love」のところで「アー」の要素が多いことは述べました。

「エー」は、冒頭の「everywhere」 あたりで多く表れます(歌うとのびて「エーヴィ・ウェー」などになる)。


このように基本的な韻をしっかり踏んでいるうえで、サウンドでも非常に考えて単語を選んでいるとわかる。


基本の韻はまずこのくらいしておきたい。


それ以上知りたい人は、続く番外編を見てください。

サウンドの面でも単語を選びあげているのがわかる。

愛が入っているのかもしれない。


追加のまとめ

「愛」という難しいタイトルにもかかわらず、彼の考える愛の世界をサラッと聞かせてしまう。


前の曲「ブラック・クイーン」で、イギリスの誇る栄華の歴史を思い出させるように再現して見せ、さらに、次の曲では「概念」をさらっと聞かせる。


これをもって、イギリスの本物の女王に気にいられたゆえんとしたい。

バンド名に「女王」の名をつけたのは、決していたずらなこけおどしではなかったことを存分に示しました。

まるで、ビクトリア女王に気に入られた、ルイス・キャロル(「ふしぎの国のアリス」作者)のように。


しかも移民。

「こういった彼を支えた、イギリス。これが愛なのだ。」

いかにイギリスが、心が広く、優れた国であるかを、かたちとしてあらわした時代がついに来た。


ただのロマン主義者というだけではない、これがフレディの姿。

他のメンバーも、だからついていったと思う。


またこれはこの後のフレディを理解するうえでも、かなり重要な考え方であると思う。

恐らくまだ理解できていないところもあるだろうが、大切にしていきたい。


とりあえず、この大作をひとまず、分析し終えて、よかった。

まだまだ本当のことは分からないが、これをもって先の分析に進んでいきたい。

豊かな人生を目指して。


ここまで、読んでくださり、本当にありがとうございました。

Queen Official - Funny How Love Is (Official Lyric Video)


前曲(マーチ・オブ・ザ・ブラック・クイーン)から続けて聴く場合。スペイン語訳つき。

m i r a n d a - Queen- The March Of The Black Queen//Funny How Love Is (Traducidas Al Español)


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