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2022.12.6「ダイヤモンドグローブ観戦記/永田大士の右フックに長谷川穂積の影を見た」

第2回ライターごっこ「ダイヤモンドグローブ観戦記」

こんにちは。

色々なご縁があり、昨日後楽園ホールで行われたダイヤモンドグローブのチケット頂いて、全試合生観戦してきました。

ということで、「第2回ライターごっこ」と題して、今日のダイヤモンドグローブの観戦記、戦評・短評を書きたいと思います。


ボクモバを真似した感じの戦評・短評を、「その試合が終わってから、次の試合が始まるまで」に書き上げたので、その戦評を貼り付けて、

今、こうして記事を書きながら、試合を見て思った所感を少し付け加えようと思います。


いやー試合を見て、すぐ戦評を書き上げるのは本当に難しい!
ボクモバってスゴイ!笑


2022年12月5日(月) ダイヤモンドグローブ@後楽園ホール


第1試合 52.0㎏契約6回戦
阿部 愛斗(21=石神井S) 6戦4勝(2KO)1敗1分 右170cm
VS
山内 寛太(23=DANGAN越谷) 9戦5勝(3KO)3敗(2KO)1分 右165㎝

<戦評>
開始ゴングと同時に両者好戦的に打ち合い、1R20秒、山内のワンツーが決まり阿部がダウン。再開後、パンチをまとめる山内に対し防戦一方になった阿部にレフェリーはスタンディングダウンを宣告。再開後、パンチを受けてふらついた阿部をみてレフェリーがストップに入る。山内の鮮烈な1R1:53TKO勝ちとなった。

<所感>
まず、対戦カードをみたときに、「なんでSフライ級(52.1㎏)じゃなくて52.0㎏契約なんだろう」と思った(笑)
やっぱ試合開始すぐ、身体が温まる前にパンチをまともに受けると効くなぁ。


第2試合 Sバンタム級6回戦
大場 竜(27=ジャパンS) 13戦5勝(3KO)7敗(3KO)1分 右
VS
藤野 正文(36=DANGAN AOKI) 6戦4勝(3KO)2敗 右166㎝

<戦評>
1R、お互いガードを上げて中間距離からジャブを突く展開。1分を過ぎた頃、様子見を終えた両者が左右のフックを振って打ち合いになる。よりパンチを的確に当てたのは藤野。3R、先に大場がラッシュを仕掛け、その後藤野がパンチをまとめ、お互い一歩も引かず、会場からは大きな拍手。偶然のバッティングで藤野は左目上をカット。5R、両者懸命な打ち合いを続ける中、疲労のみえる大場に対し、藤野が前に出ながらパンチをまとめてポイントをピックアップ。6R、最終ラウンドも打ち合った両者、決定打には恵まれなかったものの57-57、58-56×2で藤野が判定勝ち。

<所感>
1~6Rまで、終始基本的に試合展開・流れに変化はなかった。大きな変化のない試合の戦評は書くのが難しいと思ったのと同時に、試合中に戦法・ファイトスタイルに変化をつけられる引き出しのある・なしがB級ボクサーとA級ボクサーの差なのかなぁと、今日の6回戦と8回戦以上の試合とを比較して思った。


第3試合 バンタム級6回戦
蒲山 直輝(25=小熊) 13戦5勝(1KO)5敗(3KO)3分 右166㎝
VS
山本 大智(31=KTT) 16戦5勝(3KO)10敗(6KO)1分 右

<戦評>
静かな立ち上がり、左右のロングフックを当てたのは蒲山。山本がサークリングして蒲山が追う展開の中、3R蒲山の右ストレートが当たり、山本が腰を落とす。4R開始早々、蒲山の右ストレートで山本がダウン。ダメージはそこまでない山本が懸命にパンチを返し、逆にワンツーで蒲山の腰を落とす場面も。5R、山本が前に出ながらパンチをまとめる中、蒲山の右ショートがカウンターで決まり、山本2度目のダウン。再開後、左フックを受けてふらついた山本をレフェリーが救出して、5R1:42蒲山のTKO勝ち。

<所感>
第2試合で思ったことと似ていて、コンビネーションやファイトスタイルの引き出しの数が勝ち先行の戦績になれるかそうでないかに大きく関わっていると思った。


第4試合 56.5㎏契約8回戦
竹原 毅(27=協栄) 9戦7勝(2KO)2敗(1KO) 左172cm
VS
二瓶 竜弥(24=DANGAN郡山) 11戦8勝(1KO)2敗1分 右165cm

<戦評>
細かくステップを刻んでリズムをとるサウスポー竹原に対して、様々なアングルからパンチを打ち込んで的を絞らせない二瓶。2R、ガードを固めて相手を身体で押して前に出ながらパンチを打ち込む竹原に対し、隙間をつくっては的確なパンチを打ち込む二瓶。3R以降、フィジカルに勝る竹原がさらにプッシュを強めるも、二瓶は固いガードからパンチを返し崩れない。両者、近い距離でも細かいスキルをみせて一進一退の展開。疲労のみえてきた二瓶が次第にガードを固めて守勢に回る時間が増えて、竹原はさらにギアをひとつ上げる。決定打には恵まれなかったものの、懸命にパンチを出して打ち合い続けた両者。76-76、77-75×2で接戦を竹原が制した。

<所感>
A級の試合の方が戦評が書きやすかった。試合の流れや「やりたいこと」がわかりやすかったからなのかなぁと思った。二瓶選手は、様々なアングルからパンチを打ち込めてコンビネーションの種類も多く、かなり魅力的な選手だっただけに、明らかに竹原選手より身体のサイズ・フレームが一回り小さく、フィジカルで押し込まれてしまったのがもったいなく感じた。バンタム級に落とすことができるのなら、今すぐ上位ランカークラスに割って入れるのではないだろうか。


第5試合 Sフェザー級8回戦
保坂 剛(26=三迫) 7戦6勝(4KO)1敗 左174㎝ 日本SFe級6位、WBO-AP8位
VS
ナッタコーン・サンセンビー(タイ) 2勝(1KO)1敗

<戦評>
来年のタイトル挑戦を狙う日本、WBO-APランカーのサウスポー保坂は、1R開始40秒、相手の右ストレートを避けて左ストレートのから返しの右フックのカウンターで先制のダウンを奪う。再開後、ダウンをひとつ追加すると、最後はノーモーションの左ストレートで相手を倒して、1R1:34TKO勝ちを収めた。

<所感>
全体的に少し力んでるようにも見えたけど、最初のダウンを奪ったカウンターは「芸術」といった域の見事なパンチだった。二度目のダウンを奪ったあと、左ボディーフックから返しの右フックを打ったのだが、この右フックもかなりキレがあり強烈だった。「右フックがエグいな」と思ったところに、ノーモーションの左ストレートをダイレクトでスッと出して倒した。さすがの引き出しの数だった。このあとのメインの永田選手も左ボディーフックからの返しの右フックの鋭さが光った。三迫ジムはサウスポーのボクサーに、返しの右フックが自然に出るまで身体に染み込ませてるなぁと思った。僕の経験だと、左ボディーフックから返しの右フックをしっかり打ち込むのは難しい。左ボディーフックでオーソドックスのレバーを叩こうと思うと、一番遠くに位置しているので大きく踏み込むことになり、足幅も一番広くなるから、下半身が強くないと返しの右フックのときに身体が浮いてしまってパンチの力も乗らないし、顔が無防備になってディフェンス面でも危ない。


メインイベント OPBF東洋太平洋Sライト級12回戦
王者 近藤 明広(37=一力) 47戦35勝(20KO)10敗(1KO)2分
VS
同級6位 永田 大士(32=三迫) 21戦16勝(6KO)3敗(2KO)2分

<戦評>
髪の毛を挑戦者カラーの青に染めてきたサウスポー永田と来年の世界再挑戦を目指す王者近藤の、立場を入れ替えた2年ぶりの再戦。挑戦者らしく永田が果敢に攻め込んでスタートを切るが、1R2分過ぎ、近藤の右フックで永田がダウン。ダメージの浅い永田は2Rも攻め込み左を当てるが、近藤も右を返す。永田は攻め一辺倒にならずジャブで距離をコントロールしながら左ストレートを打ち込もうとするが、近藤は右のロングフックを狙う。4R終了時の途中採点は38-37×2、39-36で近藤。永田の左ストレートに近藤が右カウンターを狙えば、その右に永田は右フックを合わせようとする。6R、打ち合いでの両者重いパンチの交換に、会場のボルテージは最高潮に。永田は左目上をヒッティングによるカット。8R終了時の途中採点は77-74、76-75、75-76、2-1で近藤。採点を聞き、逆転へプレスを強めて攻め込む永田。永田が先に左を当てれば、近藤が右を返すが、永田のボディーが効いたのかだんだんと脚が止まってきた近藤に永田が押し込むように連打を打ち込んでいく。最終ラウンド、決定打には恵まれなかったものの両者最後の力を振り絞って打ち合った。114-113、115-112×2で永田が逆転で新王者に。

<所感>
年間最高試合にノミネートされてもおかしくないくらいの名試合だった。どちらも強いパンチをもらっても簡単には崩れないから、試合がどちらかに傾くことがなかったし、現役時代から思っていたけど、「強い選手は崩れない」。試合を通して、永田選手が左ストレートを打つと、その打ち終わりに近藤選手が右ストレートを合わせた。そして、その右ストレートのタイミングに合わせるように永田選手が返しの右フックをカウンターで狙い打ち続けていた。コレで倒れることはなかったけど、どちらの右が炸裂するか刹那のやりとりに痺れて、僕には永田選手の右フックのタイミングがよく見えるシーンが何度もあった。今も語り継がれる、長谷川穂積がウィラポンとの第2戦目でみせた「左ストレートで相手の右カウンターを誘って、右フックを合わせる」最後のKOシーンが頭をよぎった。



P.S. ワールドカップ観戦でアップが遅れました!笑 観戦記もスキルをあげていけるようにがんばります!



では、アディオス。

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