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エンジニア社内勉強会の運営メンバーに聞いてみた、開催の背景と続けるコツ

こんにちは、マネーフォワード 栗田です。
本noteでは、「エンジニアによる社内勉強会」について紹介させていただきます。

マネーフォワードでは、エンジニアによる社内勉強会が活発に行われています。社内勉強会を共有するGoogleカレンダーがあり、自由に勉強会を把握・登録・参加できるようになっています。
※2020年9月現在、勉強会は基本的にオンラインで実施されています。

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(社内勉強会が表示されているGoogleカレンダー。表示されている勉強会はごく一部です)

数ある勉強会の中でも、今回は「Monolith to Microservices勉強会」について紹介します!
勉強会の内容や継続方法について、主催の櫻さん・参加者の川上さん・参加者兼アドバイザーの中出さんにお話を伺いました。

登場人物紹介

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櫻勇人(左下):京都開発拠点 エンジニア。「マネーフォワード クラウド会計Plus」の性能改善を担当するチームのリーダー。改善の一環としてGo言語によるマイクロサービス化にも取り組んでいる。最近20kgの減量に成功した。
中出匠哉(左上):マネーフォワードCTO。二人の娘をもつ。家庭内での期待値を低めにコントロールした結果、居場所を失いつつある。仕事では同じ過ちを犯さないことを誓う。
川上航平(右下):20新卒エンジニア。サービス間の複雑な依存の解決や改善に取り組んでいる。YouTubeヘビーユーザー。
栗田茉緒(右上):インフラ部所属。エンジニア発信のプロジェクトにも取り組んでいる。本記事のインタビュアー&執筆を担当。野球観戦が好き。

輪読会のすすめかた

---さっそくですが、「Monolith(※1) to Microservices勉強会」は、どういった勉強会なのですか?

マネーフォワードでは、開発組織の拡大による生産性の低下、ユーザー数増加による性能悪化が今取り組むべき課題となっています。そういった課題を解決する手段として、マイクロサービス(※2)を採用しています。

この勉強会の題材である「Monolith to Microservices」という英語の書籍には、マイクロサービスに移行する為の具体的な方法が書かれています。今のマネーフォワードに必要な、マイクロサービスをより活用するために、輪読会を企画しました。同じ課題を抱える複数の部署のメンバーが集まり、5ヶ月続いています。最初は15人ぐらい集まって、継続して参加しているのは10人ぐらいです。

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(勉強会発足当初のSlackログ)

:週1回1時間Zoomに集まり、1回で10ページぐらい進んでいきます。毎回担当者が決まっており、担当者がesaにその日進む範囲を翻訳して、要約を事前にまとめておきます。毎回の勉強会で次々回の担当者を決めるので、担当が決まってから発表するまで2週間あります。

(※1)Monolith:読みは「モノリス」。直訳すると「一枚岩」。システムが肥大化してしまった状態のことを指す。
(※2)マイクロサービス:様々な機能(ユーザ登録、決済機能など)ごとにサービスを作り、システムが大きくなっても分業できるようにしたもの。

入社してすぐに社内勉強会に参加してみた理由

---川上さんは20新卒ですよね。入社してまもなくこの勉強会が始まったわけですが、どうして参加してみようと思ったのですか?

川上:チームリーダーに勉強会を紹介されたのがきっかけです。もともとマイクロサービスに興味がありましたし、私の所属する部署でもマイクロサービスに関連する業務を行っているので、今後の実務に役立つかなと思って参加しました。

---実際に参加してみていかがですか?

川上:参加されている方からいろいろな話を聞けるのが面白いです。会社の課題についての認識を皆が持っていて、勉強会でその日扱う内容と似たような事例があると、活発な議論になって盛り上がります。

最初の方は「マイクロサービスの考え方としてどうあるべきか」みたいな、抽象的な話が多かったのですが、それも面白かったですし、学びになりました。マイクロサービスの考え方のベースについても吸収できたのがよかったです。自分たちがやろうとしていることに、良い点も悪い点もあるということを認識できますし、チームが今後どうしていくかを話し合うときにも、この勉強会で得た知識をもとに参加できるのがいいですね。

:まさに「今知りたい」ことを扱っているので、議論も盛り上がります。中出さんが経験した事例を教えていただけることもあります。

中出:前職・前々職での経験ですね。本に出てくる事例の中で半分ぐらいは経験がありますが、新たな気づきもありますね。マネーフォワードの多くの人が共通認識としてディスカッションしているのがすごくいいなと思っています。今後会社としてマイクロサービスを推進するうえですごくやりやすくなりますし、マイクロサービスについて社内で議論するうえでの知識のベースにもなります。

実際に運営してみて思う、勉強会を続けるコツとは

---勉強会運営してみて、櫻さんはいかがですか?大変だったことや気づきがあれば教えてください。

:私は京都開発拠点所属なので、東京や福岡とは基本的にオンラインでつないで勉強会を行うことになるのですが、オンラインでも案外いけるなと。コロナで在宅勤務になってもスムーズに進められました。あとは勉強会を主催すると、参加してくれるメンバーとの接点ができ、ほかのチームの課題も知ることができます。遠隔であることやコロナの影響で、オフラインの交流の場は持ちづらいのですが、このような場があることで他の方との接点が作りやすいです。

---参加者のモチベーション維持、継続の難しさなど、様々な壁があると思います。勉強会を続けるポイントはなんだと思いますか?

:2つあって、まず1つは「1人では大変なものを題材に選ぶこと」です。今回は輪読会ですが、洋書なのでどうしても1人で読むにはきついです。心折れそうだなって(笑)ベトナム人のエンジニアたちが私たちとは別に、原文のままMonolith to Microservicesの輪読会をやっているみたいですごいなと思います。

中出:彼らは自分の国の言葉でなかなか技術情報を収集できないので基本的に英語で収集するんですよね。なのでesaには英語で要約が書かれていました。

:もう1つは「ハードル低く、かつがっつり参加してもらうこと」ですかね。要約を作ることで、参加者は内容を理解しやすくなるのと共に、要約担当の人は真剣に担当の範囲と向き合う必要があります。

---ちなみに要約にどれぐらいかかりますか?

川上:私は3時間ぐらいかかります。

:そこは人それぞれですね。英語に慣れている、英語を英語のまま読める人だとすぐなんでしょうけど、そうじゃない人は結構大変かなと。しかも要約もしないといけないので。聞くだけの人にならない、ってのが勉強会がわりと長く続く秘訣かもしれないですね。

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(実際の勉強会の様子)

勉強会後の未来

---勉強会で学んだことを、どう業務に還元していってほしいですか?

:マイクロサービスは実際にマネーフォワードが抱えている課題を解決する手法のひとつとして有力そうなので、これをみんなで勉強しているのがいい雰囲気だと思っています。1年後ぐらいに、この輪読会に参加している人を中心にマイクロサービス化をもっと進めていけたらなと思います。

中出:この勉強会は、新しい知識を得られるチャンスだと思っています。マイクロサービスは手段として選ぼうとすると難しいのですが、この勉強会が難易度の高い問題解決のためのいいインプットになっていると感じます。
なんでもかんでもマイクロサービスにしようというわけではなく、入れるべきところに入れていくのが大事かなと思います。ぜひ、輪読会完走してほしいですね。

編集後記

マネーフォワードにはたくさんの優秀なエンジニアが在籍しています。各メンバーが持つ得意分野や専門性を生かし、各メンバーが技術や知識を身につけ成長するための社内勉強会を多く開催しています。
この取り組みをぜひ皆様に知ってもらいたい!と思い、本noteを執筆いたしました。

今回のインタビューはZoomでのオンライン実施となりましたが、勉強会・技術力向上に対する熱量や盛り上がりが伝わってきました!

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最後になりますが、マネーフォワードではエンジニアを募集しております。興味のある方はエンジニアブログもぜひチェックしてみてください!


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