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あるがままに漂いながら。


 遠ざかっているようで、近づいている。
離れていくようで、迫っている。

人生ってそういうものなのかも。

 軽井沢から長野までの電車の中。そんなことを考える。
進行方向とは後ろ向きに座って、もといた軽井沢に、さよならをいう。

 後ろ向きに進んでいく電車は、確かに次の目的地へと向かっていて。

 いまは、一つの何かに区切りをつけて、ひとまず去るだけ。
 それに伴うのは、次への期待でいいはず。あるいは希望。あるいは、何も感じないのかも。
旅の疲れを感じて、ゆらりゆらりと電車に揺られ、ただただ今日の宿を待ち侘びる。
 次がどうなるかなんてわからなくても、確実に時は進んでいて、人生は動いていて、それは私が確かに動かしているものであって。

 どんな選択も、私が決めたのならそれでいい。
誰にどんなふうに思われるかなんて、思慮を巡らす必要なんてないんだ。

時の中にいる。

時の中で迷子にならないように。
暗闇でも見失わない、私が此処に居さえすれば。

2024.08.14

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