デスカムトゥルーはゲームなのか?

この記事にはネタバレを多分に含む可能性があるため、気になる方はお帰りください。



僕はネタバレを気にしない側の人間だ。もちろん少数派という自覚はあるので、他人に強制するつもりもない。そういった会話をするときには、前置きをいれるようにもする。にじさんじの静凛が食らったワンピースのネタバレのように、ふとした時に事故が起きることは稀にあるけれども。

言ってしまえば、生き急いでいるからで、エンターテイメントが溢れすぎている現代でより多くを摂取するためにネタバレだろうと容赦なく踏んでるのかなとか思ったり。ゲームとかも攻略情報をガンガン見てます。むしろ死に急いでるのかもしれないけど。

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デスカムトゥルーは、2020年6月25日にSwitch/iOS/Androidで発売されたアドベンチャーゲームだ。PS4/Steamでも後日発売されることが決まっている。

最近では珍しくプレイ動画の公開や実況が禁止されていて、実際に遊んでみたところ、なるほどこれは禁止したくなるのもわかるというゲームであった。

初プレイの面白さを損なわないようにネタバレを控えつつ、感想を書いていくが、正直上記のコメントだけでも分かる人はわかると思うので、気になる人はお帰りください。

雑な評価だけ先に書いておくと、面白かったけどこのボリュームと内容で1,960円は高いなという印象。どうせしばらくは革新をついたネタバレも流れてこないと思うので、セールだったりで買うでもよいとは思う。ただ、栗山千明のファンは買え。栗山千明をずっと見てられるゲームだ。

ということで、簡単にゲームの説明から始める。ホテルの一室で目覚めた主主人公は、記憶喪失であることに気がつく。そして、テレビのニュースでは自身が連続殺人事件の犯人として指名手配されていることを知る。はたして、自分は何者なのか、どうしてこのホテルにいるのかを探っていくというのが大まかな展開となる。

全編が実写ということもあり、映画のように動画を流していくことになるのだが、テストプレイしたのかというレベルで操作性が悪く、なにかボタンを押すと止まってしまったり、巻き戻ったりする。結果的にボタンを一切触らずに、選択肢を選ぶタイミングで止まるまで眺めているだけになったのだが、今度はボタン操作がないためにスリープではないが画面が暗くなってしまい困ることもあった。ただ、このあたりはSwitchで体験したためであって、iOS/Androidではストレスを感じないような気がしないでもない。それもどうなんだという話だが。

一方で、ストーリー自体の完成度はとても高かった。上記のようなゲームの仕様や、細かなところまで作り込まれていて、主演二人の演技も相まって、最後まで飽きずに楽しめた。惜しむらくは、ミステリーものではあるが、ある程度いろいろなゲームに触れている人はどこかでみたネタだな・・・となるであろうことか。一方で、あまりゲームに触れていないライトユーザーであれば、新鮮に楽しめるのかもしれない。

全体のプレイ時間は2~3時間で、途中の選択肢やおまけ要素などをすべてコンプしようとしても10時間もかからないだろう。ストーリーの体験がすべてなので、繰り返し遊ぶようなものではなかった。

前文で少し触れたが、このゲームは栗山千明と遊ぶゲームとしては満点だった。STEINS;GATEでいう牧瀬紅莉栖の立ち位置のキャラとして登場し、主人公とともに、最後まで駆け抜けていく役柄である。栗山千明に故郷の村を焼かれたくない人がいるわけもなく、そういった意味で全人類は買うべきだ。導入から潜入先で縛られて浴槽に放り込まれるわ、潜入がバレたのに情報共有していた相方を疑わないなど、ポンコツぶりも楽しめる。特に地下室に隠れた先で、暑さにやられてスーツのジャケットを脱ぐシーンとかマジでかわいい。「かまいたちの夜」などのように立ち絵ではなくきちんと動画なので、栗山千明の魅力を損なうことなくゲームに落とし込んだ点は素直に称賛したい。オタクの早口。

デスカムトゥルー。もちろんゲームではあるが、実写映画のようでもあり、あまりゲームを遊ばないようなライトユーザー向けの作品であった。フルプライスではないことからも実験作としての立ち位置も強いのだろう。それにしては実況がNGなど、告知や宣伝、布教が難しい作品にしたことをどう考えているのかは気になるところである。

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ネタバレを見ないほうが楽しめる・自身で気づくことが成長につながる作品は確かにあって、シックスセンスのネタバレをするようなやつは有罪でいいと思います。とはいえそういう作品ってどうしたらいいんだろうね。インターネットをやめろ。


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