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幸せを見つけられる人。


__________ちいさなしあわせ。


私には、小さな幸せを見つけるのが
とーっても得意な友達「Sちゃん」がいる。

彼女は高校の女子サッカー部の同級生。

Sちゃんはいつものんびりしていて
怒ることなく穏やか。

2回ほど2人で旅行に行ったこともあるのですが
予定通りに行かなくとも
長蛇の列に並ぼうとも、決して
マイナスなことを口にはしない。

「それは、ちょっと、なぁ」

とめんどくさいことを暗に示すことはあっても
「だるい」
「めんどい」
「最悪」
という言葉はなかなか使わない。

昨日はそんなSちゃんと、
泉州夢花火大会を見に行った。

私は15時まで梅田で予定があったので、
その場所まで迎えにきてくれました。

しかし私の予定はなかなか終わらず、
なんと、2時間も伸びてしまいました。

彼女は同じ建物内のスタバに入って
本を読んで待ってくれていました。

私は彼女をとっても待たせたのに
私が彼女にその日最初に会った時、

「よかった、本屋で読書できた。
 20ページも読めたで〜。」

と私に嬉しそうに話してくれた。

ごめんね、たくさん待たせて。


花火大会の開演は19:15。
大阪梅田から約1時間と少し、かつ徒歩20分ほど。


花火大会の混雑を加味すると、
2時間くらいはかかります。

そう頭の片隅におきながら
17時すぎに大阪を出発しました。


駅は花火大会へ向かう人たちで満杯で
何本か電車を見送りました。

「一本スルーしてよかったね。 
 こっちの方が絶対、楽やわ。」

とにこやかに彼女が話すから、
私は間に合わないかもしれない
ということをすっかり忘れていきました。

花火大会の最寄り駅を出てから
会場に向かう途中、
花火前のドローンショーが始まりました。

ふたりして
「まだ花火は始まってないから大丈夫」
と言いながら、
人混みを進んでいく。

思ったより遠いなぁ、多いなぁ、
もっと早くきてたら
こんなに混まなかったのかなぁ、

と私がもやもや後悔してると

ドローンが「夢花火開幕」と文字を作り、

ヒュ〜〜〜、ドバーーーーン。

大きな花火が打ち上がりました。

花火大会スタート。

ありゃ、始まってしまった。
どんどん内心ネガティブになりながら

外からも花火は見えるけれど
購入した席のエリアまで走る。


走りながら見る花火は
なかなかに青春だったけど

あぁ、楽しみきれてない、、
とも思っておりました。

Sちゃんはというと、

走りながら動画を撮り
席につくことを諦めていない。

2人でなんとか、
とったチケットを会場スタッフに見せ
有料エリアへ辿り着く。

私はもう、この砂浜で
席につかず立って花火を見た方がいいと思い
何度か彼女に「もうここで見る?」と
聞いたけれど、

「いや、自分たちのエリアまでいこ。 
 あと、30分はみれる。」

というので、
パイプ椅子が並ぶエリアまで行きました。

しかし後から来たので
人数分のパイプ椅子が並べられていたとしても

一個空きで座ったり荷物を置いたりと、
みんな好き勝手に座るので
2人の席はすぐに見つからなかった。


花火の時間はあと20分。

立ってみている人がいるあたりで
Sちゃんがついに

「もうここでいっか。」

と言ったのでふたりで立ってみることにしました。


彼女は座ってみることに
前半執着していたようだったから、

私は必死になって席を
探さなきゃいかなかったんだな。と
あとから反省しました。

私のせいで、遅くなったので。


花火が終わってにこやかに
「すごかったねぇ」
とふたりして言い合って

Sちゃんは
「〇〇花火大会も行こっかな。
 みたらもっとみたくなっちゃった。」

とわくわく。

まーーったく怒ってない。
怒ってるようには見えない。

「もっと早くきていたらよかったのに。」

が前面に出ていない様子に対して

「早くきてたらよかったなぁ。」
と思わずにはいられない私は

「いや、私のせいじゃん。」
と気づいて、かなり申し訳なくなりました。


退場規制が始まって
私たちのエリアへの退場アナウンスを待つ間

待ちきれない人たちは早く席を立って出口に向かって行ったので、「座ろっか。」

「やっと座れたねぇ。」
とふたりはパイプ椅子に座りました。

「やっぱ席取っといてよかったな。」

と朗らかにSちゃんがいうから、

「この子はすごいなぁ。
 いい友達だなぁ。」

と思ったし、

「幸せを見つけるのが上手だなあ。」

と改めて思った。


昔、ふたりで旅行に行った時も
高校生の時も、同じことを思ったから。


電車が遅延しても
「ゆっくりできるなぁ。」

行きたかったレストランが定休日で
違うお店に行った時も
「また来る楽しみが増えたなぁ。」
「こっちのお店の方がよかったんちゃう。」

と幸せを見つけられるSちゃん。


いっつものんびりマイペースだから
勝負の場において彼女と話すのは
「それは、ちょっと、なぁ」と思う時もあるけれど

のんびりな彼女に、
幸せを見つけられる彼女を
私は心から尊敬してる。


ごめんね次はちゃんと、
座って花火見られるようにするからね。

来年もまた「花火見たい。」って思ってね。


帰り際、花火チケットに含まれていた
ドリンクチケットを使いぬるい麦茶をゲットし

蒸し蒸しする人混みを歩いて
終電一本前で私たちは家に帰れました。


__________ちいさなしあわせ。


彼女が不幸な時は
本当にないように思える。

だって彼女は幸せを
自分で見つけられるから。

__________ちいさなしあわせ。

ひだまりのような彼女と
末長く幸せ見つけたいなって

ちょっとだけ背伸びさせて。




以上、ご清聴ありがとうございました。

nae'avocado


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