高津臣吾とヤクルトファンが、いつか交差する世界線
東京ヤクルトスワローズの2023年チームスローガンが、1月30日、発表されました。*1
ヤクルトのチームスローガンは例年、11月第4日曜日のファン感謝DAYで発表されていました。
しかし、2022年のチームスローガンが発表されたのは、キャンプインの前々日、1月30日でした。
2021年シーズンは、東京オリンピック期間の休止による期間延長とポストシーズン参戦により、終了が11月27日まで続いたことが影響したのだと思いますので、致し方無いでしょう。
しかし、昨年はポストシーズン終了が10月30日と平年並みに戻ったにもかかわらず、チームスローガンの発表時期はそのまま「結構遅め」だったわけです。今後もこのスケジュール感でいくのかもしれません。
例年どおりの発表時期に戻さなかった高津臣吾が、熟考に熟考を重ね、引っ張りに引っ張った、
渾身の2023チームスローガンが、こちら!
東京ヤクルトスワローズは昨季、球団初の日本シリーズ連覇を逃しました。2勝1分からの4連敗に、身も心も削り取られたヤクルトファンは、その傷の癒やし方を分からぬまま、明後日の年明けを迎えようとしています。
本来なら、戦い敗れてそれこそ傷だらけのヤクルト戦士たちを労い、お茶の一杯でも出してやるのがファンの役割です。
しかし、そんな余裕もなかったというのが、正直な気持ちでした。
──どうしても勝ちたかった。でも、勝てなかった。それはきっと、何か足りないから。何が足りなかったのだろう。セ・リーグ連覇に向けて、あれだけ隙なく戦ってきたのに。一つでも先の塁を狙い、凡打でも全力で走り、目の前のバッターを抑えるために一球入魂で腕を振り、村上宗隆がホームランを打てるよう支える。全員で肩を組み、針一本も入り込めない一枚岩で戦ったのに、なぜ最後の最後に勝利はこの手をすり抜けていってしまったのだろう。何が悪かった? 何かいけないことでもした? どうして高津臣吾は泣かなきゃいけなかったのか──
ネガティブ思考はぐるぐる頭を巡るだけで、何の答えも出ないまま、新年 ─球春到来─ を迎えようとしていた今日、このチームスローガンと、高津臣吾の思いに触れたわけです。
燕(円)陣を組むときの「さぁ、いこう!」。ここが始まりで、これで前を向けるということ。
去年の10月30日から止まったままだった自分が、いきなり戦いのスタートラインに瞬間移動していました。そして、
奇遇だなあ。東京ヤクルトスワローズと、私の目標が同じとは。笑
高津臣吾は、恩師・野村克也を偲ぶ会で、「スワローズウェイ」という言葉を使いました。*2
「ヤクルト球団はかくあるべき」という信念が、この監督にはあります。そのチーム像は、オールドファンの私が、子どものころから見てきた明るいヤクルト、そしてそこに野村IDが加わった強いヤクルト、明るく強く、仲間と一丸となって戦う野球チームです。
そして、その戦い方は、高津臣吾によって令和のスワローズに継承されています。時代を越え、ヤクルトスワローズというチームに合っている戦い方をして、実際、この2年で結果を出してきました。
スワローズウェイで戦うことの正当性を世に指し示すには、『リーグ三連覇・日本一奪還』。これしか道はありません。
それは、昨年の日本シリーズが、このかけ声から始まっているからです。
同じ方向を向いて明後日の新年を迎えようと、心に決めた『日本一奪還』。
この一介のヤクルトファンの「さぁ、行こうか!」が、いつか高津監督に伝わる日がくればいいなと、そんな交差する世界線に空想を巡らせているのです。
明日キャンプ出発の荷造りもせずにね。
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