タイ遠征までの道のり
2023/12/30、でんぱ組.incとミームトーキョーが2/3•2/4タイで開催されるイベントに出演することが告知された。
その当時の心境として、
「タイか…さすがに行けへんな…パスポートも有効期限切れてるし、仕事も休めなさそう…金も無いし…」
と半ば諦め気味だった事もあり、正直言って行かない予定だった。
出演発表後、すぐに新年を迎え、でんぱ組.incやミームトーキョーの年始イベントに当たり前の顔つきで参加していた。
いつも一緒に居るヲタク達と現場で新年の挨拶を交わしたり、何気無い会話をしている中、ふとタイの話題が出た。
「皆、行く?」「行きます!」「タイ去年振りだなぁ、楽しみ」「飛行機取った〜」「私も行きます!」「コップンカー」
そんな会話が私の周りを飛び交うのである。
(皆行くのか…いいなぁ…俺は…弱い…)
「しゅゅんさんは?」
(来たか…)
「いや、ちょっと悩んでます…パスポート無いですし…仕事も金月休むのはちょっとキツそうで…」
「パスポートはすぐ取れますよ!」
「悩んでるってことは、行けるってことだよね。」
「まあ…確かに行けなくも無いですけど…ちょっと考えます」
「そうだね。まだ時間はあるしね。」
「ですね。ありがとうございます」
現場でそんな会話をしたのを覚えている。
以降、時よりタイ遠征のことを考えていた。
丁度年始休みが1/8まであったため、考える時間が沢山あった。
「休みは、一応取れるな…。飛行機代は、っと。うーん、金曜仕事終わってからすぐ行くとして、このプランだと…10万円かぁ…さすがにキツいなぁ…。他のプランも無いかな…うーん」
年始休みが終わり、仕事始めを迎えた。
その頃もずっとタイ遠征の事を考えていた。
おかげで仕事が手につかないのである。
これはいけないと思い、仕事に専念するため、悩んでいる中ではあったがさすがに「諦める」ことを決め、その決意表明としてX(旧Twitter)で断念することをポストした。
その直後、すごく後悔した。
「本当に行かなくていいのか?絶対楽しいに決まってるのに」
ここで、悩んでるってことは行けるってことだよね、と言われた言葉が刺さる。
「やっぱり…行"き"た"い"!!!」
そう思い、「諦め」ることをポストした20分後には「行く」ことを決意表明したのである。手のひらぐるんぐるん。
行くと決めたものの、そう簡単に行くことはできない。
超えるべきハードルがいくつもあったのである。
①2/5(月)休みの取得
②タイイベントチケット入手
③ホテル確保
④パスポート取得
⑤飛行機予約
①、②、③、④は正直余裕だった。
⑤が特にネックだった。
⑤飛行機予約
先に述べたとおり、金曜日の仕事を終えた後にタイへ向かうとすると、予算内に抑えられる便はセントレアを21:15に出発し、翌9:30頃に着く飛行機しかなかった。(約8万円)
当日のイベントが13:00から始まるのを考えると、かなりギリギリ。
保安検査や入国審査が混むと、もしかしたら参加出来ないかもしれない。
それだけは避けたいと色々な方法を考えるが、金曜日の昼〜夕方に防災訓練の予定が入っており、それを何とかしないといけなかった。
そこで自分がとった行動は、
「すみません…どうしても外せない予定があるので、何でもするのでどうか午後休を取らせてください」
ただの頼み込みである。
「ダメだよ、訓練対象者が休んでどうするの?」
「すみません…そこをなんとか…日を変えれませんか?」
「無理。グループワークだから皆の予定もあるし、グループ1人抜けると大変になるよ」
「何でもするので…」
「ん〜。じゃあ同じグループの人皆にOK貰えたらいいよ。後、来年度訓練事務局もやってね。」
「わかりました。」
「あの、皆さんすみません。この日、訓練休ませてください」
「どうせヲタ活でしょ?いいよw どこ行くの?東京?」
「タイです…」
「タイ!? 遂に国外かw もう何も気にせず行っておいでw」
「コップンカー」
結果的に、大量の補習課題と次年度の訓練事務局を担うことを条件に休みを勝ち取ることができ、金曜16:30出発〜1:55に到着する便(58,000円)を予約できたのである。
普段から同僚と仲良くしていたのが功を奏した。
1つハードルクリアである。
しかしそう思ったのも束の間、取った便が上海乗り継ぎだということを全く知らず、行きの道のりで地獄を見たのは言うまでもない。
中国ではSNS規制が激しく、空港のWiFiではYouTubeはおろか、X(旧Twitter)やGoogleすら使えないのである。
Google翻訳を頼りに乗り継ぎを頑張ろうと思っていたが、それも海の藻屑となって消えた。まさに絶望である。
つたない英語で空港の案内人にチケットを見せながら乗り継ぎはどこへいけばいいかを尋ねるも「インターナショナル!インターナショナル!」と連呼されるだけで、もう訳が分からず本当に泣きそうだった。
そこで出会ったのが、見知らぬ50代くらいの男性である。
「乗り継ぎですか?」
「あ、日本の方ですか…そうです…どこに行けばいいか分からなくて」
「チケット見せてみて。なるほど、これならこっちですね」
「あ、ありがとうございます…」
「同じ方向なので、保安検査出るまで一緒に行きましょうか」
「ありがとうございます…ありがとうございます…」
まさに神。惚れました。
そして無事に保安検査も通過し、ゲート前までたどり着くことが出来た。まさに神との出会い。惚れました。
自分も困っている人が居たら助けてあげられる人になろうと強く思った。
こうして、色々な紆余曲折を経て、タイにたどり着けたのである。
ちなみに帰りは余裕綽々で乗り継ぎも保安検査もクリアできました。慣れって怖いね。
タイ行きを悩んでいた時期、行くと決めてから乗り越えてきたハードル達、タイ行き当日の絶望、ほぼタイムアタックだったワットパークナム観光、夜の爆速トゥクトゥク走行、疲労で顔が青ざめた状態でのナイトマーケット&ぺろりすと飲み会、どれもこれも今となってはとてもいい思い出である。
こういった経験を経て、私は強くなれた。
海外遠征は人を強くする。
さあ、皆も海外へ行こう!
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