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名作コラム番外・D.W.グリフィス『イントレランス』 ロベルト・ヴィーネ『カリガリ博士』

 さて、ここの所、時間が空きますと私は結構な割合で
D.W.グリフィス『イントレランス』(1916年・米)
ロベルト・ヴィーネ『カリガリ博士』(1920年・独)
の2作品をyoutubeで眺めています(・ω・)ノシ
 どちらも100年ほど前のモノクロ無声映画ですね。
 何故かと言いますと、以前述べたアウトサイダー文学にも通じるのですが、1922年にジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』、 T.S.エリオット『荒地』、 フランツ・カフカ『断食芸人』、 ヘルマン・ヘッセ『シッダールダ』とアウトサイダー分類され、尚且つモダニズム、表現主義、純文学で革新的な作品が集中して発表される1922年問題の要因を、小説以外の分野に何か無いか?と探していてこの2作品が思い当たったからです。
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 イントレランスは4つの時代を並行して描いたモンタージュ&カットバック手法の黎明期の作品で、更にCGどころか特撮も無い時代に壮大なスケールのセットを作って撮影した事でも著名な作品です。
 モンタージュという手法はご存知の方も多いと思いますが、全く無関係な2つの場面や情報を並べ、観る側に関連性やイメージ、モチーフなどを想起させる手法です。無論、映画の黎明期で手法としては手探りですが、様々な分野に影響を与えたと考えられます。
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 カリガリ博士はゴシックから表現主義~そしてサイコサスペンスの要素まで含む名作です。こちらは逆にリアルさを捨てきった、寧ろ今でいうエッシャーやマグリットをイメージさせるセット(ただし、シュールレアリズムは1924年以降)でダダイズムや表現主義映画を確立させたと言えますね。
 こちらは比較的文学でも良く使われてきた<主観・視点の問題>を映画に持ち込んだ大成功例で、特に映画では今の時代になっても良く使われる手法の元祖です。
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 こうやって見ると本だけだと途切れてた系譜が、別のジャンルを介して納得の流れになる時が時々あると感じます。
 あとはフランスのダダイズム、ドイツの青騎士、あるいは象徴主義など自分が元から好きだったジャンルをもう一度見直して、こういうのを補完して行こうと思います。
 では今宵はこのへんで(・ω・)ノシ


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