宇宙にぽつんと咲いている理由

地震や颱風などによる甚大な被害は、私たちの生活を一変させます。しかし、地球温暖化の影響が颱風の発生回数や強さに関連しているということは結論づけられていませんし、1週間先の天気予報も当てになりません。地震予知も然りで、電離圏異常や地震雲などの兆候の科学的な説明はなされていません。

広大な宇宙は74%のダークエネルギーと22%のダークマーターで満たされており、私たちが直接電磁波を通して知ることができる「この世界」は、宇宙のたった4%に過ぎません。更にその4%の宇宙のうち、99%はプラズマ状態にあり、残り1%の「中性の世界」に私たちは細々と生きているのです。

命の源である太陽の磁場は22年周期で逆転することが知られていますが、地球の地磁気も、360万年で十数回も逆転していることが分かっています。最後の地磁気逆転は約77万年前に起こり、証拠となる地磁気逆転地層は、天然記念物に指定された千葉県市原市養老川流域田淵の「チバニアン」で目にすることができます。地磁気逆転や地磁気大移動の時代には、大量の高エネルギー宇宙線が大気中に侵入し、大気が電離されて気象変動を誘発し、地上の生命体も被爆を免れないと考えらえています。しかし、次回いつ地磁気逆転するのか、実際にどのような影響が齎されるのかは不明です。

さて、地球周辺には、地球軌道に接近する「地球接近小惑星(NEA: Near-Earth Asteroid)」が3万個ほど発見されており、その数は年々増えています。特に月距離の20倍以内まで地球に接近する直径が約100m以上のNEAを「地球衝突危険性天体(PHA: Potentially Hazardous Asteroid)」と呼び、2千個以上が見つかっています。都心に落下しただけで、2千万人の人々の命が失われるような100mサイズの小惑星の推定2/3は未発見であり、NASAは2030年頃までにPHAの9割を発見することを目標に観測を進めています。

一方、JAXA主導で私たちが行って小惑星サンプルリターン探査「はやぶさ」「はやぶさ2」は、「イトカワ」や「リュウグウ」と呼ばれる500m〜1kmサイズのPHAの探査です。JAXAが2024年に向かう小惑星「ファエトン」は、直径5kmもある「ふたご座流星群」の母天体です。私たちが美しいと思って鑑賞している流星群の親玉は、地球を滅ぼす可能性を秘めたPHAなのです。私たちは現在、将来的に地球の脅威と成り得る素性の分からない天体の探査や観測を行なっているとも言えます。

宇宙が誕生した138億年前のビックバンから現在までを1年のカレンダーに収めると、大晦日の除夜の鐘が鳴り始めた数10万年前頃にアウストラロピテクス属からホモ・サピエンスに進化したばかりの赤子が人類です。そして、1895年にイタリア人のマルコーニが無線電信を成功させ、人類が電波という「文明」を利用し始めてまだ130年も経っていません。

私たちは、激動の宇宙の極々僅かな平穏期に、たまたま地球上で知性と文明を神様から与えられた生命体であり、学際的領域の叡智を集結させて生き延びる努力をしないと、必ず滅びる運命にある非常に危うい存在なのです。

(私たちが)「宇宙にぽつんと咲いている理由」ってなんだろう!?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?