倫敦:London20 大英博物館Ⅱ
ガイドブックには「3時間コース」記事があったが、怪しい。
一週間通っても所蔵品800万点は見尽くすことは出来ないと云われている博物館である。そこを絞って「3時間」と提案されてもそれは『あなたの』3時間であって汎用性がない。
ということで、取り敢えず目標もなく足を踏み入れると振り回されることは火を見るよりも明らか。事前に「『最低』見たい10点」を択び、展示フロア・ブロックも明記したメモを持参した。
こうして一部を英国に持ち帰った場合は他の部分をレプリカで補強され全体像を見せている。
サイズが分かるよう人を写し込んだ写真で見て取れるよう本当に大きく、重い遺物だ。
多くの人が写真を撮っているのはモアイ像前面である。博物館にあるモアイ像は保存状態が良く、見るべき所は「後ろ姿」とあった本を読んでいた。
混み合った「前」をすり抜けて「後ろ姿」を撮っていると、やはり不思議がられてしまった。確かにこれまで後ろ姿を意識して見たことはなかった。そもそも写真、映像は殆どが前面であった。
「800万点」も中からこの子に出会う。
残念ながら、ガラスケースに入った「その他大勢」に近い扱い。
しかし、仕事で私はこの子がある図鑑表紙に使われていたことを覚えていて、本当に驚きの出会いだった。こんなにも小さな古の子。
こうして「形」に残された遠い日のうさぎらの生活に思いをはせた。
3時間では全く時間は足りず、半日弱博物館に居た。
もう足も疲れた頃に入った「啓蒙思想の部屋」が実は大英博物館で一番古い部屋だった。Ⅰの冒頭で書いた創設者ハンス・スローン氏がボタニスト(植物学者)であることが色濃く影響された標本室のような、図書館のような部屋。世界の叡智を集め、市民に啓蒙する意味合いの空間。
他の展示室のように人が右往左往していず、ここだけでも二三時間は居られそうだった。明らかに時間配分を間違ってしまった。
当然のことだが、プリントされた大英博物館記事や本の類は人払いされた中で写真を撮られている。実際は場所によってはとても混み合っている。
混んでいようがどうしても見たい物、此処でしか見ることが出来ないもの、以前から気になっていた物等、ある程度事前に決めることをお勧めする。私が10点に絞ったのも、実際は歩き回る中で幾度も足を止める場所が他に出てくるだろうことを想定しての少ない数。結果としては10点で十分だった。
ガイドブックに書かれているほど館内飲食は充実していない。カフェもレストランも絶対数に全く対応していない為、座ってしばしティータイムとはいかないのでご注意を。