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「パディントン2」

原題: Paddington 2
監督:ポール・キング
製作国:イギリス・フランス
製作年・上映時間:2017年 104min
キャスト:ベン・ウィショー(パディントン声)、ヒュー・グラント、ブレンダン・グリーソン、ヒュー・ボネヴィル、サリー・ホーキンス

 クマが主人公の映画はパディントンやプーのように児童向けと凶暴な部分を特化した大人用と二極化する。*「Tedは別」
 このパディントン2は勿論前作を次いでの前者。原作が児童書な為、単純比較は本来無理があるのだがそれでもパートナーと「同じもこもこクマでもイギリスで描かれると小さな紳士、アメリカ(Ted)では品性を失うのね」と苦笑談話をしてしまう。

 前作を観ていない観客のために短い導入があった。勿論、「マーマレード・サンドイッチ」と一緒の救助シーン。このマーマレードは当然今回もキャステイング並に登場する。

 ポスターの二次元では伝わらない愛くるしさと人間でいうところの人柄が映画では存分に発揮される。会話と共に印象的なこの愛らしい瞳の饒舌。こぐまの愛くるしさが映画全編にあり零れ落ちそうなほど。

 この『動く』パディントンを観たさに映画館へ足を運んでしまった。平日の夕方訪れたが日比谷の映画館で自分たちのことを棚に上げて申し訳ないが大人が多く鑑賞していて驚く。

 映画は1・2共に児童、家族向けの作りではあるが、そこを大人にまで見せてしまう所は監督・脚本のポール・キング氏の力だ。今回の立役者の一人は敵役、一応「悪役」を演じたヒュー・グラント。決して児童に迎合した演技ではない部分で大人の観客をも楽しませてもらえた。ラブコメのイメージが強いヒュー・グラントはラブコメでブレイクする前はコメディもしたかったらしく、今回のオファーは問題がなかったそう。役柄的には自虐的にも取れる過去の栄華にすがる俳優役であっても懐の深さを反対にみせてくれる。

 囚人たちからも恐れられている刑務所内で一番凶暴な囚人兼シェフ役のブレンダン・グリーソンも映画をお子様向けだけにしなかった功労者の一人。

 囚人でさえ悪人に徹しきれていない家族向け映画ではあるが、絵本を読むように少しの冒険とミステリー入門編を楽しむ時間もそう悪くない。
 日本映画公開よりも先に話題で入ってきた写真を最後におまけ。
 ★★★


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