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「マネーモンスター」

原題:Money Monster
監督:ジョディ・フォスター
製作国:アメリカ
製作年・上映時間:2016年 99min
キャスト:ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ、ジャック・オコンネル

 投資に失敗した青年カイル役、ベルファスト’71で観ただけの俳優だったが、J・クルーニーとJ・ロバーツに脇を固められると経験不足感も無くバランスは取れていた。全体として配役と俳優実年齢に違和感がないと観易い。
 99minが短くて内容が収まっていない云々はなく、99min程度のもの。寧ろ時間を長くする場合は至る所かなり安直に進めていた部分を書き直す必要がある。何が何でも120min越で微に入り細に入りの作りは不要だ。娯楽は娯楽。
 「マネーショート」のように経済用語飛び交う込み入った映画ではないので予備知識なしでも理解できる。だが、あまりに要約した感はあり、意図的に消されたお金の経緯はもう少し説明があっても饒舌にならず内容に深みを与えたのではないか。
 予定調和的に全ては進み、終わる。監督、俳優陣、製作国等で予想した通りでその意味では大きく裏切られてはいないが、欲をいうと良い意味で裏切られることを待っていたので残念。
 「麻痺社会」の画が幾つか挟まれていく。話の大筋と関係ない部分の描写に日米の差がなく、映画の世界では留まらないこともあって印象に残る。この短い時間の挟み込みは「短い映像」故に影のように主役を引き立てる。ワイドショーの自分は傷つかない位置からの他人の不幸を傍観する趣味の悪さは広がりを止めない。この映画の小道具「株」もそうであるがリアルに現実を関わらないvirtualな世界ではどんなに熱くなっても躰の何処にも火傷は残らない。
★★☆

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