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◇スライゴーを愛したW.B.Yeats

 彼から簡単に飛ばされた「Yeatsが眠る教会」へはどうしても行きたくて、来た道を引き返す形でルートN13-N14-N15を約126kmをロンドンデリーからスライゴー州にあるDrumcliffe Cemeteryを目指し南下する。時間にして2時間近く。

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 ダブリンを基準に見ると位置としては島の東西反対側にスライゴーが在る為、今回を逃すと次回の訪問は厳しいと考えArmaghへ行く前に回り道に近い形ではあるが引き返すことの方が合理的にみえた判断である。

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 驚いたことは、とても交通の便が良い場所ではないこの教会へ多くの人が訪れていること。場所柄、交通手段は車しかない。うっかり通り過ぎてしまいそうになる程小さな村である。其処に観光バスさえ立ち寄る意味が「詩」に全く興味が彼には想像だに出来なかった。

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 私は生まれて初めて親族外の墓地を写真に収めた。撮影に際して多少、心苦しかったけれども遠い日本からはるばる訪れたことに免じてお許してください、と十字を切って。
 書物だけで知っていた彼がここに眠っていることが、とても不思議な感覚だった。過去の人ではなく「生きていた人」として、今はお会いできない方にも拘わらず現実がそこに在ったと表現したら伝わるだろうか。

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 教会は大きな建築物ではなかったが、これまで拝見してきたアイルランドの石造りがどうしても暗く重い印象になる中、ドラムクリフ教会では光を感じた。

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 外観からでは想像できない多用されている木が伝える温もりと程よい採光によりいつまでも座っていたくなる御堂だった。

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 Yeatsは1939年にフランスで生涯を閉じているが彼の曽祖父が当教会の司祭だったことから、本人の遺言でここの場所に葬られたとのこと。Yeatsがこよなく愛した緑豊かな地スライゴーに永遠に眠ることができたことは大きな喜びに違いない。

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 *ネットから写真拝借
  二週間近く滞在し天候は私が撮った写真で分かるように曇りか小雨が殆どだった。

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