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In Hearts Wake 『Earthwalker』(2014)

2006年にオーストラリアByron Bayで結成された環境問題訴える系メタルコアバンド。

当時平均年齢17歳だったJake Taylorを中心に2007年、1stデモEP『Into the Storm』を作成、ドラムのCaleb Burtonを加え2nd EP『The Gateway』を完成させる。
そのサウンドが業界のプロデューサーの耳に留まり、大手レーベルUNFDと契約、晴れて2012年に『Divination』でデビューを果たす。
このアルバムはARIA Chartsで最高位27位まで上り詰めた。

このアルバムプロモーションツアーでCounterpartsとオーストラリアを回ったり、The Amity Afflictionとヨーロッパを回ったりしながら徐々にシーンの知名度を高めていくと、ついにオーストラリアの最大のロックフェスの一つであるSoundwave Festivalに呼ばれるようになる。

絶好調で環境問題を訴えまくっていた2014年に発表された本作『Earthwalker』も大きな期待を持って迎えられた。

ブレずに環境問題に焦点を当てたメッセージ性の強いアルバムで、歌詞は鋭く社会に問いかける内容で溢れており、サウンドはヘヴィかつ広がりのあるLinkin Park風王道メタルコア。

Earthwalker


ジャケットに写っている自然と同化している顔シリーズは今作が一番好き。

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Jake Taylor -vocals
Ben Nairne-guitars
Eaven Dall-guitars
Kyle Erich-bass/vocals
Caleb Burton-drum
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■Gaia
幕開けを予想させる壮大な序章

■Earthwalker
環境問題を壮大に訴えるサウンドと歌詞が大仰に響き渡るメタルコア。
Amitty AfflictionのJoel Birchがゲスト参加している。
コーラスの「We give everything, everything just ti feel alive..」のフレーズがクリーンで切なくて、どんな迷惑系環境活動家の行動よりも刺さるような気がする。
といいつつも、ブレイクダウンはなかなか過激派です。


■Divine

空間の広がりがあるクリーンで強力なロックサウンドを展開するミドルテンポチューン。
Jake Taylorのシャウトは、力強く切なさも残る独特の味わいが心地よい。
どことなくIn the Endのチェスターベニントンを感じさせる。


■Sacred

フックがある、、というかアラーミング性の強いギターリフから、ずっしりと重いギターサウンドに支えられたヴァース、そしてクリアなコーラスに心を撃ち抜かれる。

■Gravity

タイトル通り、重心の低いリフとドラムビートがちゃんとメタルコアながら、何層にも重ねられたVoワークや、裏で鳴る様々な電子音バリエーション、見た目以上に複雑ギターワークを加えることで、知的な側面を見せてくる。


■Healer

冒頭にハッとする清楚な風が吹き抜けたかと思いきや、複雑なリズムとそれを正確無比に再現する単音リフの轟音が落ちて来て、冒頭の爽やかな風と入り混じるコンポジットな展開。

■Rebirth
α波出まくりの癒しの風。
しばし清涼感に包まれてください。

■Afterglow
新日プロレスで活躍するロビーイーグルスのテーマソングとしても名高いメタルコアチューン。
ゆったりピロピロした開幕から突如、突進力のある疾走を始め、ガツっとしたグロウルとクリーンが混ざる聞き応えのある一曲。
ブレイクダウンが機械的な無機質さを伴う落とし具合で、破壊力を高めている。

■Truenorth
切れ味鋭いバッキングと、ズガガガっていうあの鋼鉄感あるダブルペダルを酷使したビートがコア感を高めるヘヴィモダンなチューン。
一転、コーラスはメロい展開に。
キングジョージフォールズ(オーストラリアで最も有名な滝)のような急激なブレイクダウンも聴きどころ。


■Wildflower
メタルコアバンドがよくやる王道バラードの甘いメロディをまったりふりまくのかと思いきや、後半に熱いデスシャウト混じりの激情サウンドで豪快に締める強めのスローバラードチューン。


■Mother
メッセージ性の強いマザーアースを感じる語り。


総合満足度 86点(環境問題を訴える際に流したいレベル)

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