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AIのべりすと怪文書『無限信長』

 織田信長は相変わらず真っ赤な六尺ふんどし一丁という潔い姿で、「お、おお……っ」と、その迫力に圧倒されていた。
「この信長が……この信長が、うぬのごとき小童に……」
 と、わなわなと震えつつ、
「お……覚えておれ! お、おれは必ずや天下を統一し、うぬを地獄の果てまで追いかけてでも殺す!」
「はははは。楽しみにしているよ」
 信長は、そんな信長の怒りもどこ吹く風で笑い飛ばした。
 そう、この物語は織田信長の織田信長による織田信長のための物語である。なぜなら、天下布武、天下統一を成し遂げるその日まで、織田信長は増殖し続けるからだ。織田信長の織田信長による織田信長のための物語は、すでにはじまっている。
 そして、織田信長はひとりだけではない。この信長もまた、その信長のひとつにすぎないのである。そう、当時は日本中に何人もの信長たちがいた。
「な……、なんとうぬは天に愛されておるのだ! お、おお、おおおお……」
 信長の怒りと絶望は天井知らずに膨れ上がっていく。そして、やがて臨界点を超えた時、その怒りが破裂し絶叫へと変わる。
「おおぉおおおおおお~~~ッ!」
 織田幕府とはなにか? それは織田信長たちによる織田信長たちのための歴史だった。
 信長たちは互いに争いあい、そして殺しあった。だがしかし、一人の信長が死ねば、また一人、別の信長がその座を虎視たんたんと狙っていた。
「おおぉおお~~っ!」
 織田信長は、この乱世を終わらせるために天下布武の旗印を掲げた。だがしかし、それは同時に新たなる戦乱の幕開けでもあった。そして今、織田信長たちは互いに争いあい殺しあい、その数を減らしていく。だがしかし、それでもなお、信長は増え続けるのだった。
「おおぉおお~~ッ!」
 信長は次々と自らを生み出していく。彼らは、織田信長の織田信長による織田信長のための物語の主人公である。その物語は、やがて終幕を迎えるだろう。それは、新しい歴史の幕開けか、あるいは信長たちによる信長たちのための新たなる信長の物語か……それはまだわからない。だがしかし、いずれにしろ信長は増え続けるのである。
「おおぉおお~~ッ!」

 織田信長にはそれぞれ個体識別番号がふられていた。これは、織田信長たちがそれぞれ「織田信長」という認識番号をふられ、その番号を互いに確認しあうためのものであった。
 すなわち、「織田信長は1番」である。そして、信長たちの個体識別番号は多種多様だった。もちろん個体識別番号が多くなればなるほど優秀だとみなされていた。そんな信長たちは今、とある山中で激しい戦闘を繰り広げていたのだった。
「うおぉおおお~~っ!」
 それはまさに戦国時代の戦そのものともいえた。信長は鉄砲を携えた兵士たちを次々と撃ち抜いていく。
「くっ! お、織田幕府軍め!」
「こ、このままでは全滅するぞ!」
 次々と倒れゆく兵たちは悲痛の叫びをあげた。だがしかし、信長にとって彼らは敵以外のなにものでもないのである。
「おのれぇええ~っ! おおぉおお~~っ!」
 信長の咆哮が戦場に響き渡った。その叫びに呼応するようにして、さらに激しい戦闘が繰り広げられていくのだった……。

 明智光秀は無数の信長たちの中から、その個体認識番号を確認できた。
「あの個体は1番の織田信長だ」
 光秀は、その信長が他の信長たちよりも優秀な個体であると判断した。そして、光秀はその信長を標的として狙いを定めると、鉄砲を撃ち放った。
「うおぉおお~~っ!」
 1番の信長は、次々と撃ち放たれる弾丸を避けながら反撃に転じた。だがしかし、多勢に無勢であった。やがて1番の信長は無数の銃弾を浴びて倒れた。
「く、くそ……無念……」
 そうして1番の信長は絶命した。それと同時に、他の信長たちも次々と倒れていったのだった。こうして、織田信長軍による織田幕府軍の駆逐に成功したのである。
「これで織田幕府も終わりだ」と光秀は安堵したが、そうはいかなかった。なんと、生き残った織田信長たちが次々に増殖を始めたのである。
「な、なんだこれは?」
 光秀は驚愕した。そしてそれは、他の兵たちも同様だった。信長たちの増殖はまるでスープカレーを作るかのように、鍋の中で煮詰められていくかのようだった。
「お、織田幕府が……」
「うぉお~っ! 織田幕府がぁあああ~っ!」
 1番の信長は増殖する個体の中から光秀の姿を見つけると、その個体認識番号を叫んだ。そして同時に、光秀もまた1番の信長を認識番号を確認したのである。
「あの個体は……1番だ」
 そう、この物語は織田信長による織田信長のための物語である。

 柴田勝家は、無数の織田信長の中からその個体認識番号を確認できた。
「あの個体は……1番の織田信長だ」と、勝家はつぶやいた。そして、勝家が狙いを定めると同時に、鉄砲を撃ち放った。だがしかし、すでに銃弾が1番の信長を襲う直前であった。
「く! しまった!」
 1番の信長は死を覚悟した。だがしかし、そうはならなかった。なんと柴田勝家の背後にいた織田信長が彼をかばって銃弾を受けたのだった。
「う、うぅ……」
 1番の信長をかばった織田信長は息絶えた。そして1番の信長は生き残ったのだった。だがしかし、同時に無数の織田信長の中から個体認識番号が喪失し、その信長たちが死に絶えたのだ。
「これで織田幕府も終わりだ」と勝家は安堵したが、そうはいかなかった。なんと、生き残った織田信長たちが次々と増殖を始めたのである。
「な、なんだこれは?」
 勝家は驚愕した。そしてそれは他の兵たちも次々と信長化していく様は、まるでカレーを作るかのように鍋の中で煮詰められているかのようだった。
「お、織田幕府が……」
「うぉお~っ! 織田幕府がぁああ~っ!」
 1番の信長は増殖する個体の中から勝家の姿を見つけると、その個体認識番号を叫んだ。そして同時に、勝家もまた1番の信長を認識番号を確認したのである。
「あの個体は……15248020番だ」
 勝家はバズーカ砲をかまえ、その個体に狙いを定めると発射した。だがしかし、すでに弾丸が1番の信長に襲いかかろうとした瞬間だった。
「く! しまった!」
 1番の信長は死を覚悟した。だがしかし、そうはならなかった。なんと勝家の背後にいた織田信長が彼を庇って銃弾を受けたのだった。
「う、うぅ……」
 1番の信長をかばった織田信長は息絶えた。そして1番の信長は生き残ったのだった。だが、信長たちが縦横無尽に何人もの信長たちを増殖し続けていたため、個体認識番号が喪失したのだ。
「これで織田幕府も終わりだ」と勝家は安堵したが、そうはいかなかった。なんと、生き残った織田信長たちが次々と増殖を始めたのである。
「な、なんだこれは?」
 勝家は驚愕した。そしてそれは他の兵たちも次々と信長化していく様は、まるでカレーを作るかのように鍋の中で煮詰められているかのようだった。
「お、織田幕府が……」
「うぉお~っ! 織田無道!」
 1番の信長は増殖する個体の中から勝家の姿を見つけると、その個体認識番号を叫んだ。そして同時に、勝家もまた1番の信長を認識番号を確認したのである。
「あの個体は……15248020番だ」
 勝家はバズーカ砲をかまえ、その個体に狙いを定めると発射した。だがしかし、すでに弾丸が1番の信長に襲いかかろうとした瞬間だった。
「く! そ! た! れ! がぁあああああ~っ!」
 1番の信長は死を覚悟した。すると、空から呂布のふんどしが舞い降りてきて、そのふんどしが弾丸を跳ね返したのだ。そして1番の信長は生き残ったのだった。だがしかし、個体認識番号が喪失したために織田信長たちが死に絶えたのだった。
「これで織田幕府も終わりだ」と勝家は安堵したが、そうはいかなかった。なんと、生き残った織田信長たちが次々と増殖を始めたのである。
「な! なにぃい~っ!」
 勝家は愕然とした。そしてそれは他の兵たちも同様に織田信長化していったのだった……。

 こうして、日本人男性の9割が織田信長と化したので、信長ではない男性たちは希少価値が高い存在として特別天然記念物に指定され、保護されることになったのだった……。
 織田信忠は、無数に増殖する織田信長の中からその個体認識番号を確認した。そしてそれは1番の信長であった。
「あの個体は……1番だ」
 そう、この物語は織田信長による織田信長のための物語である。すなわち、日本人男性たちの9割が織田信長と化したのであった……
 徳川家康は、無数の信長の中からその個体認識番号を確認した。そしてそれは1番の信長だった。
「あの個体は……1番だ」
 そう、この物語は織田信長による織田信長のための物語である。すなわち、日本人男性たちの9割が織田信長と化したのであった……
 今川義元もまた、無数の信長の中からその個体認識番号を確認した。そしてそれは1番の信長だった。
「あの個体は……1番だ」
 そう、この物語は織田信長による織田信長のための物語である。すなわち、日本人男性たちの9割が織田信長と化したのであった……。
 北条氏康もまた、無数の信長の中からその個体認識番号を確認した。そしてそれは1番の信長だった。
「あの個体は……1番だ」
 そう、この物語は織田信長による織田信長のための物語である。すなわち、日本人男性たちの9割が織田信長と化したのであった……
 最上義光もまた、無数の信長の中からその個体認識番号を確認した。そしてそれは1番の信長だった。
「あの個体は……1番だ」
 そう、この物語は織田信長による織田信長のための物語である。すなわち、日本人男性たちの9割が織田信長と化したのであった……
 豊臣秀頼もまた、無数の信長の中からその個体認識番号を確認した。そしてそれは1番の信長だった。
「あの個体は……1番だ」
 そう、この物語は織田信長による織田信長のための物語である。すなわち、日本人男性たちの9割が織田信長と化したのであった……

 織田幕府軍も、織田信忠率いる織田幕府軍によって駆逐されたのだった。だがしかし、それでもなお増殖を続ける信長たちを止める術はなかったので、堺の商人たちは信長を絶滅させるべく、織田信長のクローンを作ろうと決意したのだった……。
 織田信忠は、1万体の織田信長が増殖する光景に愕然とした。そして、「こんなことがあっていいのか……」と絶望に打ちひしがれた。だがしかし、それでもなお信長たちの増殖は止まらないのである……
「おおぉおお~っ!」
 1万体の織田信長たちは雄叫びをあげた。その雄叫びはまさに地響きとなり、大地を震わせた。
「おおぉおお~~っ!」
 真っ赤な六尺ふんどし一丁という潔い姿の信長たちは一斉に、さらに潔くふんどしを脱ぎ捨てた。
「おおぉおお~~っ!」
 1万体の信長たちは一斉に、さらに潔くふんどしを脱ぎ捨てた。
「おおぉおお~~っ!」
 真っ赤な六尺ふんどし一丁という潔い姿の信長たちは一斉に、さらに潔くふんどしを脱ぎ捨てた。そしてそのまま、全裸のまま駆けだしたのだった……
 織田信長は増殖する。織田幕府軍も蜂起する。その勢いはもはや誰にも止められないのだ……

「天下統一よりも先に信長公の統一じゃ」
 かろうじて信長化を免れた徳川家康は、織田幕府軍に対して反撃を開始したのだった。
「お、おのれぇええ~!」
 織田信長は怒り狂った。そして、1万体の信長たちはさらに増殖したのだった……。
「おおぉおお~~ッ!」
 1万体の信長たちは一斉に雄叫びをあげた。その雄叫びはまさに地響きとなり、大地を震わせた。
「おおぉおお~~ッ!」
 真っ赤な六尺ふんどし一丁という潔い姿の織田信長たちは一斉に、さらに潔くふんどしを脱ぎ捨てた。
「おおぉおお~~っ!」
 1万体の信長たちは一斉に、さらに潔くふんどしを脱ぎ捨てた。そしてそのまま、全裸のまま駆けだしたのだった……
 織田信長は増殖する。織田幕府軍も蜂起する。その勢いはもはや誰にも止められないのだ……

 奥州の津軽為信はスマートフォンで、備前の宇喜多直家に電話をかけた。
「もしもし、直家殿か? わしじゃよ」
『おお! 為信殿!』
 電話越しでも伝わってくる活気あふれる声だ。津軽為信は、この声にいつも勇気づけられていた。
『して、今日は何用でござろうか?』と宇喜多直家が問うと、津軽為信は答えた。
「実はな……信長が増殖しておるらしいのじゃ……」と。すると宇喜多直家は驚きの声を上げた。
『な、なんと! それは真でござるか!?』
「うむ。間違いない」
 津軽為信は断言した。すると宇喜多直家は『う~む』とうなった。
『では、我らも信長対策を講じねばなりませんな……』と宇喜多直家が言うと、津軽為信はうなずいた。そして二人は相談しあいながら、今後の方針を決めたのである……

 織田信長は増殖する。織田幕府軍も蜂起する。その勢いはもはや誰にも止められないのだ……
 豊臣秀頼もまた徐々に信長化していく自らの肉体を恥じていた。このままでは豊臣幕府が滅びてしまうと。
「誰か……助けてくれ……」
 秀頼は泣き叫んだが、誰も助けにくる様子はない。
「おぉおお~~っ!」
 真っ赤な六尺ふんどし一丁という潔い姿の織田信長たちは一斉に、さらに潔くふんどしを脱ぎ捨ててフルチンになった。
「おおぉおお~~っ!」
 真っ赤な六尺ふんどし一丁という潔い姿の織田信長たちは一斉に、さらに潔くふんどしを脱ぎ捨ててフルチンになった。
「おおぉおお~~っ!」
 真っ赤な六尺ふんどし一丁という潔い姿の織田信長たちは一斉に、さらに潔くふんどしを脱ぎ捨ててフルチンになった。
「おおぉおお~~ッ!」
 1万体の信長たちは一斉に雄叫びをあげた。

『ドキッ! 信長だらけの水泳大会』という番組がテレビで放送されることになった。
「これは、織田信長たちが競泳をして競い合うという番組です」と司会者は言った。すると信長たちは一斉に言った。
『うぉお~っ!』
 そして番組は始まった。1番の信長から順番にプールへと飛び込んでいく。そして次々とゴールしていくのだった……
 1番の信長は、プールサイドでふんどし一丁のまま待機していた。他の信長たちはすでにプールに飛び込み、泳ぎ始めていたのだ……
「おぉおお~~っ!」
 1番の信長がプールに飛び込む。すると、他の信長たちも一斉に飛び込んでくるのだった。
「おぉおお~~っ!」
 2番の信長も、3番の信長も、4番の信長も……次々と飛び込んでいく。そして次々にゴールしていくのだった……
 しかし1番の信長だけはまだ泳いでいた。彼は依然として泳ぎ続けていたのである。
「おおぉおおお~~っ!」
 1番の信長は叫び声を上げながら、必死に泳ぎ続けた。そしてついに彼はゴールしたのだった。
「おぉおお~~っ!」
 2番の信長がプールに飛び込むと、他の信長たちも一斉に飛び込んでくるのだった。そして次々とゴールしていく。
「おおぉおお~~っ!」
 3番の信長も、4番の信長も、5番の信長も……次々とゴールを決めていく。そしてついには1番の織田信長だけがまだ泳いでいた。
「おぉおお~~っ!」
 1番の信長は叫び声を上げながら、力強く放屁した。さらに、ふんどしを脱ぎ捨てた。
「おおぉおお~~っ!」
 2番の信長も、3番の信長も、4番の信長も……次々とゴールしていく。そしてついには1番の織田信長だけがまだ泳いでいる。
「おぉおお~~っ!」
 1番の信長は叫び声を上げながら、力強く放屁した。さらに、ふんどしを脱ぎ捨てた。そしてそのまま泳ぎ続けるのだった。
「おぉおお~~っ!」
 2番の信長はスープカレーを食べていた。すると他の信長たちも次々と食べ始めるのだった……
「おぉおお~~っ!」
 2番の信長はスープカレーを食べていた。すると他の信長たちも次々と食べ始めたのだ……
 3番の織田信長も、4番の織田信長も、5番の織田信長も……次から次へと食べていく。そしてついには2番の織田信長だけしか残っていなかった……
「おおぉおお~~っ!」
 2番の織田信長が叫ぶと、他の信長たちは一斉に拍手した。

 こうして、織田信長の織田信長による織田信長のための天下統一は果たされた。

『無限信長』(完結)

【聖飢魔II - 織田信長】

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