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「祖先崇拝」への憎しみ

【2023年 ジャパンカップ(GⅠ) イクイノックス【カンテレ公式】
 私はイクイノックスの最後のレースの圧勝をグリーンチャンネルの生中継で観た時は、あまりにも強過ぎて笑った。しかし、約半年後にYouTube動画で改めて観たら、「強いを通り越して怖い」「強過ぎて気持ち悪い」という、やや否定的な感覚になっていた。私は明らかに、当時より精神状態が悪化していた。なぜか?
 多分、あるYouTube動画のコメント欄に「競馬好きは優生思想との親和性が高い人が多そうだ」というコメントが投稿されているのを読んだのがそのきっかけだろう。それゆえに、私は自分が『ウマ娘』経由で競馬に興味を持つようになった事に対して、さらには30年以上も『ファイブスター物語』(以下、FSS)の愛読者でいる事自体に、疑問や罪悪感、違和感や嫌悪感を抱くようになったのだ。
 競走馬は種族単位で実質的に「世襲制の職業」だ。FSSの騎士やファティマや科学者たちや魔法使いたち、さらにウマ娘たちは存在自体が優生思想そのものである。私はそれに対して自己嫌悪に取り憑かれた。なんだ、私はまさに「肉屋を支持する豚」ではないのか?

 今世紀に入ってから、オタク業界で「メイドブーム」が始まった辺りから、私はそれに対して「きな臭さ」を感じた。日本社会は再階層化が始まったし、ましてやそれを潜在的に歓迎すらする人たちまでもいるようだ。私は今の日本社会が憎い。

 私は物心がつく前に実父を白血病で亡くし、母親は生活のために再婚した。しかし、私は継父とその連れ子たち、さらにはその親族たちが嫌いだった。そして、母方の親族が信仰している新興宗教が、芸能人などの「上級信者」たちが教団を通じて一般人の「下級信者」たちを経済的にも精神的にも搾取しているカルト宗教だと知り、私は子供の頃から嫌いだった伯母(私の母の実姉)をさらに憎んだ。この女の悪影響で、私の気弱な叔母たち(まともだった母と末の叔母の間にいた妹たち)はカルト宗教に囚われたのだ。
 そんな身の上ゆえに、私は「祖先崇拝」的な価値観を憎んでいる。そして、あるYouTube動画のコメント欄に次のようなコメントがあった。
《先祖なんて憎悪の対象にするべきじゃないの? 私達を縛り付ける全ての悪の根源として》
 私はインスタグラムで、ある馬の動画を観た。その血統表を見ると、父はサラブレッドの某名馬(前述のイクイノックスと同じくサンデーサイレンス系だが、イクイノックスとは直接の関係はない)だが、母は名もなき雑種馬だった。私はこの馬が気の毒に思えた。この馬の母親は、この子の父親の種牡馬としての能力を試すための実験台だったのだ。そして、母親が正規のサラブレッドではないゆえに、この馬は競走馬として認められなかったのだ。あたかも、歌舞伎俳優の隠し子のように。
 私自身は正当な婚姻関係から生まれた子供だが、実父の死後に母親が再婚して継父の(珍しいがダサい)苗字を押し付けられたゆえに、「孤児」や「庶子」に対して感情移入してしまうのかもしれない。私は毒家族・毒親戚に囲まれ、学校や職場でいじめられて育ったので、精神的に汚染された。それゆえに、私は恋愛や結婚や子孫を残す事をあきらめた。そう、私の「祖先崇拝」的な物事に対する憎しみとは、私自身の境遇によるものである。

【Dream Theater - Pull Me Under】
 念のため言っておくが、「ドリームジャーニー」ではないよ。

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