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「更に“より薄汚く”“より生々しい”部分もミックスさせるというアイデアだったんだ」-マット・クレイ(SHADOWSTRIKE)インタビュー

 2019年にリリースしたデビュー・アルバム『LEGENDS OF HUMAN SPIRIT』がメロディック・スピード・メタル・ファンの間で話題となったSHADOWSTRIKE。それから2年の時を経て彼らから新作が届けられた。『FABLES AND FOLKLORE』と題されたそのEPは、ファンが望む要素を盛り込みつつ、驚異の成長を遂げつつある彼らの、音楽に対する飽くなき挑戦が如実に表れた渾身の作品となった。ここではリーダーでヴォーカルのマット・クレイに、新作の魅力や今後のバンドの展望等について語ってもらった。

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-2019年にリリースされたデビュー・アルバムは日本で高い評価を受けました。実際アルバムをリリース後、世界中からの反応は如何でしたか?

マット・クレイ: 反応は計り知れないものだったよ! 違う文化や場所の多くの人たちが俺たちの音楽にとても共感してくれたことに非常に驚いたし、とても幸せだった。

-そしてデビュー・アルバムを出してから2年が経過しました。その間にコロナ・パンデミックが全世界で起きたわけですが、皆さんはこの2年間はどう過ごしていましたか?

マット: バンドとして、俺たちは成長し続けるために改善を続け、計画を練り、作曲、録音をして前進を続けてきたんだ。将来的にはたくさんのことを計画している。新しい音楽をリリースするのが待ち遠しいよ。

-以前あなたは健康状態が良くない時期があったと言っていましたが、今調子はどうですか?

マット: 俺も含め、バンドのみんなハッピーで健康そのものさ!

-新作は何故アルバムでは無くEPにしたのでしょうか? 元々そういう計画だったのでしょうか?

マット: 勢いを持続させたかったという考えからかな。セカンド・アルバムはデビュー作『LEGENDS OF HUMAN SPIRIT』より大きく良いものにしたいと思っている。セカンド・アルバムをリリースしようと思えば出来たけど、急ぎたくは無かった。EPのほうが新しい曲を“出来たて”の内に発表できるし、ファンにはセカンド・アルバムを待ってもらっている間、ちょっとした贈り物になると思ったんだ。

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-EPのタイトルを『FABLES AND FOLKLORE』にした理由は? このEPを作るに当たってコンセプトは有りましたか?

マット: もちろんさ! 俺たちの曲にいくつかのフォーク要素を混ぜ、更に“より薄汚く”“より生々しい”部分もミックスさせるというアイデアだったんだ。 タイトル・トラック“Fables And Folklore”と“Space Pirates (From The Boomerang Nebula)”では、多くの民俗要素を聞くことができるはずさ。ただ フォーク・メタルのEPは作りたくなかった。むしろ、パワー・メタルのフレーヴァーにメロディックでリズミカルな要素を加えたかったのさ。

-EP『INFINITE POWER』の曲を除く、日本盤に収録された4曲はデビュー・アルバムリリース後に作った曲でしょうか? それとも以前から持っていたアイデアでしょうか?

マット: 4曲とも全部今年になってこのEPの為に書いた曲だよ。

-新曲4曲をそれぞれ解説してもらえますか。

1. Once Upon A Beginning
この曲はペースが速く、且つメロディックで壮大さを持ち合わせている。これはEPからのシングルとしてリリースした曲でもあり、ファンが俺たちの音楽に期待しているものに最も近いサウンドだと思う。ここでの民俗要素は、ちょっとしたリズムのチョイスと自然についての歌詞だね。

2. Fables And Folklore
この曲は俺たちがいつも書いて曲と比べたら遅い曲だね。アメリカやヨーロッパの民族音楽から多くのヒントを得た、ストレートなアンセムさ。

3. Space Pirates (From The Boomerang Nebula)
これは10分に及ぶ巨大な叙事詩。この曲のテーマは、宇宙海賊が宇宙港を破壊しているときに孤児を見つけ、その子を養子にして、もう一人の子供が戦死したときに子供船長になるという話。この曲は、爆音のコーラスを多用した曲で、ENSIFERUMやTURISASといったバンドからインスピレーションを得たんだ。この曲でユニークなのは、ストーリーを盛り上げるために声優を起用していること。このアイデアは、将来的にもっと活用できるかもしれないね。

4. Distant Shores
アコースティック曲の無いフォーク・アルバムが存在すると思うかい? こいつはこのEPを、ちょっと小粋にまとめるための曲さ

-日本盤にはスペシャル・ボーナス・トラックとして『INFINITE POWER』の曲を収録しています。これらの曲は新曲と比べても全く劣らない完成度で、この時から既にバンドの確固たるアイデンティティーが確立されている事を証明しているように思えます。当時どんな気持ちでこのEPを制作していましたか?

マット: このEPを作った時、一番若いメンバーは高校生だったんだ! ぶっちゃけると、全てのレコーディングはメンバー4人が持っていた、それぞれの家のノート・パソコンで行われたんだよ。めちゃくちゃDIY(お手製)だし、クオリティが楽曲に表れているよね。あと同時に、この時初めてオーケストレーションと8bitチップ・チューン・サウンド(ファミコンのような音)に挑戦したんだ。元々は『INFINITE POWER』をファースト・アルバムにしようと考えていたんだけど、結局その案はボツにして、5曲を録音してそれをデモかEPにしようってことになったんだ。フルレンス・アルバムは質、プロダクション、そして音楽的にも最高の物に仕上げたかったからね。

-その『INFINITE POWER』ですが、リレコーディングする計画もあると聞きました。いつ頃実現しそうですか?

マット:そうなんだ。ずっとそのことを俺たちは考えていた。“Gales Of Winter”はデビュー・アルバムでリレコ収録したのは知っているよね? ただその時多くを語らなかったのは、どうなるかまだ分からなかったから。バンドとしては2012年に出したデモ『PUSH START』と『INFINITE POWER』の曲に手を付けようかと考えている。それらの曲のリレコをいつどのようにやるかは、まだバンド内で検討中なんだ。

-他のメロディック・スピード・メタル・バンドとは違い、あなた方の曲はただ速く、メロディがあるだけでは無く、多彩な曲展開とその楽曲の長さも特徴として挙げられると思います。こういったスタイルを目指したきっかけは何だったのでしょうか?

マット: 曲を書く時に特にそれらを意識することは無いんだ。メンバー全員が曲作りに参加してきて、今まで多くの曲がボツになったり、棚上げにもなっている。曲の長さについて意識するようになるのは、収録曲を選ぶ必要に迫られた時だね。10分や15分の曲で埋め尽くしたアルバムをリリースするつもりは無いよ(笑)

-デビュー・アルバムはイェンス・ボグレンがミックスとマスターをしましたが、このEPはトミー・ハンセンが担当しています。トミーに頼んだ理由は何でしたか?

マット: それには2つ理由がある。締切に間に合わせるにはイェンス・ボグレンのスタジオは使えなかったのと、次に俺たちはトミーに頼み、デモを聴いて貰った後に即OKを貰えたからなんだ。結果めちゃくちゃ良いものに仕上がったよ。何てったってトミーは生々しいオールド・スクールなサウンド作りの第一人者で、俺たちが憧れていたものだったからね。セカンド・アルバムは再びイェンスにやってもらう予定だよ。

-CRIMSON SHADOWSのコリー・ホーフィンがドラマーとして今回のEPに参加していますね。ただ 最近のライヴ映像をネット上で見たところ、別のサポート・ドラマーと、更にサポート・ギタリストが参加していました。彼らは何者でしょうか?

マット: 俺たちは以前コリーとプレイしたことがあって、それは彼のバンドが2015年にUNLEASH THE ARCHERSとツアーをしていた時なんだ。今回彼と一緒に働けたのは楽しかったし、彼のプレイスタイルは俺たちにぴったりフィットしたんだよ。

で、最近Mad With Power Festでライヴをした時は、ドラムにはICE GIANTと言うバンドのザックに、ギターには友達でライアンの過去のバンドメイトでもあるジェームスに手伝ってもらった。2人とも素晴らしいプロ・ミュージシャンで、最高な働きをしてくれたよ。

-既にセカンド・アルバムに向けて制作を開始しているそうですが、今現在どの位まで進行していますか? 何時ぐらいにそれはリリースが出来そうですか?

マット: うん。正に完成に向けての真っ最中で、2022年の第1四半期または第2四半期辺りでのリリースが出来たらと思っている。

-今後の活動予定を教えてもらえますか?

マット: 今後のライヴとリリースとの間にたくさん予定しているよ…。時が来たら全部発表することになると思う。

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-あなた方が日本の文化を好きなのは有名ですが、最近気になっているものやハマっているものはありますか?

マット: ラーメン、寿司、日本酒への不滅の愛は除いて、最近俺たちはGALNERYUSとLOVEBITESの作品をとても気に入っているんだ。ただLOVEBITESが活動休止してホントに残念だよ。でもこれは物事を進めるためには時として必要になる事さ。いつか将来GALNERYUSやLOVEBITESと同じステージに立ったり、ツアーすることが俺たちの夢なんだ。

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<HM/HR>


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