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9.11エロ現場で見たテロ現場
先輩男優さんと一緒に熱海の旅館の一室で出番を待っていた。 あの日は宇宙企画というメーカーのとある単体女優さんと共に熱海を訪れていた。 昼間、秘宝館などでの外ロケを終え、絡みシーンを撮影するために貸切旅館に辿り着いていた。 待ち時間、私達男優陣は部屋でテレビを観ていた。 ニュース速報と共にニューヨークのツインタワーで起こった信じられない光景が生中継されていた。 何が起こっているのか、あまりの衝撃に私達はまるで映画のシーンを観るかのように釘付けになっていた。 それは映画でも夢でもなく、現実の映像だった。 こんな恐ろしいことが起こっているというテロ現場と、こんなイヤらしいことが起こっているエロ現場がテレビを通じて繋がっていた。 おそらく自宅でその映像を観ていたら恐怖で心を押しつぶされていたかもしれない。 しかしエロ現場で見るテロ現場は、どちらも非日常であり、信じられないことは常に起こり得るという何か達観したような冷静さが私達にはあった。 「これ事故じゃないでしょ、テロでしょ」などと冷静な分析がAV男優の口から聞ける不思議な違和感があった。 ビルが崩壊する前に私達男優陣はADさんから出番を告げられ現場へと向かった。 現場は広い宴会場で、私達はビールを持ち高らかに乾杯した。 おそらくその瞬間、ワールドトレードセンタービルの南棟が崩落した。 その後、控室に戻った私達はその惨状に声も出なかった・・・。 こんな残酷なことが現実に起こるのが世界なのだと・・・。 大東亜戦争の広島、長崎も然り・・・。 人は信じられない残酷なことをするものなのだ。 日本人は戦争で一般人が標的になることはないと信じていた。 しかし、世界は日本人が思うほど人道的ではないということに気付かされた。 現在、世界は第3次世界大戦中だと言う人もいる。 9.11を迎え、今世界で起こっている恐ろしいことに早く日本人が気付いて欲しい、そう思った。