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大学数学で学ぶ高校物理(力学)

皆さんこんにちは.あったかくなってきてとても気分がいいですね.
今回はニュートンの運動方程式ってやっぱすごいな~と再認識する記事です.少々数式が出てきますが数式を入力する練習と割り切ります(笑)
ニュートン方程式は以下のようでしたね.

ニュートン方程式ってなんだっけ

$$
m \bm{a} = \bm{F}\\
$$

m = 質量
a = 加速度
F = 力

でしたね.太字になってるところはベクトルです.ところで加速度は速度の時間微分であり,さらに速度は位置の時間微分ですから,結局は2階の時間微分をしてるわけですね.それを次のようにあらわしたりします.

$$
\bm{a} = \frac{d\bm{v}}{dt} =\frac{d^2\bm{x}}{dt^2} = \ddot{\bm{x}}
$$

一番右の項はドットの数が時間の微分の階数をあらわしています.よく使われている(省略記法?)ので覚えておくと便利かもしれませんね.

というわけで,いままで運動方程式と言っていたのは微分方程式のひとつだったんですね.高校まででは代数方程式的に解くことしかしませんが今回は微分方程式として扱ってみることにします.

りんごといえば落ちる

別にりんごじゃなくても落ちるわけですが,様式美に倣ってりんごが落ちるところを考えてみましょうか.考えるといっても偉大なる運動方程式を解くだけなんですけどね.りんごに働く力は重力ですね.重力加速度gにりんごの質量mをかけたものが重力になります.

$$
\bm{F}\ = m \bm{g}
$$

これをそのまま運動方程式に代入してFを消去してみましょう.

$$
m \bm{a}=m \bm{g}\\ \frac{d^2\bm{x}}{dt^2}=\bm{g}
$$

あら,りんごの質量mは消えてしまいましたね.重力が働く運動には質量が関係ないということでしょうか.りんごだろうが何だろうが同じように落ちるみたいですね.ガリレイのような思考実験でもあってそうですね.

さて計算してみましょう!両辺にdtをかけて積分をします.最後の積分定数は天下り的ですが,v0とします.

$$
\frac{d}{dt}[\frac{d\bm{x}}{dt}]=\bm{g} \\ d[\frac{d\bm{x}}{dt}]= dt\bm{g}\\ \int d[\frac{d\bm{x}}{dt}]=\int dt\bm{g}\\ \frac{d\bm{x}}{dt}=\bm{g}t+\bm{v_0}
$$

dx/dtというのは速度のことですのでこの式は落下する物体のある時刻tでの速度をあらわしています.高校物理の教科書に同じ式がありましたね.ちなみに上の式のdx/dtを全部vに置き換えてみると比較的見やすい式になります.
ではもう一度積分してみましょう.やはり最初にdtを両辺にかけます.

$$
d\bm{x}=\bm{g}tdt+\bm{v_0}dt\\ \int d\bm{x}=\bm{g}\int tdt+\bm{v_0}\int dt\\ \bm{x}= \frac{1}{2}\bm{g}t^2+\bm{v_0}t+\bm{x_0}\\
$$

積分定数はx0としますと,これは落下運動の式そのものになります.初速と初期位置を適当に定めると自由落下だろうが水平投射だろうが鉛直投げ上げはどれもこの式で表せますね.同様にy軸方向が上向きでも下向きでも適宜重力加速度の"成分の符号"を改めてやればやはり同じ式で表せそうです.

運動方程式が成り立つなら運動量は保存される?

卵が先か鶏が先か.分けて考えるとよくわからなくなりますよね.両方同じものなので.というわけで多分,運動方程式と運動量保存は等価?もしくは同じ?というほうが正しそうですかね.

以下のように変形してみます.いくつもりんごがあるとして,i番目のりんごの式が次式で表されるとすると運動方程式は,

$$
m_i\frac{d^2\bm{x}_i}{dt^2}=\bm{F}_i
$$

いくつもりんごがあるというのをn個として,合計していくとするとこれは和の記号を使えばよかったのです.
さてそれぞれのりんごに特別に力がかかってないことを仮定しましょう.
それはFi=0という意味ですから上の式は,

$$
\sum^n_{i=1}m_i\frac{d^2\bm{x}_i}{dt^2}=\bm{0}
$$

となります.和の記号って慣れないとよくわからなくなるのでn=2とかにしておくと最初はいいかもしれません.すると,

$$
\sum^2_{i=1}m_i\frac{d^2\bm{x}_i}{dt^2}=m_1\frac{d^2\bm{x}_1}{dt^2}+m_2\frac{d^2\bm{x}_2}{dt^2}=\bm{0}
$$

加速度のところをdv/dtに書き換えておくとさらに見やすくなります.

$$
\sum^n_{i=1}m_i\frac{d\bm{v}_i}{dt}=\bm{0}
$$

さて,vは時間の関数ですが,mは時間に関係ないのでd/dtを外に出せます.

$$
\frac{d}{dt}[\sum^n_{i=1}m_i\bm{v}_i]=\bm{0}
$$

この式の意味は運動量の和が時間変化しないというものです.ってことは運動量は保存するってことですよね!もし教科書にある式と同じにしたければdtを両辺にかけて積分すればいいのです.

$$
\frac{d}{dt}[\sum^n_{i=1}m_i\bm{v}_i]=\bm{0}\\d[\sum^n_{i=1}m_i\bm{v}_i]=\bm{0}\\\int d[\sum^n_{i=1}m_i\bm{v}_i]=\bm{0}\\\sum^n_{i=1}m_i\bm{v}_i=const.
$$

const.っていうのは積分定数ですから一定ということになります.改めてn=2としてみると,

$$
m_1\bm{v}_1+m_2\bm{v}_2=const.
$$

教科書の式と一致しましたね.

まとめ

運動方程式から落体の運動の公式や運動量保存の式を導きました.

高校物理は微積分は使わないのでたくさん公式を覚えるはめになりますが,本質的なところさえ覚えてしまえば,あとは式変形だけで各公式が出てきます.

あとがき

いかがだったでしょうか?微積分は入っていますがなるべく簡易に書いてみました.

実は力学的エネルギー保存則もあるのですが,導出過程で私自身が納得できないところがあったので割愛...
自分なりに納得できるまで深堀できたら追加する予定です.

そういえばnoteはじめたばかりなのにたくさんスキとフォローいただいてとてもうれしいです!気づき次第フォロバしてるんですが,何人もフォローすると(?)なぜかエラーが出てしまうんですよね~なんででしょう?詳しい人いらっしゃいましたら教えてもらえたらと思います!

ではまたお会いしましょう☆⌒(*^-゜)v

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