院試振り返り

東京大学理学系研究科生物科学専攻の院試を受験してきました。
今日は筆記試験だけ。筆記試験の合否は明明後日の23日正午発表、合格していれば28日に面接という流れ。記憶が新しいうちに振り返ってみます。

前日まで

結構勉強したせいか緊張してた。緊張のあまり血迷って院試受験生vlogを撮影してしまった。が、背景に映り込む部屋があまりにも汚かったのでおそらく世に出ることはなかろう。あんまり食欲はなかったが、無理やりご飯を食べて知識の確認をして午前1時くらいに布団に入った。連日午前4〜5時まで起きてたので寝つけるかめちゃくちゃ心配だったが、この日は午前10時に頑張って起きたおかげで最低限寝られた。

当日朝〜試験開始まで

朝はまあまあぱっちり起床。普段寝坊ばかりしている人間も極度のストレスに晒されれば覚醒できるのである。要事の日は時間通りに起きられるからといって日頃の寝坊を咎められるのは困る。絶対に遅刻できない用事の直前は極めてナイーブになっていて、睡眠の質も極めて悪いのである。夜中に何度も目覚め、睡眠も浅いがために時間通り起きられるだけで、こんな生活を続けていたら早死に待ったなしである。
食欲はあまりなかったが脳を働かせるためには糖類を摂らねばならない。おかずなしで白米を一膳食べた。朝食後は、院試後にボルダリングに行くための靴を探したり、財布を探したりしていたら(5日くらい家に引きこもっていたので財布を使っていなかった)家を出るのが遅れてしまった。入室が9:40までだが最寄駅に9:25着の予定だ。やや時間が険しいが、志望校であると同時に母校でもあるのだ。試験会場は知りつくしているので迷う心配はない。意気揚々と駅から最短の経路・入り口から建物に侵入。時刻は9:39 間に合った!と思いきや試験会場への通路がホワイトボードで封鎖されている。一瞬もう立ち入りが締め切られたのかと思って肝を冷やしたが、改めてホワイトボードの文面を眺めると、ホワイトボードの向こうの渡り廊下部分に試験監督らの控室があるために受験生の立ち入りが制限されているようである。試験会場にたどり着くには違うフロアに行かねばならない。間に合うだろうか……と思考を巡らせていると、どこかの部屋の試験監督の人が通りかかって、封鎖を解除して助けてくれた。今日に限っては特定の入り口からでないと辿り着けないようになっていたらしい。他の入り口を封鎖するか事前の注意に書くかしといてくれ〜。

結局2分ほど遅れて入室。既に説明が開始されていたのでそそくさと着席し筆記用具を取り出す。クルトガ1本なので不安だったけど壊れなくてよかった。多分クルトガは2本あったほうがいいよ。それに早く来た方がいい。

試験

共通問題4問(生化学寄りの問題。この中から2問選択する)と選択問題5問(動物・人類・植物・生物化学・自然史から成り、この中から1問選択する)から構成されていて、共通2問、選択1問の計3問に回答する。

自分の場合、選択問題が懸念要素だった。動物と植物の細かい知識は全く対策していなくて、人類は元々知らないので生物化学か自然史の実質2択だった。試験開始と同時に選択問題を眺める。

生物化学…知らんことが聞かれている…恥ずかしいがアミロペクチンの構造は忘れてしまった泣
動物…神経管発生の仕組みだが、細かいところまで聞かれていて避けたい。
植物…植物の生殖が出ていた。一番苦手なのでパス。
人類…結構分かったが、チンパンジーとヒトの分岐年代を聞かれていて、これは知らないのでパス。

やばい、残りは自然史のみ…自然史を解くしかない…頼む…知ってる問題来てくれ………!!!

恐る恐るページをめくると……

進化・自然史
問1 同所的種文化と異所的種文化について説明しなさい。
問2 同質倍数体を経る同所的種文化について説明しなさい。
問3 交雑帯における強化と融合について説明しなさい。

種文化絡みの話はまあまあ好きだしキャンベルの該当範囲も昨日チラチラ見たのでこれでいくしかない。なんとか全問を回答。点数が来ない問題はなさそうだし、7〜8割くらいはとれているだろう。

続いて共通。どの2問を選択するか悩む。。。結局考察多めの生化学と遺伝学を選択。あんなに勉強したのに結局遺伝学の計算に逃げてしまった。。。

生化学。重い。昆虫で働く転写因子について、局在や機能を絞っていく研究のシナリオに沿った問題。作問者の気合いの入り方を感じる。K先生だろうか……などと考えながらなんとか全問題に回答。これも8割は得点できているので安心。と思いきや残りが40分しかない。試験時間は150分だったので2問に110分を使ってしまった。誤算である。

残り3問のうちどの1問にするか……めちゃくちゃ悩んだ挙句遺伝学を触ってみることにした。計算主体なので割と早く終わりそうだが、計算を誤るリスクもある。一番難しそうな小問を先に解き、これが解けたら残りの遺伝学も解こう…!
そう思ってかなり緊張しながら漸化式を解いたが、見かけ倒しであっさり解けた。暗殺教室でE組が期末テストで大躍進した時の赤羽業みたいな気持ちになった。極限状態はしばしば人を厨二に陥れるよね。

今見ると作画こんなんだったっけ?てなる

遺伝学の残りの問題もなんとか回答。時間が足りずに雑になったところもあったが8割くらいは確保しているはずだ。考察問題の条件設定が割と雑で、どこまで事前知識に基づくべきなのかの判断が難しかった。

最後に自然史の回答を完遂していないことに気が付き、試験終了寸前までクルトガを酷使。なんとか間に合った。ほんと、壊れなくてよかった。クルトガは2本あった方がいいよ。

総括

巷ではボーダーは6割程度と言われているのでまず間違いなく受かっただろう。考察系の問題は元々得意なので楽しく解けたし、2週間前からまあまあ頑張ったおかげで知識に基づく問題も堅実に回答できた。

分厚い教科書を読むのは楽しかったし、自分の研究観もちょっとまた変わった。研究が巨人の肩に乗る営みであるということを机上で実感できた夏でした。


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