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【ピアノ日記】譜読みの方法を変えることにした

最近ピアノの練習がいつになく楽しくて嬉しい。ここ数年、誰からも頼まれていないにも関わらず、意味もなく追い立てられるように練習していた私が、こんな気持ちになれるとは。

でもって、もっとたくさん憧れの曲を弾いて楽しみたいな〜と思ったのだけど、そこに立ちはだかるのが、譜読み面倒くさい問題。譜読みって、面倒くさいですよね…。

大人になってからピアノを再開して、何がびっくりしたかって、脳と指先のリンクがいつのまにかぶっちぎれていた件も衝撃だったけど、何と言っても譜読みが劇的に遅くなっていたこと。冗談抜きで、一番頭の回転が速かった高校生の頃より、10倍以上遅くなっているんじゃないかなぁ。あの頃は週に1回のレッスンで、練習曲、ベートーヴェンソナタ、ショパンの何か、バッハ、と常に4曲並行していて、うち2曲が新曲になったりしても全然平気で、次のレッスンまでに暗譜までしていってた気がする。

しかも高校が家から遠くて通学に1時間かかり、6限まであったり友達と放課後しゃべったりしていると、そこそこ家に帰るのが遅く、家族と一緒に晩ご飯も食べないといけないし、せいぜい毎日1~2時間しか練習できていなかったんじゃないかしら。

しかしこれにはオチがあり、私は譜読みだけは異常に早かったんだけど、どういうやり方をしていたかというと、最初にとにかく暗譜して、あとはずっと手元を見て弾いていたのよね。当時は楽譜を見ながら弾くのは、なぜかできないと思っていたのです(今は逆に暗譜できないので、楽譜を見ながらじゃないと弾けない)。

最初に覚えたら後はもういっさい楽譜を見ないので、覚え違いも超多く、先生にしょっちゅう音符やダイナミクスの間違いを指摘されていた。そのことでものすごく怒られたこともある。こちとら実は、大体あってりゃいいだろ~、ぐらいにしか思っていなかったのよ、先生ごめんなさい。
のちに弦楽器で大学オケに入って、外部から来るプロの指揮者やトレーナーの方々がいかに楽譜を丁寧に読んで勉強しているかを目の当たりにし、初めて「あ、楽譜ってこんなに丁寧に読むものだったんだ~~!!」と開眼した次第です(遅)。

とまあ、楽譜への取り組み方はヒドいものだったんだけど、さらに言うと、当時からつい最近まで変わらぬ譜読みの仕方をしていて(というのも譜読みとはそういうもので、それ以外のやり方があると知らなかったので)、それは、楽譜の左から右にとにかく順々に読んでいくというもの。トラクターが稲刈りを行うイメージで、とにかく端から順々に力技で読んでいく。そこに工夫など皆無である。何と言うか、初見演奏を何度も繰り返すうちに弾けるようになるというのが近いかも。

で、若い頃はこのやり方で困っていなかったのだけど、大人になって再開してからは、どうもこれだと譜読みが全然進まない。難しい曲だと途中で膨大な量の部分練習が必要になってしまい、足止めをくらってうんざり。でもこんなに時間がかかるのは、自分の脳が老化したせいだと思って、諦めていました。

最近になってようやく、「もしかして、この力技のやり方がマズいのでは? 若い頃は脳が活発に動いていたからこれで何とかなったけど、歳取ったら色々と工夫して効率的に譜読みしないといけないのでは?」という思いに至ったわけです(遅、再び)。

そこからyoutubeで調べてみると、色んなピアノの先生が譜読み動画をアップしてた~。私がやっていた、とにかく左から右に順々に読むやり方をしている先生などいない(笑)。
みなさんまず弾く前に楽譜を分析し、それからおもむろに弾くのです(余談ですが、プロの人が初見からクオリティ高く弾けるのを見た時ほど力が抜ける瞬間は、この世にないですよね)。

色々見て、私が参考にしようと思ったのは、メガネ美人ハルナ先生の譜読み動画。まず楽譜をコピーして、色鉛筆でフレーズを囲んだり、いらない情報を修正液で消したり、ややこしい指使いに赤丸をつけたりする。

とりあえずこの方法を試してみると、自分比でかなり譜読みの効率が上がったと思います! 今やほんのちょっとのことで脳がバグっちゃうので、楽譜の情報を整理するのはすごく分かり易くていい。これで譜読みの時間を短縮して、もっと表現や音色のことに時間が割けるようになって、どんどん曲を仕上げていけたら嬉しいな~。

それにしても、若い頃はあのトラクター方式でサッサと譜読みし暗譜までしていたわけで、10代の脳がいかにすごいか分かる。私はブランクを経たのでいきなりのこの落差にびっくりだが、若い頃からずーっと途切れずにやっている人に聞いてみたいのは、いつの時点でトラクター方式の限界を感じ、分析方式の譜読みにシフトしたのか、ということである。(もしかして、上手なちゃんとした方々は若い頃から分析しながらやっているのだろうか? 私はせっかちで、とにかく焦って目の前にあるものに飛びつきたいタチなので、性格の問題もあるかもしれない)

(before)指使いくらいしか書いていない元の楽譜。
(after)コピーして、目立たせたいモチーフをマーカーで塗ったり、右手で弾く音符が下段のヘ音記号エリアに書いてある記譜を、赤ペンで上段のト音記号エリアに書き直したり。ほんの少しの工夫で、かなり脳のバグりが防げて時短になります。

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