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【ピアノ日記】年末年始に訪れた心境の変化(2023年末編)

2023年は、ピアノとの向き合い方について無意識下で少しずつ心境の変化があったのだけど、年末に一気にそれが顕在化して爆発したので、それについて書いてみます…。


まず一昨年の2022年末に、自分としてはものすーごくチャレンジだった、フォーレのピアノ四重奏の演奏をして、一年間練習が大変だったけど、得る物も大きかったのです。
このNoteもその時の演奏を成功させたくて、練習の気付きの記録として始めたわけだし、技術面・心理面で自分の持つ様々な課題を克服したくて途中からアレクサンダー・テクニークのレッスンも受けるようになったし(結果、アレクサンダー・テクニークのレッスンはずっと続けたいと思うほど自分にとって欠かせないものとなった)。

で、難しい曲に挑戦してあらゆる面で成長できてそれはよかったのだけど、その練習はというと本当に辛かったのですよ。
まだ弾けていないのに容赦なく迫ってくる弦楽器との合わせの日、本当に本番までに準備が間に合うんだろうか? という焦り、毎日何時間も自分が弾けていない事実をつきつけられながらの気が狂いそうに地道な部分練習(しかも全楽章なので大量)…。
当時は毎朝暗澹たる気持ちで起床していたのを思い出します。

私は見た夢をメモしているのだけど、その頃に見た夢のメモを読み返すと、「交差点で横たわる人の上を何台もの車が轢いていく夢」「犬がもう動きたくないのに飼い主にリードを引っ張られて引きずられて行く夢」など。夢の登場人物は自分の分身というけど、これが自分の分身としたら、この頃は相当病んでいる、笑。後から考えると、好きでやっている趣味なのになんでこんなに苦しみながらやってんの? と思うのだけど、当時はもう必死。


年明けて去年、2023年。年始のNote投稿を読み返すと、発表は大変だったけど得る物が多いのでまたチャレンジしたい、というようなことを書いている(のど元過ぎれば熱さ忘れ?)。
で、引き続きチャレンジしようと思い、またまた自分にとっては難しい曲&超絶難しくはないけどずっと好きで弾きたかった小品たちを並行して練習していたのだけど、やっぱり難しい方の曲はそりゃあもう大変なのですw。小品群の方だって、聴かせる演奏をと思うと、抜けなく曲を作り込むのがそれなりに大変。

やっているうちに、我ながらだんだん疑問に思えてきた。「なんで私は、誰からも頼まれてもないのに、こんな苦行を自らやっているんだろう? 誰もアマチュアの私の演奏になんか期待してないのに、なんでハイレベルな演奏を自らに課して、それができないからって悩んでいるんだろう…?」

そう。私は、なぜかとても理想が高く、自分で自分のハードルをむちゃくちゃ上げてしまうのです。その傾向に気付き、疑問視し始めたのも実はごく最近(以前はそれが当たり前で、みんなそうだと思っていた)。
あんたはアマチュアなんだから、これぐらい弾けてればもう十分やんか、という気持ちにはどうしてもなれないのです…。
本番ではミスもしたくない、ただ弾いてるだけに聞こえる演奏も絶対イヤ、何かを聴いてる人に伝えたい、全部の音に神経が通った演奏をしたい、そんな完璧主義で、比べているのはもちろんプロの演奏w。そして当然ながら、音楽を専門にやってきた人たちと比較したって、積み上げてきたものも技術も比べものにもならないので、高い理想には到底届かず、自分の下手さに日々落ち込む…の繰り返し。

そんなこんなで、特に難しい方の曲は自信無くして落ち込む→持ち直す→また落ち込む、の無限ループにはまってしまい、さすがにこれは辛い、音楽が楽しめない、、、と思っていたのです。

そんな折、昨年末に一年を振り返ろうと、スマホでほぼ毎日つけている日記を1月から12月まで一気に読み返してみた。

そこに節々に書いてある、「ピアノの練習をしなければ」「曲が弾けるようにならなくて辛い」「諦めず努力して頑張る」などの言葉たち…。もう読んでて涙が出そうになってしまった。もう分かったから! あんたは十分頑張った! もういいからそんな辛いことはおやめ! と自分に言ってあげたくなった。

そう、ようやく自覚したのです…。私はずーっと、今の考え方で行うピアノの練習にもううんざりしていたことに。演奏の楽しさ < 練習の辛さ。再開直後は、ただ楽しくてやっていたのに、いつのまにかハードル爆上げ。
夢に出てきたように、無意識下では実はずっと自分が無理していることに気付いていたのだけど、今までの人生でピアノに限らず受験・就職、その他細かいことでも色んなことで、チャレンジして克服することでなんとか自分を保ってきたという感覚があり、本当はもう努力することにも頑張ることにもうんざりしているのに、見て見ぬ振りをしていた。

練習だって自分の下手さをつきつけられてこんなに辛いのに、自分に厳しく毎日毎日やってきた。

以前図書館で借りた本で、何かのお医者さんが書いていたことに、「40歳までは免疫力があるので、多少のストレスのかかる挑戦は自分の成長のために必要。ところが40過ぎてのストレスは体にとって猛毒となるので注意」とあった。まさにそれよ😂

もう次の本番が終わったら、楽しく感じられないなら練習しない、本当に弾きたいと思った時だけ弾く、そして弾くなら楽しくできる曲を弾く、無理して難しい曲を弾くのもやめる、昔のオケ仲間(←ハイレベルなアマチュアの人たち…)に聴かれるようなプレッシャーのかかる本番には一切出ず、聴衆がほぼ初対面程度の気楽な弾き合い会にしか出たくない、という結論に落ち着いてしまった私。。


ちなみにピアノブランク中、弦楽器でオケに入っていた頃はピアノ仲間は皆無だったけど、再開してからここ数年は、ようやくピアノの知り合いもできて、色々とその方々から情報をいただくようになった。その方々によると、最近は大人のコンクールも盛んで、子供の頃の容赦なく落とされるコンクールと違って、お祭りみたいで楽しいコンクールもあるらしい。

私もその気になって、じゃあ出てみようかな? なんて一瞬考えたこともあったけど、今思えばとんでもない。私のことだからコンクールなんて出たら、たとえその時の自分の精一杯の演奏をできたとしても、絶対に超絶上手な方々と相対評価的に比べて勝手に落ち込むに決まってる。自分を強く持っていて、コンクールを糧とできるような性格ならどんどん出たらいいと思うけど、私のメンタルだと違いそうなので、何もそんな自ら気持ちを下げに行かなくてもいいでしょ、、と思い直しました。

そんな感じでピアノに関してようやく自分の本心に気付き、憑き物が落ちたような気分になり、ある意味さっぱりとして2023年は幕を降ろしたのだった…(新年編に続く)

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