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【最新まとめ】事業再構築補助金 

事業再構築補助金の概要について説明しています。


➢ 事業再構築補助金とは

新型コロナウイルス感染症の影響等によって、当面の需要や売り上げの回復が難しい中小企業に対し、新たな事業の挑戦を支援する補助金です。
そのため、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に係る経費が補助されます。
対象となる中小企業、中堅企業は以下の範囲となっています。

➢ 補助対象経費になるもの

事業再構築補助金では、以下の経費を補助対象とすることができます。
ただし、「専ら補助事業に使用されるものである」必要があります。

  • 建物費(建物の建築・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復、貸し工場・貸店舗等の一時移転)

  • 機械装置・システム構築費(設備、専用ソフトの購入やリース等)、クラウドサービス利用費、運搬費

  • 技術導入費(知的財産権導入に要する経費)、知的財産権等関連経費

  • 外注費(製品開発に要する加工、設計等)、専門家経費 ※応募申請時の事業計画の作成に要する経費は補助対象外。

  • 広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)

  • 研修費(教育訓練費、講座受講等)


<注意しなければならない点>
建物費は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15条)における「建物」、「建物附属設備」に係る経費 が対象です。「構築物」に係る経費は対象になりませんのでご注意ください。

機械装置・システム構築費は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15条)における「機械及び装置」、 「器具及び備品」、「工具」に係る経費が対象です。「構築物」、「船舶」、「航空機」、「車両及び運搬具」に係る経費は対象になりません のでご注意ください。

事業拡大につながる事業資産(有形・無形)への相応規模の投資をしていただ く必要があります。このため、一過性の支出と認められるような支出が補助対象経費の大半を占める ような場合には、本事業の支援対象にはなりません。

➢ 補助対象外になるもの・注意点


補助対象経費に該当するものであっても、既存事業でも使用される場合は「専ら補助事業に使用される」ものではなくなるため、補助対象外とされます。
対象経費として導入した資産を補助事業以外で用いた場合は目的外使用と判断され、残存簿価相当額等を国庫に返納する必要がございますのでご注意ください。
また、原則交付決定後に発注した経費が対象になります。

<そのほか、対象外となる経費の例>

  • 事務所等に係る家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費 

  • 諸経費、会社経費、一般管理費、現場管理費、雑費等、詳細が確認できない経費 

  • フランチャイズ加盟料 

  • 電話代、インターネット利用料金等の通信費(クラウドサービス利用費に含まれる付帯経費は除く) 

  • 商品券等の金券

  • 販売する商品の原材料費、予備品の購入費、文房具などの事務用品等の消耗品代、雑誌 購読料、新聞代、団体等の会費 

  • 飲食、奢侈、娯楽、接待等の費用

  • 不動産の購入費、構築物の購入費、株式の購入費 

  • 税務申告、決算書作成等のために税理士、公認会計士等に支払う費用及び訴訟等のため の弁護士費用

  • 日本国等が行う一定の事務に係る役務(登記、登録、特許、免許、許可、検査、検定、 試験、証明、公文書の交付等)に対する手数料

  • 収入印紙

  • 振込等手数料(代引手数料を含む)及び両替手数料

  • 公租公課(消費税及び地方消費税額等)

  • 各種保険料

  • 借入金などの支払利息及び遅延損害金

  • 事業計画書・申請書・報告書等の事務局に提出する書類作成・提出に係る費用 

  • 汎用性があり、目的外使用になり得るものの購入費・レンタル費(例えば、事務用のパソコン、プリンタ、文書作成ソフトウェア、タブレット端末、スマートフォン、家具等)

  • 自動車等車両(事業所内や作業所内のみで走行し、公道を自走することができないもの及び税法上の車両及び運搬具に該当しないものを除く)、船舶、航空機等の購入費・修 理費・車検費用

  • 中古市場において広く流通していない中古機械設備など、その価格設定の適正性が明確でない中古品の購入費

  • 事業に係る自社の人件費、旅費

  • 観光農園等のうち、栽培に係る経費

  • 再生可能エネルギーの発電を行うための発電設備及び当該設備と一体不可分の附属設備 (太陽光発電を行うためのソーラーパネルなど) ※グリーン成長枠に応募する事業者においても、対象外となりますのでご注意ください。

  • (過去又は現在の)国(独立行政法人等を含む)が助成する他の制度(補助金、委託費、 公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等)により既に受給の対象となっている経費

➢ 申請に必要な要件

事業再構築補助金の申請には、全ての事業者が以下の2つの要件を満たす必要があります。

  1. 事業計画について認定経営革新等支援機関や金融機関の確認を受けること。

  2. 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3~5%(申請枠により異なる)以上増加、 又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3~5%(申請枠により異なる)以上増加の達成。

➢ 申請枠(事業再構築補助金の概要 令和5年8月31日より)

申請枠の全体像は、以下の表のようになっています。
(「事業再構築補助金の概要」令和5年8月31日の資料を参考にしています。2024年以降は申請枠が変更になる可能性があります)
各申請枠には要件が設けられており、申請のためには各枠の要件もクリアする必要があります。

事業再構築補助金 各申請枠の全体像
  • 成長枠

  • グリーン成長枠

  • 産業構造転換枠

  • 最低賃金枠

  • 物価高騰対策・回復再生応援枠

  • 卒業促進枠 ※成長枠又はグリーン成長枠に申請する事業者が同時申請できる枠

  • 大規模賃金引上促進枠 ※成長枠又はグリーン成長枠に申請する事業者が同時申請できる枠

  • サプライチェーン強靭化枠(第11回では公募なし)


【各申請枠の要件と補助額】

<成長枠>


付加価値額については、 年率平均4.0%以上増加が求められます。
また、以下の①②どちらも満たす必要があります。
① 取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること
② 事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること

①の要件については、事務局が指定したリストに記載されている業種・業態に属している必要があります。
成長枠対象業種・業態リスト (jigyou-saikouchiku.go.jp)

成長枠の補助額


<グリーン成長枠(エントリー)>

付加価値額については、 年率平均4.0%以上増加が求められます。
また、以下の①②どちらも満たす必要があります。
①グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当し、その取組に関連する1年以上の研究開発・技術開発又は従業員の5%以上に対する年間20時間以上の人材育成(※) をあわせて行うこと
②事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること

グリーン成長枠(エントリー)の補助額


<グリーン成長枠(スタンダード)>

付加価値額については、年率平均5.0%以上増加が求められます。
また、以下の①②どちらも満たす必要があります。
①グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当し、その取組に関連する2年 以上の研究開発・技術開発又は従業員の10%以上に対する年間20時間以上の人材育成(※)をあわせて行うこと
②事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること

グリーン成長枠(スタンダード)の補助額

グリーン成長枠は、エントリーとスタンダードで以下のような違いがあります。補助上限額は高いですが、スタンダードはハードルが高く設定されています。

グリーン成長枠 エントリーとスタンダードの違い

また、成長枠・グリーン成長枠に申請する事業者が、大幅な賃上げを行う場合、補助率を引上げ(中小企業:1/2→2/3、中堅企業:1/3→1/2)ることができます。その際は以下をどちらも満たす必要があります。
①補助事業期間内に給与支給総額を年平均6%以上増加させること
②補助事業期間内に事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引上げること

補助率引き上げに関して


<卒業促進枠>

成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通して、中小企業等から中堅企業等に成長する事業者に対し、補助金額が上乗せされます。
大規模賃金引上促進枠との併用はできません。

以下の①及び②を満たす必要があります。
①成長枠又はグリーン成長枠に、同一の公募回で申請すること。
②成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年で中小企業・特定事業者・中堅企業の規模から卒業 すること(※)

卒業促進枠の補助率


<大規模賃金引上促進枠>

以下の要件をいずれも満たす必要があります。
①成長枠又はグリーン成長枠に、同一の公募回で申請すること。
②成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年の間に、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準 で引上げること。
③成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年の間に、従業員数を年率平均1.5%以上(最低事業 計画期間×1人の増員が必要)増員させること

大規模賃金引上促進枠の補助率


<産業構造転換枠>

付加価値額については、 年率平均3.0%以上増加が求められます。
また、以下の①②のいずれかを満たす必要があります。
①現在の主たる事業が過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上縮小する業種・業態に属しており、当該業種・業態と は別の業種・業態の新規事業を実施すること
②地域における基幹大企業が撤退することにより、市町村内総生産の10%以上が失われると見込まれる地域で事業を実施しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の10%以上を占めること。
 ①については、事務局指定のリストにある業種・業態が対象です
産業構造転換枠対象業種・業態リスト (jigyou-saikouchiku.go.jp)
 ②については、事務局指定のリストにある地域が対象です
産業構造転換枠対象地域リスト (jigyou-saikouchiku.go.jp)

産業構造転換枠の補助額


<最低賃金枠>

付加価値額については、 年率平均3.0%以上増加が求められます。
また、以下の①②どちらも満たす必要があります。
① 2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、2019年~2021年の同3か月の合 計売上高と比較して10%以上減少していること
② 2022年10月から2023年8月までの間で、3か月以上最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員 の10%以上いること

最低賃金枠の補助額


<物価高騰対策・回復再生応援枠>

付加価値額については、 年率平均3.0%以上増加が求められます。
また、以下の①②いずれか満たす必要があります。
① 2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、2019年~2021年の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
②中小企業活性化協議会から支援を受け、再生計画等を策定していること

物価高騰対策・回復再生応援枠の補助額


➢ 応募時に必要な書類

応募は電子申請で行いますが、その際に添付が必要な書類は以下のようになっています。

<申請者全員が必要な書類>
・事業計画書
・認定経営革新等支援機関による確認書
・労働者名簿(役員以外の従業員)
 ※氏名、生年月日、入社年月日、職種が記載されているもの
・受信通知(確定申告を電子申請で行っている方)

<法人の方が必要な書類>
・決算報告書 直近2期分
・確定申告書別表一(直近)
・法人事業概況説明書(表裏、直近)

<個人事業主の方が必要な書類>
・所得税青色申告決算書 直近2期分
・確定申告書第一表(直近)

<申請枠や条件によって必要な書類>
最低賃金枠、物価高騰対策・回復再生応援枠といった売上減少が要件に含まれている申請枠では、売上が減少していることを示す書類が必要です。
また、大幅な売上減少などの加点を申請する方も、同じように売上減少を示す書類が必要です。
主に、売上減少を比較する月が含まれた期の資料が必要になります。
法人の方:確定申告書別表一、法人事業概況説明書、受信通知
個人事業主の方:所得税青色申告決算書、確定申告書第一表、受信通知

➢ 応募~事業実施の流れ

応募申請以降の流れは下記の図のようになっています。
採択となった事業者様は、原則、採択発表の日から14か月以内に事業を完了させ、実績報告を行う必要があります。

応募申請前の準備
申請はjGrants(電子申請システム)で行うため、 GビズIDプライムアカウントを発行する必要があります。発行するまでに時間がかかる場合があるため、応募を検討されている方は早めにID取得を行いましょう。
GビズIDプライムアカウントは、以下のホームページで必要事項を記載し、 必要書類を郵送して作成することができます。
GビズID | Home (gbiz-id.go.jp)

①応募申請
事業計画書の策定、必要書類を準備し、公募の締切までに電子申請にて申請します。

②採択発表
公募締切から約2~3ヵ月ほどで採択結果が発表されます。
結果は事業再構築補助金のHPに公表され、電子申請画面でも確認できます。

③交付申請
採択となった事業者様は、交付申請という細かな審査に進みます。
事務局がオンライン説明会を開催するため、必ず参加し交付申請の注意点を把握する必要があります。
交付申請では実際に見積書等を提出し、計画に沿っているか、補助対象経費と認定されるか等、事務局の精査が行われます。
申請内容によって審査期間は大きく変わり、2か月程度で交付決定となる事業者様もいれば6か月程度かかる場合もあります。
※事務局とのやり取りが多く発生する段階です

④交付決定・事業実施~
交付決定が下りたら、その内容に沿って事業を実施します。
ここから内容の変更は原則認められませんので、交付申請を経て認められた資産を導入していきましょう。
また、支払いについては必ず銀行振込で行ってください。

⑤実績報告
建物改修・建設や設備の導入など、事業が完了したら実績報告を行います。
実績報告では、実際に購入した設備等の請求書や納品書、振込依頼書といった証憑の提出が必要です。
また、導入前後の写真なども提出が求められます。

⑥精算払請求
実績報告を行った後、事務局から補助金確定通知書が出たら正式な補助金額の決定となります。この通知が届いたら、Jグランツ(電子申請)から精算払請求を行います。
精算払請求から補助金の入金までの日数は事業者によって差があります。

⑦事業化状況報告
補助金の入金後に事業再構築の補助事業について、申請者が事務局に行う状況報告のことです。事業状況の報告は、1回目を含め合計6回の報告を行います。報告する内容は、以下の内容があります。
①直近1年間の補助事業に係る事業化並びに付加価値額状況
②補助事業に係る発明、考案等に関する特許権などの知的財産権を出願若しくは取得した場合
又はそれを譲渡し、若しくは実施権を設定した場合には、当該知的財産権の取得状況

損益計算書や貸借対照表、労働者名簿等の提出が求められます。


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