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映画祭受賞作品の選考

International Auto Film Festaでは、委員会とメディアパートナーの代表者によって受賞作品が選ばれています。

その選出のポイントとしてはクルマ好きが集まり、「この作品が素敵だ」「この映像が好きだ」というシンプルな投票制。


応募作品を全て視聴することからはじまる。

作品が申し込みされると全てに目を通して、「レギュレーションに沿っていない作品を外す」選別から始まります。
世界中色々な文化や生活があれば、様々な解釈があり、「自動車に関係があるか無いか」の判断は難しかったりもします。自動車が視覚的に出てこなくても、自動車を表現する方法があるかもしれません。その意図を含めた視聴を大切に心がけています。

自動車の映画祭として、ルールに則っているか否かの確認は大切です。今回(第2回/2024年)で言えば、2023年1月1日以降に完成、または公開した作品であること、15分以内の作品であること、そして自動車がテーマであることが規定されています。

ここから作品への投票がはじまります。

各自、最高得点を10点(1作品のみ)とし、それぞれ【 10点、6点、4点、2点、2点、2点、2点、1点、1点 】の点数で作品を視聴しながら分配していきます。

この結果、複数の審査員から点数が入った作品と、各投票の中で10点が入った作品(投票者が1名だけであっても)がノミネート作品としています。

審査員全員の投票が終わったタイミングで集まって会議を行うのですが、この時にノミネートから外れる作品の中で「この作品は推したい」「外すのは勿体ない」という作品が議論の上でノミネート作品に入ることがあります。

他の映画祭の運営の方に聞くと、こうした敗者復活ではないけれど「推薦」という制度をとることは多い様です。また、この議論こそが映画祭を運営する上での面白さでもあると感じています。異なる解釈に気づく、繋がることも少なくありません。

いよいよ受賞作品の選出

そしてノミネート作品だけを対象にして、あらためて投票を行います。点数の配分は先と同じく【 10点、6点、4点、2点、2点、2点、2点、1点、1点 】となります。

面白いのは毎回審査員の好みが完全に分かれること。クルマが好きということ以外は、仕事もフィールドも異なる人の集まりです。それぞれの作品の見え方も異なることが多い様です。
一方でそれぞれに利害関係がないのもバランスが良く、忖度なく自分の意見を出せる環境であることも、こうした場に現れていると感じます。

それぞれ最高得点を入れる作品が異なることが多く(というより過去2回の中では全てバラバラ)、結果的にそれぞれが最高得点を取った作品は、何らかの受賞に繋がっています。

また最も興味深いことは、過去2回の映画祭の中でグランプリに選ばれた作品だけは、審査員全員が点数を入れているという結果も続いています。
もちろん全員が最高得点ということではありませんが、全員がそれぞれの異なる価値観を持ちながらも評価した作品と言うことが出来ると思います。

各メディア賞に関しては、それぞれメディアパートナーの代表が選ぶ「最高得点(10点)を得た作品」が対象になっています。これも先に書きましたが、他者の最高得点作品とは重複していません。
こうした面からも審査員のバランスの良さを感じています。

選考者の視点をもっと増やしていきたい。

国際映画祭の名称に相応しく、更に広い価値観や視野として、海外で活動する方を審査員として招き増やしたいと考えています。

今年に入り、様々な場所から協力を申し出て頂くことが増えてきているので、この辺りは自然に任せつつも、きっと適任者が入ってくれることを願っています。

出来るだけ多くの方々に応援してもらえると嬉しいです。
International Auto Film Festa (Official Site)

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