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映画祭の運営と、マネタイズと、スポンサーについて。

2024の授賞式はLe Garageル・ガラージュ)」さんとの共催となりました。これが今回の映画祭において、とても大きな影響がありました。


『Le Garage』との出会いと思い出。

六本木にあるLe Garageは「クルマを偉大なオモチャと考える、大人のガレージショップ(公式サイトより引用)」です。
個人的な印象としては、クルマに関連するハイセンスなセレクトショップ。

美術大学に通いながらデザインを学ぶ学生にとってバイブルの一つでもあった「雑誌 AXIS」。そこに必ず広告があってお店を知りました。クルマ好きの同期と一緒に「Le Garageで買い物をすること」が、いつしか目標となって、実際に足を運ぶことになります。

そこで出会った映像作品が「C’etait un Rendez Vous(ランデヴー)」。映画「男と女」で有名なクロード・ルルーシュの作品です。DVDが販売されている横のモニターに流れていました。
当時は(お財布事情で…)買うことが出来なかったのですが、店頭で何度も繰り返し見た(というか、目が話せなかった)ことを思い出します。

個人的に「忘れられないクルマの映像」に出会った場所。それがLe Garageです。繋いでくれたのは、映画祭実行委員のひとりである生方聡さんでした。
そんな場のスタッフの方々と、映画祭授賞作品発表と受賞式を共催できたことが、とても嬉しくありがたかったです。

映画祭の運営とスポンサーについて。

現在私たちの映画祭には大きなスポンサーはついていません。
断っているわけではないのですが、作品の応募や審査に影響することを懸念している点もあり、今は積極的に呼びかけていないのが理由のひとつです。

そんな中でしたが、今回はご縁がありLe Garageさんに会場提供と店舗スタッフの皆さまの協力という形でスポンサードを頂くことになりました。

『授賞式会場』をリアルなオフラインで設けることが実現し、いくつかの評価の中で、正式な映画祭のひとつとしてスタートすることが出来ました。これにより、2024では大幅に応募作品が増えることに繋がります。
(映画祭の基準は多々ありますが、その第一段階として「オフラインでの授賞式」があります。)

運営面で見る映画祭参加費の有料化について。

持続可能な運営として必要なのは運営資金の確保です。スポンサーから資金提供を頂くのも選択肢のひとつですが、映画祭の中には参加者の「応募費用(審査費)」を設けるものもあります。
世界中を見ても金額としては、だいたい1応募につき数千円から1万円程度が一般的なイメージ。

参加の有料化は、作品へかける作り手の思いのバロメーター、つまり本気の作品のみが集まるというメリットもあります。入口のハードルを上げることで、最初のふるいをかけることが出来ます。

また、応募費用の有料化により、スポンサーに頼らずに賞金を設けることもしやすくなります。(参加費の合計から運営費を引いた残りを優秀者に分配する考え方。参加者は公平な権利を持つことが前提。)

賞金を設けると更に応募数も増えやすくなります。話題性も上がり、広報面でも効果に繋がることがあります。応募費(審査費)の有料化は、健全な映画祭の運営として見ても、とても大きなメリットがあると感じています。

ただ「気軽な応募」がしにくくなるのも事実です。ここが難しい点です。

応募の無料化のメリット・デメリット。

これは諸刃の刃なのですが、応募費の無料化は映画祭のテーマに関係の無い作品が集まりやすくなってしまいます。

が、一方で、例えば私たちの映画祭で言えば「これはクルマの映画なのだろうか」という判断がしにくい作品も、迷ったら応募するという選択が出来るようになります。そこに素晴らしい作品に出会う機会が増えます。

また、映像制作が身近になっている今、面白い映像を作っていながら「プロでは無いから…」という認識のクリエイターも世界中にいると思っていて、そういう方々の参加を呼びかけるのであれば、入口は広く低いほど良いと今は考えています。

誰にとっても身近な映画祭でありたい。それが理由の根っこです。

参加費が1万円だったとして、その金額は企業にとってみれば安いかもしれないけれど、個人にとっては大きな金額です。
応募の機会が減るとするならば、それに出会う視聴者の機会も奪うことになる。応募者と視聴者のそれぞれの立場から、今は応募は無料にするという選択をしています。

もし有料化するのであれば、それに見合う体験を参加者へ与えたい。

現在映画館などでのスクリーン上映は行っていません。これは機会がないだけであって、今後何かしらのご縁があればスクリーンでの上映をしてみたいと考えています。(大型のスクリーン投影が出来て、作品を鑑賞する環境が整っていれば映画館に限りません。一緒にやりませんか?)

というのも、今回の授賞式に参加頂いたクリエイターの方々の意見の中で印象的だったのは「自分の作品を見ている人のリアクションが見れたのが嬉しかった」というもの。

こうした機会はスクリーンでの上映があって実現出来ることです。今回は授賞式がメインだった為、時間の都合により会場で上映出来たのは数十秒程度の抜粋でした。それでも上記の感想があったのです。

なので、こうした体験は参加者にとって有益なものと推測できますし、参加のメリットに繋がると感じています。

スクリーンでの上映が可能となっても、会場の経費も加わるので安易に利益は望めませんが(むしろ赤字になる可能性も負いますが)、どちらにしろ、リアルなスクリーンでの上映をしてみたいです。

ただ、会場での上映があったとしても、YouTubeでの全編公開は並行していきます。この考え方については別のエントリーでも述べています。

映画祭の経営面での運営について。

映画祭は儲けようと思えば、利益を出すこともできると思います。

ただし、多くの映画祭同様に私たちの目的もそこには無く、まずは自分たちの資金で出来ることを行う。というスタイルで立ち上げ、現在運営をしています。

もちろん私たちの資金では実現できることに限りがあります。
そろそろ映画祭としてステップアップが必要なタイミングが近づいていると考えていて、その時には関わる人たちが今以上に増えることになります。

そうなると、規模的にも様々な方々にご協力頂くことが必要になります。

スポンサー企業にとってメリットがあること、応募者にとってメリットがあること、そして視聴者にメリットがあること。その辺りを慎重に取り組むことが、映像を通じたクルマ文化の一端を担う映画祭として、必須条件だと考えています。

出来るだけ多くの方々に応援してもらえると嬉しいです。
International Auto Film Festa (Official Site)


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