CDRヘッダー

ADASビジネス最前線!日本に不足しているCDRアナリストとは?

事故前後の車両データをレポート化。
クラッシュデータパラメータを分析することで詳細な事故解析を実現!

CDR/EDRって何?

CDR(クラッシュデータ・リトリーバル)とは、クルマのエアバック制御ECUに内蔵されているEDR(イベントデータレコーダー)に記録されている事故データ(車両情報)を読み出すツールです。

簡単に説明するとブラックボックスのようなEDRから車両の情報を引き出すために必要となるツールということになります。

ボッシュ製のCDRツールは、アメリカ国内外の法執行機関から自動車メーカーまで、様々な組織にて導入されており、2017年時点では17メーカー、51ブランドに適合できる世界No.1の事故解析ツールとなっています。

なぜCDR/EDRが必要なの?

昨今、事故を未然に回避するためのアクティブセーフティー(予防安全)システムが急速に進化し、普及し始めました。
人がシステムに頼る割合が増えるにつれて、システムが意図したとおりに動作しているのかを確認する必要が生まれます。

そのような背景から、ADS(オートメイティッド・ドライビング・システム)搭載車両の登場からアクティブセーフティー(予防安全)システムの関連EDRパラメータの重要性が高まっています。

日本の導入状況は?

EDR(イベントデータレコーダー)は、アメリカ、ヨーロッパ、そして韓国、中国でも法規により車両への装備が義務付けられています。

残念ながらこれまで日本では装備が義務付けられておらず、現在の装着はホンダ、マツダ、トヨタ、日産、スズキに限られてましたが、2018年に入り国交省よりEDR搭載の指針が発表されています。

どんな情報が記録されているの?

EDR(イベントデータレコーダー)は事故発生5秒前から以下のような情報を記録する装置となっています。

・車速
・エンジン回転数
・ステアリング切り角
・アクセル開度
・ブレーキの作動状態
・ベルトの作動
・エアバッグの作動
・車両の受けたGなど

CDR(クラッシュデータ・リトリーバル)は、事故後にEDR(イベントデータ・レコーダー)に記録されているデータを読み出し、解析用のデータとしてパソコンで見ることができるようにするツールとなります。

これを利用すれば、多数のクルマが絡んだ事故でも、どのクルマが原因となっているかを事後に正確に判断することができると言われています。

そのため、CDR(クラッシュデータ・リトリーバル)は海外と同様、保険会社の事故調査員、警察、自動車メーカー、多数の車両を保有する企業などの導入が今後想定されています。

どうやったら使えるの?

CDR(クラッシュデータ・リトリーバル)から得られる車両データは専門的な項目となっており、これらのデータを解析するためには専門のトレーニングを受けた「CDRアナリスト」が必要となります。

今後は、CDR認定トレーナーの養成を行い、そのトレーナーがユーザーとなるCDRアナリストを養成する計画になっています。

<CDRについての詳細は下記セミナー書き起こしを参照ください>

国内初!一般向けEDR/CDR(事故データ抽出・解析)セミナー
http://autoalliance.jp/update/845/

<参考資料>

国交省、自動運転車事故責任 「システム起因」立証容易に EDR搭載など指針

自動運転車の損害賠償責任のあり方を議論する国土交通省の有識者会議は27日までに報告書案をまとめた。

自動車損害賠償保障法(自賠法)上の責任主体を引き続き「運行供用者」としつつ、システム欠陥などを立証しやすくするため、車両にEDR(イベントデータレコーダ)を積んだり、事故の調査体制をつくるなどして保険会社が自動車メーカーに求償権を行使しやすい環境を整える。また、サイバー攻撃などによる事故は盗難車と同様、政府保証事業の対象として保険金を出す一方で、欠陥起因の自損事故は対象外とする。

国交省が2016年11月に立ち上げた「自動運転における損害賠償責任に関する研究会」がまとめた。自賠責保険は事故被害者を迅速に救済するため、責任主体を運転者のほか、一定条件下で企業や運送会社などの「運行供用者」と規定している。研究会は自動運転車の事故についても引き続き、運行供用者の概念を維持し、システム起因の事故については現行の求償権制度を使って対応する方針を打ち出した。
求償権制度は、保険会社が被害者に保険金を支払った後、欠陥が原因の場合は自動車メーカーに保険金相当分を求める仕組み。現在はほとんど使われていないが、国交省は「自動運転技術が普及するとシステム起因の事故が増えることが想定される」(自動車局保障制度参事官室)として、保険会社が求償権を行使しやすい仕組みを整える。具体的には(1)事故原因を究明しやすいようEDRを搭載する(2)保険会社と自動車メーカーが求償範囲や原因究明で協定を結ぶ(3)事故原因を究明する機関を作る—ことなどを例示した。具体案は、技術の進展や海外動向などを考慮して詰める。
一方、システム起因の自損事故は「製造物責任法や民法、任意保険などでの対応が適当だ」として、自賠法の保障から外す考えを示した。
また、自賠法上で免責される「自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかった」「自動車に構造上の欠陥または機能の障害がなかった」などの“免責3条件”について、ソフトウエアのアップデートを含めるなど、具体的なケースや法解釈を引き続き、検討することにした。

日刊自動車新聞 2018年1月29日掲載


<参考資料>

事故記録データ解析ツール「CDR」(クラッシュデータリトリーバル)

CDR(クラッシュデータリトリバール)は、事故検証で重要となる、事故のインパクトと運転状況を記録するイベン

トレコーダー(EDR)を読み出す機器として、警察、事故調査機関、自動車メ

ーカー、保険会社、政府機関などで活用されています。そのCDRは、過去17年の実績を基に17メーカー、51ブランドをカバーしている世界No.1*のツールです。*対応メーカー数、車両数において世界No.1(2017年現在、当社調べ)

ボッシュはEDRの活用において読み出しと運用を含め幅広いブランド、車両に対応した唯一のサプライヤーです。発展の進む自動運転に向けて、安全性に関わる先進的な取り組みを日本でも展開してまいります。

出典:第35回オートサービスショー2017“ボッシュが描く未来の整備工場”出展概要


<参考文献>

・BOSCH - CDR/EDR発表資料
http://www.mlit.go.jp/common/001219351.pdf
・一般社団法人 日本自動車会議所 - 国交省、自動運転車事故責任 「システム起因」立証容易に EDR搭載など指針
https://www.aba-j.or.jp/info/industry/2233/
・オートプルーブ - ボッシュ 事故前後の車両情報を解析する「クラッシュデータ・リトリーバル」を日本で発売
https://autoprove.net/supplier_news/bosch/47391/

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