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【教えて!ロコ先生】vo.1  – 呼吸/prana – Part #1

AutHenticity yoga school メイン講師のロコがお届けするヨガにまつわる深〜いお話、『教えて!ロコ先生』。連載企画でスタートします!
第1弾は「呼吸」をテーマに、3回シリーズでお話しします。

この回にまつわるロコ先生の呼吸瞑想ガイドはこちらから👇

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–呼吸(プラーナ)の概念を「噛み砕いて」お話しします


ヨガの言葉・サンスクリット語で
“呼吸”、に当たるのがプラーナ(prana)。
 
 
プラーナという言葉は実際、いろんな意味を含むので細かく分解すると


pr: 前に来るもの
ana: 呼吸
 

こんな意味合いがあります。
 

つまり、
 

\呼吸の、その前に来るもの/
 

命を生かそう、とする【衝動】のようなもの。


宇宙の意思。
 

それ、を含んだ呼吸をプラーナといいます。
(日本語ではよく生命エネルギー、と訳されます。)


紀元前800年から500年前に書かれたと言われる
ヨガの奥義書・古ウパニシャッド(初期)の中では
こんな物語が紹介されています。


「昔々、舌と目と耳とマインドとプラーナ(呼吸)が
誰が最高位であるかを言い争っていましたとさ。・・・」


それぞれ、一年に渡り体を離れ、
自分が居なくなるとどれだけ大変かということを
証明して見せようとしました。


しかし、舌、目、耳、さらにマインドでさえも
その留守中、体は生き続け、環境に順応しました。
つまり、居なくてもどうにかなりました。


そしてついに、プラーナ(呼吸)が体を離れる番が来ました。
その他の内臓は、まるで蒸発するかのように
たちまち自分たちのパワーが失われていくのが
わかりました。
生命力そのものも徐々に弱まっていきます。


そしてプラーナ(呼吸)は言うのです。


「全てのものが存在するのは、私の力によるものだ。
私が居なくなれば、あなたたちは消失する。


私こそが、呼吸、エネルギー、注意力、気づき、内臓への活力、
すべての原動力を担っている力だなのだ。」


古代から、私たちの存在に
最も欠かせないとされてきたこのプラーナ。


目に見えない、けれど核として私たちの存在を支えるプラーナとは一体何ものなのでしょうか?


ここから3回に渡りプラーナについて投稿していきますが、
第1回の今日は


「空気」と「呼吸」の違い


という観点から、
プラーナを考えてみたいと思います。

–「空気」と「呼吸」の違いについて、メカニズムも交えて解説


いわゆる呼吸の仕組みを考える時
私たちは「空気の移動」として
そのメカニズムを理解します。


「空気は気圧の
高いところから低いところへ移動する。」


この物理のルールに則り、
横隔膜(呼吸の主要筋)が垂直方向に下がり
筋肉肋骨を持ち上げ、さらに広げることで
圧が下がった胸郭内に空気が入り込んでくる、というのが
私たちが息を吸う時のメカニズムです。


体の形が変わり、圧が変わるから
空気が移動する、というわけです。


ちょうどアコーディオンを想像していただくと
そのメカニズムがイメージしやすいかと思います。

しかしここで
「空気」と「呼吸」を
はっきりと使い分ける必要があります。


なぜなら、
「呼吸」という定義を含むプラーナは、
「空気」とは同義語ではないからです。


私たちが息を吸って空気(酸素)を取り込む時、
空気の最終ゴール地点は肺です。
それより先に入ってしまったら大変な話。


しかし、
空気の届かないはずの腹腔にも
呼吸による変化が見られます。

胴体のうち横隔膜を隔てて、上部を胸腔、下部を腹腔と呼びます。


息を吸う時、
胸腔では形が変わり圧が変わり、結果、
(空気が流入し)容積が変わっていましたが、


同じ時、
腹腔には何が起こっているのでしょうか?


横隔膜が垂直方向に下がり、
腹部は前方に押され突出します。
体内で内臓の位置等には移動があるものの、
その容積に変化はありません。


つまり、形だけが変わります。


胸腔のアコーディオンに対し
腹腔は水風船をイメージしてみてください。
握り潰すと形は変わりますが、
中のお水の量(容積)は、変わりません。

呼吸とは「体の形状の変化」、
そう呼ぶことができそうです。


ヨガレッスンで講師が
「全身の細胞で呼吸を感じよう。」
そんな声がけをすることがあるかと思います。


これは紛れもなく、
空気の移動、ではなく
呼吸 = 体の形状の変化 
を指しています。


体とは、骨格であり筋肉であり内臓であり、細胞であり
目に見えない微細な体(コーシャ)も含みます。


(*コーシャについてはまた次回記事で詳しくご紹介します)


プラーナは肺に止まらず、その先
私たちの全身の全細胞に行き渡り、
私たちを生かしているエネルギーです。

次回ヨガレッスンに参加する際はぜひ
胸部・腹部はもちろん
頭部や首、みぞおち、骨盤周り、足首などが


開いては閉じ
膨らんではしぼみ
持ち上がってはしずみ・・・


呼吸するたびに起こる体の形の変化を
目に見えるものも
目に見えないものも
注意をよく向けて
観察してみてくださいね。


そこに、「プラーナ」の正体を知る
ヒントがありそうです。

–「プラーナ」の正体とは


ではここで、目を閉じて
息を吐き切ってみて下さい。


よっぽど抵抗しない限り…


息を吐けば、
必ずまた、
息が「入ってくる。」はずです。
 


それが、あなたの体に
宇宙が、自然界が ”吹き込む”
命のエネルギー。

 
「いやいや!私の意思で吸ってるよ!」
って、思うかもしれません。  
 

もちろん、
放っておいたら苦しくなるのでねw
あなたはどこかのタイミングで
息することを
”許す” と思うのです。
 

でもその
生きたい!
生き続けたい!っていう【衝動】って、

 
\どこから来てるのでしょう?/
 
 
あなたは確かにその瞬間。
プラーナを体に
”受け入れている” のです。
 
 
命を生かしたいという
大いなる何かの衝動を、


小さな私たちは
受け入れ、生かされている。

  
きっとその感覚が

ヨガの聖人たちがよく使う
「委ねる」「降参する」
” surrender” の
はじまりかもしれません。


日々の中で
抵抗したくなったら…
でも、どう手放していいか分からなくなったら…


目を閉じて
呼吸してみて下さいね。

委ねる・・・

私たちの、
この命の、原点です🌱


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最後までお読みいただきありがとうございます!
また次回の配信でお会いしましょう。

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