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モロッコ暮らし*庶民派ハマム2

モロッコでは、結婚している女性は、パートナーのために女らしくあるべきであるとされているので、ハマムに行き全身を磨きたてる事は、女性の権利であると同時に義務でもあります。

一般的に女性たちは週に一回、数時間から半日をハマムの中で過ごします。
ハマムの中は、脱衣所、温めの部屋、暑い部屋にわかれていて、それぞれを行ったり来たりしながら、全身を磨き上げます。

*垢すり
サボン・ベルディというオリーブオイルから作られた練りせっけんを全身に塗り、温まり垢が出やすい状態になったところで、ミトンで擦ります。
垢すり専門の女性にお願いする事もありますが、大抵は家族同士、友人同士で擦りあいます。

*脱毛
モロッコでは、既婚女性は全身の毛を脱毛する習慣があります。裕福な女性は永久脱毛なども行いますが、一般的なのはハマムでのハニーワックスです。ちなみに未婚の女性は顔の産毛の処理なども含む脱毛を一切行ってはならない事になっています。

*ガスール
ガスールとは、モロッコ、フェズ近郊で取れるクレイの一種です。日本にも輸出されていて、フェイスパックなどに使用される事が多いようですが、モロッコでは、髪を洗うために使われます。

*ヘナ
モロッコでは、手足にヘナタトゥーを施すために、また髪を染めるために使われます。

*マッサージ
マッサージ専門の女性がいます。女性用でもかなりアクロバティック。男性のマッサージはプロレスの技をかけられたようだった・・・という体験談多数。

という訳で一通り温まり、垢すりをしあい、全身のムダ毛の処理をし、髪のパックをし・・・・
持参したお茶やジュース、軽食をいただきつつ家族や友人と積もる話をしていたらあっという間に半日位経ちます。

庶民派ハマムに来るのは徒歩圏の近所の人で、何曜日の何時ころ来て、どのあたりに場所を取る、という縄張りのようなものもあるという噂も・・・。

モロッコの庶民の世界には日本のように女性同士でカフェに入る習慣は無いので、ハマムがカフェの代わりの場所でもあり、一週間分の噂話から息子の嫁探しまで、ハマムで行われるとか。


これだけの事がハマムの中で行われるので、ハマムの床には「垢すり後のいろいろ」「脱毛後のいろいろ」「ガスール」「ヘナ」が流れてきます。その上女性用ハマムにはおむつの外れてい無い赤ちゃんも来ますから・・・間違っても「下流」には座ら無いように・・・。開館直後を狙って行った方が、気持ちよく利用できると思います。

庶民派ハマムにも、古い歴史的建造物から、築数年までいろいろあります。モロッコ人にとっての「良いハマム」は、大抵古くて、電気ではなくマキを使って温めるタイプのハマムですが、日本人にとっての「良い庶民ハマム」は、観光客を含む外部の人が出入りしていて、清潔であまり混み合っていないハマムでしょう。

「ハマムを楽しむために」

1:一人でいかない
モロッコ人女性は、基本的に一人では行動しません。普通、ハマムには家族で連れ立って行きます。庶民派ハマムは保守的な世界なので、一人で入るだけで奇異の目で見られる事も。観光客同士でも良いですが、モロッコ人女性と行ければ最高です。
2:パンツは脱がない。絶対に脱いではいけません。替えをお忘れなく。
3:朝一番、食事の支度どきなどの女性が忙しい時間帯を狙う
4:窃盗に気をつける。荷物は必ずお金を払って預ける、貴重品は持参しない。

持参するもの:ビーチサンダル、ゴムマット的なもの、シャンプー、リンス、タオルなど。ハマムで有料レンタル、購入できる事もありますが、シャンプーなどの質はあまり良くないので持参をお勧めします。ただし、大きなボトルを持っていくと知ら無い人に勝手に使われて、ハマムを一周して帰って来た時には空、という事もあるので小さいものを。
















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