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ソフトロボットに関する研究事例4選

ソフトロボティクスとは

消費者への3Dプリンタの普及や、人体の皮膚との親和性から、ソフトロボットへの研究開発が盛んに行われています。同時にロボティクスの文脈では、深層学習などを用いた信号処理、画像解析の文脈からも数多くの研究がなされており、人間の生活環境へロボットが溶け込む日もそう遠くはない可能性を感じさせてくれます。

特に近年研究事例が増加傾向にあるソフトロボティクスは、まさに物理的に柔らかいロボットに関する研究領域になります。この領域は10年ほど前から徐々に学会等で類似研究が報告されており、特にマテリアルの柔らかさに注目した複合領域で、人間と機械の新しいインターフェースになり得る分野とされています。この柔らかさを再現するためには、生物を良く理解する必要があり、生物に類似したロボットが開発されている事例も多く存在します。

本noteでは、ソフトロボットに関する研究事例を4本ご紹介し、ソフトロボットに関する研究の潮流に関して触れてみたいと思います。

ソフトロボットに関する研究事例4選

3Dプリンティング、機械工学、およびマイクロフルイディクスの専門知識を持つハーバード大学の研究チームが、最初の自律型のソフトロボットを実証したと発表し、Natureに掲載しています。

本論文がNatureに寄稿されたのは2016年で、この小型の3Dプリントロボットであるoctobotは、完全にソフトで自律的な新世代のマシンへの道を開く可能性があると報告しています。

ボディは、成形およびソフトリソグラフィを使用して製造され、空気圧アクチュエータネットワーク、燃料、移動に必要な触媒反応領域は、マルチマテリアルの埋め込み3Dプリントを介してボディ内でパターン化しています。

UCサンディエゴらの研究チームは、水電極の1つとして液体で満たされた内部チャンバーと、2番目の電極として周囲の環境液体を使用する、フレームレスの水中DEA設計の使用を研究し、その成果をScience Roboticsに寄稿しています。

この研究チームが提案している方法により、代替のアプローチと比較して人工筋肉の設計が簡単になり、水中ロボット用の軽量かつ柔らかく透明なアクチュエータを作成できるとしています。

ドイツのマックス・プランク研究所のチームが、柔らかい活性物質で構成された、磁気的に動作し、所望の時に形状が変化するソフトロボットを提案し、2018年のNatureに寄稿しています。

特に磁気作動は、ほとんどの生物学的および合成材料に簡単かつ無害に浸透できるそうで、医療用途をはじめとしたさまざまな用途に適していると主張しています。

Robert F. Shepherd氏らが率いるコーネル大のチームはこれまでにも3Dプリント可能な自己修復機能を備えたソフトロボットなど、素材とデジタルファブリケーション を生かしたユニークな研究を行ってきました。

その研究チームが、汗をかくように温度に応じて自身の温度を調整する機能を備えた3Dプリンタで作られるソフトロボットがScience Roboticsに掲載されています。

3Dプリンタなどの産業界の変化と同時に、研究開発で増加しているソフトロボットの技術革新も生じており、今後も目の離せない分野となっています。

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