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シヴァ・ビンドゥ01. はじめに

オウム真理教とはなんだったのか――わたしはずっと考えてきました。寝てもさめても考えている時期もありましたから、とり憑かれてしまったようなものでした。

いったいなぜあんなことになってしまったのか、わたしたち大部分の信徒が知らないところでなにが起こっていたのか。オウムの宗教世界観・教義に基づいて理解することができないなら、オウムという体験を乗りこえることも、本当の意味で脱会することもできないだろうと思いました。

そして、オウム試論として最初に書いたのが「シヴァ・ビンドゥ」(2011年)でした。もともとは知人だけに公開したものですが、わたしと同じような問いを長年にわたって抱えている元オウム信者の参考になればと、手直しして公開することにしました。

「シヴァ・ビンドゥ/神の種子」は、オウム事件の宗教的解釈です。できるだけオウムの宗教用語を使わないように心がけていますが、読み手がオウムの宗教観でもあるヨーガ・仏教・密教をある程度理解していることを前提にしています。もちろん、宗教的な解釈と現実的な裁きを切り分けることは言うまでもありません。


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